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煎り酒の作り方と使い方。江戸時代の万能調味料のレシピ。

投稿日:2017年5月15日 更新日:

江戸時代の万能調味料「煎り酒」の作り方を2パターンご紹介します。

江戸料理文化研究家の車浮代さんのレシピと、日本料理の名店「割烹すずき」の店主、鈴木好次さんのレシピです。

醤油の代わりに何にでも使える「煎り酒」は、塩分が控えめでヘルシーなことから、今再び注目されているそうです。

「煎り酒」は自宅でも簡単に作ることができます。主な材料は、かつお節と梅干しと酒だけです。

最初に車さんと鈴木さんの「煎り酒」の違いを簡単にお伝えしておきます。
車さんのは淡い優しい感じの味で、鈴木さんの煎酒は、それよりも数段濃いめの仕上がりになります。だしの旨味も梅干しの酸味も、鈴木さんのははっきり出ます。

また車さんの方は、日本酒のアルコール分はほぼ残りませんが、鈴木さんの方はアルコールが含まれていることがはっきり分かるくらい残るのが特徴です。ですので保存性は、鈴木さんの煎り酒の方が高いと思います。
車さんの煎り酒の調理時間は15分。一方の鈴木さんのは5分で、そのあとに一晩置くレシピになっています。
好みの味を見つけてみてください。

(一部情報元:TBSテレビ「あさチャン!」あさトク 2017年5月15日放映、NHK「あさイチ」2018年1月23日放映)

車浮代さんの煎り酒

まずご紹介するのは、江戸料理文化研究家の車浮代さんが考案した「煎り酒」のレシピです。

ちなみに車さんは「江戸おかず」をはじめとした、江戸料理のレシピ本を執筆しています。

材料【100ml分:調理時間15分】
日本酒 200ml
梅干し 大1個
少々
かつお節 1/2パック(1.25g)
作り方
  1. 小鍋に日本酒・梅干し(種ごと)・塩を入れ、日本酒が半分になるまで弱火で煮詰める。
    かつお節を加え、さらに5〜6分弱火で煮る。
  2. 1を火からおろして粗熱を取り(上の写真)、キッチンペーパーを敷いたザルで丁寧に濾したらできあがり。
    煮沸消毒した容器に入れ、冷蔵保存で1週間以内に使い切る。

使用する鍋は、梅干しが日本酒にしっかり浸るような、底の狭いものがおすすめだそうです。


ほのかな酸味と深い旨味が印象的な、優しい味の調味料が出来ます。

車さんによると、ごく一般的な醤油の塩分は、大さじ1あたり2.6gくらい。でもこの煎酒は、その1/6程度(0.42g)です。
かつお節の風味が効いているので、少ない塩分でも塩気がしっかりと感じられるのだそうですよ。

お刺身やおひたしと合わせたり、卵にかけたりと、普通の醤油と同じように使えます。

車浮代さんの煎り酒の使い方

次に、車さんおすすめの煎り酒の使い方をご紹介します。

まずご紹介するのは「煎り酒ドレッシング」のレシピです。
煎り酒とオリーブオイル(各適量)を混ぜたら完成です。
さっぱり味のドレッシングで、サラダやカルパッチョにおすすめだそうです。

次に「煎り酒ドレッシング」を使った「しらすとキャベツの和風パスタ」(上)のレシピをご紹介します。
ゆでたキャベツとパスタに「煎り酒ドレシング」を混ぜ、シラスと大葉と卵黄をトッピングし、最後に煎り酒を回しかけたらできあがり。
私は濃い味に慣れてしまっているからか、煎り酒をけっこうたっぷり使ってしまいましたが、さっぱりとしつつも味に深みのある、食べ応えのあるパスタが出来ましたよ。

ところで当サイトでは、車さん「煮貫」のレシピも紹介しています。
この「煮貫」も、今回ご紹介した「煎り酒」と同じく、江戸時代に親しまれた万能調味料です。リンク先も合わせてご覧ください。

次に鈴木好次さんが考案した「煎り酒」のレシピをお伝えします。

鈴木好次さんの煎り酒

続いてご紹介するのは、8年連続ミシュランの星を獲得した日本料理の名店「割烹すずき」の店主、鈴木好次さんが考案した「いり酒」のレシピです。

材料【500ml分:調理時間5分/置く時間1晩】
日本酒 700ml
梅干し(※) 4個
だし昆布 10センチ角1枚
削り節 30g

※塩分18%以上のしょっぱい梅干しがおすすめ。小粒梅や塩分が少ない梅を使う場合は個数を増やす。

作り方
  1. 鍋に材料すべてを入れ、火にかける。沸騰したら弱火にして3分煮る。
  2. 1を材料を入れたままの状態で、冷蔵庫で一晩寝かす。
  3. ザルにペーパータオルを敷き、きれいにこしたらできあがり。

