
フランス生まれフランス育ちのドミニック・ローホーさんは、モノを極力持たないシンプルな暮らしを提唱しています。私は、ドミニックさんの生き方にとても共感していて、彼女の著書はほとんど読んでいるのですが、先日雑誌の「クロワッサン」を読んでいて、とても驚いたことがあります。
狭いスペースでゆったり暮らす
それは、ドミニックさんのパリにある自宅は、たったの12㎡だということ。
12㎡。日本間でいうと、だいたい8畳弱。東京のワンルームよりも狭いその部屋の中に、シャワー室やトイレ、キッチンまであるというからビックリです。
記事の中には、ドミニックさんの部屋の様子が、たくさんの写真で紹介されていました。それを見てまたビックリ。小さな部屋に見合った小ぶりの収納がいくつかあるものの、どれもガラガラ。恐ろしいほど、持ち物が少ないことが分かります。
例えば、本棚なんかもスッカスカ。
幅40~50センチほどの棚が4段あるのに、そのうちの1段に、たった数冊の本が置かれているだけです。他の3段には、小さな時計や置物がゆったりと鎮座しています。
ちなみに、希少な蔵書は、ほとんどが詩集だそうです。読み終わった本は、基本的には誰かにあげるか、処分してしまうとか。記憶しておきたいことがある場合には、その部分だけメモで残し、コンピューターに入力して保管しているそうですよ。きっちりしてますね。徹底して必要なモノしか置かないというこだわりが、よく伝わってきます。
窓が小さくても快適な住まい
ところで、ドミニックさんの暮らすご自宅は、アパートメントの屋根裏部屋。もともとはメイドさんが使っていたのだそうです。
想像すると、なんだか気の毒な気さえしてしまう広さですけど、ご自身はとても満足されている様子。スタジオジブリのアニメ「魔女の宅急便」が好きな彼女が、パリじゅうを探してやっとみつけたお気に入りの部屋なのだそうです。
ドミニックさんはこんなことを言っています。
面積が狭いから、窓が小さくても、陽ざしは充分です。とても快適で、ここに帰ると、旅が好きな私ですら外へ出かけるのがおっくうになるほど。
なるほど。窓が小さくても、嘆く必要はないんですね。部屋が狭ければ、陽ざしは充分だから。まさに、「足るを知る者は富む」。考えようで、今の生活をもっと楽しむことは可能なんですね。