ベーキングパウダーと重曹の違い。「黒糖まんじゅう」のレシピも合わせてご紹介。

まんじゅう 作り方

今日は「黒糖ソーダーまんじゅう」をつくりました。
重曹を使った、黒糖まんじゅうです。中には小豆餡が入っています。

レシピをご紹介するとともに、まんじゅうを膨らませるために一般的によく使われる重曹とベーキングパウダーの違いと、重曹を使った場合に酢を加える効果も合わせてお伝えします。

ソーダーまんじゅうとは

まんじゅう 作り方

「ソーダまんじゅう」とは、重曹(重炭酸ソーダ)を利用して膨らませたまんじゅうのことです。

アメリカのソーダブレッドであるマフィンやスコーンの影響を受けて、明治以後につくられるようになりました。

聞き書・ふるさとの家庭料理〈7〉まんじゅう・おやき・おはぎ」という郷土料理の本によると、「ソーダまんじゅう」はかつて、小麦の収穫や稲の田植えなど、ハレの日のお祝いの料理として欠かせなかったそうです。

現在では「ただの地味なまんじゅう」かもしれませんが、その素朴さには何だかほっとします。思い立ったらすぐにつくれる手軽さもいいですね。

重曹とベーキングパウダーの違い

ところで「まんじゅう」は、重曹ではなくベーキングパウダーでも膨らますことが出来ます。

ちなみにこれからご紹介する「黒糖まんじゅう」のレシピを変更するとしたら、重曹をベーキングパウダー大さじ1で代用します。

重曹とベーキングパウダー、それぞれを使った「まんじゅう」のできあがりには、次のような違いが出ます。

まんじゅうの仕上がりの違い
重曹使用 皮の色が黄色っぽくなる。
独特の苦みやにおいが残る。
ベーキングパウダー使用 皮の色は白いまま仕上がる。
苦み・においは残らない。

ベーキングパウダーは、重曹の欠点を補うためにつくられた膨張剤です。
でもベーキングパウダーは、あらゆる点で重曹よりも優れているとは言えないと私は思っています。

重曹の欠点は上に記した通り、まんじゅうの仕上がりが黄色っぽくなることと、独特の苦みやにおいが残ることです。
この短所の原因は、炭酸ナトリウムという物質にあるようです。炭酸ナトリウムは、重曹が加熱された時に、化学反応によって生み出されます。

一方、ベーキングパウダーには、重曹の欠点を補うべく、炭酸ナトリウムの残留を防ぐ酸性剤が添加されています。
重曹の欠陥を排除したベーキングパウダーは、確かにこうした面から判断すると優れていると言えます。

ベーキングパウダーの欠点

しかし、ベーキングパウダーに添加された酸性剤には、少々気になる物質が含まれています。

酸性剤の1つであるミョウバンは、アルミニウムを含有してます。
ご存じの方は多いと思いますが、アルミニウムは一時期、アルツハイマーを引き起こす物質として注目されていました。

アルミニウムとアルツハイマーの関係は、今のところ否定されています。
でも私は、念のため気にしています。アルミニウムのように人体に必要でないものは、極力取らないに超したことはありません。

そこでどうしてもベーキングパウダーを使いたい場合は、ラムフォード ベーキングパウダー というアルミフリーの商品を購入するようにしています。

重曹を使ったまんじゅう

さてすでに書いたように、重曹を使ったまんじゅうは、皮の色が黄色っぽくなり、独特の苦みやにおいが残ります。

でも重曹を必要以上にたくさん使わなければ、むしろこれらの欠点は、懐かしい雰囲気を醸し出してくれるプラスの要素になると私は思います。

もしどうしても重曹のこのような性質が気になるようでしたら、重曹の使用をちょっと減らし、その代わりに少量のお酢を加えると、重曹独特の色や臭いがかなりおさえられます。

しかもお酢少々を生地に加えると、重曹の発砲力が強まるため、皮がよく膨らみます。
皮がよく膨らむし、重曹の苦みや臭いもやわらぐのであれば、一石二鳥ですね。

今日のレシピにも、お酢を加えてみました。
ちなみにこのレシピくらい少量の酢だったら、できあがりの味に影響はありませんよ。

重曹を使ったまんじゅうの作り方

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重曹と酢を使って膨らませた「黒糖まんじゅう」のレシピです。

材料【4個分】
A
中力粉(※1) 100g
重曹 小さじ1/5(0.7g)
小さじ1
黒砂糖 大さじ1
60cc
小豆あん(※2) 120g
アルミホイル 7センチ角×4枚

※1 強力粉と薄力粉を50gずつ混ぜて使っても良い。
※2 小豆あんのレシピはこちらをご覧ください。

作り方
  1. 黒砂糖と水を小鍋に入れ、火にかける。かき混ぜながら黒砂糖を煮溶かす。溶けたら火を止める。冷ます。
  2. 蒸し器を火にかける。
  3. 1とAの材料すべてを混ぜ、耳たぶ位の柔らかさの滑らかな生地になるまでこねる。(水分が足りない場合は水を足す。)
  4. 3を4等分し、それぞれを丸くのばして小豆あん30gを包む。7センチ角に切ったアルミ箔を4枚用意し、まんじゅうを1つずつのせる。
  5. 蒸気の上がった蒸し器に4を入れて13分蒸したらできあがり。

黒糖風味の素朴なおまんじゅうが出来ました。

ほんわかと心も体も温かくなります。ぜひアツアツの蒸したてを食べてみてください。

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