写真をもとにレシピを説明します。


【工程1・2】
まず鍋に材料すべて(日本酒700ml・梅干し4個・だし昆布10センチ角1枚・削り節30g)を入れ、火にかけます。
沸騰したら弱火にして3分煮ます。(上の写真)

ちなみに梅干しは、塩分18%くらいのしょっぱいものを使う方が、かつおぶしと昆布の旨味が引き立って美味しいそうです。

3分経ったら火を止め、材料を入れたままの状態でラップなどをかぶせ、冷蔵庫に一晩入れます。



【工程3】
一晩置いたら、ザルにペーパータオルを敷き、きれいにこしたら完成です。

淡い琥珀色の「いり酒」が出来ます。

お味の方は、既にお伝えした通り、先の車さんの「煎酒」とくらべると、かつおや昆布の旨味も梅干しの酸味も濃く感じられます。
また車さんの方は、日本酒のアルコール分はほぼ残りませんが、鈴木さんの方はアルコールが含まれていることがはっきり分かるくらい残るのが特徴です。
好みの味を見つけてみください。

鈴木さんの煎り酒の使い方

最後に鈴木さんの「いり酒」の使い方をご紹介します。

小松菜の煮びたし

まず最初にお伝えするのは、いり酒を使った「小松菜の煮びたし」のレシピです。

材料【2人分:調理時間20分】
小松菜 2株
いり酒(※) 適量
いり酒と同量
かつお節 好みで適量

※先に紹介したレシピで作ったものを使用。

作り方
  1. 【小松菜を茹でる】小松菜は根を落とし、根元に十字の切り込みを入れる。
    鍋に湯を沸かし、塩ひとつまみを加え、小松菜を茹でる。茹で上がったら冷水に取り、水気を絞って食べやすい大きさに切る。
  2. いり酒と水を鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。
    人肌まで冷まし、1を10分漬ける。
  3. 2を皿に盛り、好みでかつお節をかけたらできあがり。

小松菜の自然な甘みや旨味が引き立つ、上品な味わいの煮浸しが出来ますよ。

ぶりの照り焼き

次にご紹介するのは、いり酒を使った「ぶりの照り焼き」のレシピです。

材料【2人分:調理時間20分】
ぶりの切り身 2切れ
長ねぎ 1/2本
柚子の皮 好みで適量
いり酒(※) 適量
ひとつまみ

※先に紹介したレシピで作ったものを使用。

作り方
  1. ぶりに塩を振って2分置き、流水で洗って水気を拭き取る。
  2. 1をボールに入れ、ぶりが浸るくらいのいり酒を注いで10分置く。
  3. フライパンを熱し、1センチ幅の輪切りにした長ねぎとぶりを焼く。
    ぶりの両面に焼き色が付いたら、いり酒を回しかける。
  4. 3を皿に盛り、フライパンに残った汁をかける。好みで千切りにした柚子の皮を添えたらできあがり。

いり酒に漬けることで、ぶりの肉質がふわっとするそうです。

またフライパンで焼く際には、油は引きません。魚から出る脂だけで十分美味しそうです。
いり酒を使うと、美味しそうな焼き色や照りが付くという効果もあるようです。

お吸い物

続いてご紹介するのは、いり酒を使った「お吸い物」のレシピです。

材料【2人分:調理時間5分】
しいたけ 1個
お麩 2個
いり酒 1カップ
1カップ
柚子の皮 好みで適量
作り方
  1. しいたけを薄切りにし、お麩を水でふやかす。
  2. いり酒と水を鍋に入れ、沸騰させる。
    しいたけとお麩を加え、ひと煮立ちさせたら火を止める。
  3. 器に注ぎ、好みで千切りにした柚子の皮を飾ったらできあがり。

いり酒は旨味たっぷりなので、このお吸い物には、だしを使う必要がありません。

いり酒ご飯

最後にご紹介するのは「いり酒ご飯」のレシピです。

米1合につき、いり酒大さじ1を加えて炊きます。

材料【1合分:調理時間1分/炊飯時間は除く】
1合
いり酒 大さじ1
作り方
  1. 米を研いで炊飯器の内釜に入れ、いり酒を加え、1合の目盛りまで水を注ぐ。
  2. 普通に炊いたらできあがり。

いり酒を加えて炊くと、ご飯のツヤと甘みがアップします。


ところで鈴木さんによると「いり酒」は、そのままつけだれやドレッシングとして使えるのはもちろんですが、ごま油やマヨネーズといったコクのある調味料にちょい足ししても美味しいそうです。

たとえば「いり酒」にごま油を足すと、炒飯や炒め物などに使えるそうです。
またオリーブオイルを足すと、パスタやリゾットにぴったり。さらにケチャップに足すとポークチャップに、マヨネーズを足してポテトサラダにするのも美味しいそうです。
どれも「いり酒」と調味料の割合を1:1(もしくは2:1)くらいにするのがおすすめだそうです。いろいろ試してみると面白そうですよ。

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