「料理のレシピはいらない。」
こんな一言を聞いたら、多くの料理好きは「そうだよね」と思うかもしれません。
レシピなどいちいち見ずに自分の感覚を信じて料理を作った方が、美味しくできるよ。
自らのレシピを世に送り出しているような料理好きでも、そうおっしゃる方が、実はけっこう多いものです。
でも、ここで取り上げた「料理のレシピはいらない」という一言は、自分の勘を頼りに料理を作った方がいいよという意味で発せられたものではありません。
これは経済評論家の勝間和代さんが著書に書いた一言で、勝間さんはその本の中で、レシピを見ない代わりに食材の「総重量」と「塩分」と「温度設定」を頭に入れておくだけで、料理が美味しく作れるとおっしゃっています。
今日は、そんな勝間さんが実践している料理の作り方をご紹介します。
ちなみに勝間さんは、フレンチのシェフ・水島弘史さんが主催する料理教室で、この調理法を学んだそうです。
勝間和代さんの料理の作り方
料理は、総重量と塩分と温度設定が頭に入っていれば、だいたい作れる。
勝間さんは、水島弘史シェフが考案した「ロジカルクッキング」という調理法の法則をいかして、料理をしているそうです。
まずは、勝間さんが実践している料理の作り方を、同著をもとに説明します。
- 出来上がりの塩分は、0.8%くらいにする。
煮込み時間を10分とすると、その間に10%程度の水分が蒸発するので、食材の全重量の0.7%の塩分を加える。 - 塩気は、好みの調味料を組み合わせてつける。
それぞれの調味料に含まれる塩分を計算しながら、量を調整する。
(ちなみに、醤油大さじ1に含まれる塩の量は約2.5g。味噌大さじ1は約2g。塩小さじ1は5g。) - 甘みは、食材の全重量の0〜2%の間にする。
- 調理に適した温度設定をし、加熱する。
温度管理は、普通の鍋ではなくマイコン電気鍋に頼る。
たとえば、マイコン電気鍋を用いてかぼちゃの煮物を作ると、理想的な加熱温度である85度に自動的に設定される。
詳しく説明すると少し複雑になりますが、一度全体を理解してしまうと、勝間さんの実践していることはとてもシンプルに思えます。
仕上がりの塩分を0.8%くらいにし、理想的な温度で加熱すれば、美味しい料理は作れるということです。
ちなみに、0.8%というのは、水島さんがすすめる理想的な料理の塩分量です。
水島さんは、人間が最高に美味しいと感じる塩の量は0.8%だと仰っています。
その理由は、人間の脳が本能的に美味しいと感じる塩分濃度が0.8%であり、また人間の体内の塩分濃度(0.8~0.9%)と同じだから。
実際にこの濃度で料理を作ってみると、素材の味が引き立つ、ほど良い塩加減に仕上がります。
勝間さんは、この調理法をもとに、ご自宅でお料理を作っているそうですよ。
使用する調味料の種類によって、料理のできばえがかなり変わると思うので、試してみると面白そうです。
また、温度管理は、特別な鍋を買わずに自分でしても良いと思います。
最後に少し個人的な話をすると、「カツマー」という勝間さんを慕う女性をあらわす言葉が流行語大賞にノミネートされた頃、私は勝間さんが主催する「勝間塾」に一度だけですが参加したことがあり、タフな精神力を持つ勝間さんから良い影響を受けました。
また、水島さんのレシピで作った料理の上品な味が私はとても好きです。