
卵がふわとろでご飯がパラパラに仕上がるオムライスのレシピをご紹介します。
フレンチのシェフ、水島弘史さんが考案したレシピです。
このオムライスはとても簡単に作れますが、調理の仕方がかなり変わっています。
特徴は3つあります。
1つめは、ケチャップライスの具材にあらかじめ油を混ぜること。
具材に油をコーティングしてから炒めると、あとで混ぜるご飯がベチャベチャになりにくいです。
2つめは、ケチャップライスのご飯にあらかじめ水と油を混ぜること。
水と油を混ぜてから炒めると、パラパラなケチャップライスが簡単に作れます。
3つめは、卵を弱火で調理すること。
卵を時間をかけてじわじわ加熱すると、ふわとろな卵が失敗せずに作れます。
上品な味わいの美味しいオムライスができますよ。
(一部情報元:TBSテレビ「サタデープラス」弱火調理法 2017年9月16日放映)
材料
鶏モモ肉 | 60g |
玉ネギ | 20g |
パプリカ | 30g |
マッシュルーム | 20g |
温かいご飯 | 150g |
サラダ油 | 適量 |
水 | 大さじ3 |
日本酒 | 20g |
トマトペースト | 18g |
塩 | 3g |
砂糖 | 3g |
コショウ | 適量 |
卵 | 2個 |
牛乳 | 50g |
塩 | 1.2g |
砂糖 | 1g |
コショウ | 適量 |
無塩バター | 10g |
作り方
- 【チキンライスを作る】鶏モモ肉・玉ネギ・パプリカ・マッシュルームを1センチ角に切る。
- 冷たい状態のフライパンにサラダ油を入れ、鶏モモ肉を加え、鶏肉に油を絡める。皮目を下にして並べ、弱火〜弱めの中火で焼く。
鶏肉の下半分が白くなったらひっくり返し、もう片面にも火を通す。火を止め、鶏肉をフライパンからいったん取り出す。 - フライパンをキッチンペーパーできれいに拭き取り、サラダ油を入れる。玉ネギ・パプリカ・マッシュルームを加え、全体に油を絡める。フライパンを弱火にかけ、混ぜながら5分ほど炒める。
鶏肉を戻し入れ、日本酒を加え、アルコールを飛ばして火を止める。フライパンの中身すべてをいったん取り出す。 - 温かいご飯をザルに入れ、水をかけて菜箸でほぐす。さらにサラダ油を回しかけ、菜箸で混ぜる。
- フライパンをキッチンペーパーできれいに拭き取り、ご飯を入れ、弱火にかける。ヘラで切るように混ぜながら4〜5分炒め、余分な水分を飛ばす。
フライパンの真ん中をあけ、トマトペーストを加えて炒める。トマトペーストの香りが立ったら、全体を炒め合わせる。
鶏肉などを戻し入れ、塩・砂糖・コショウで味付けする。 - 【オムレツを作る】卵をボールに入れ、菜箸でしっかり溶きほぐす。牛乳・塩・砂糖・コショウを混ぜる。
- フライパンにバターを入れ、弱火〜弱めの中火にかける。
バターが溶けたら卵を流し入れ、ヘラで混ぜながら加熱する。
卵にとろみがつき、ヘラで混ぜた時にフライパンの底が見えるようになったら、卵を平らに整え、しばらく加熱して下の面を固める。 - チキンライスを皿に盛り、オムレツをフライパンごとひっくり返してのせたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
ケチャップライスの作り方

最初に、ケチャップライスを作ります。
まず、鶏モモ肉(60g)・玉ネギ(20g)・パプリカ(30g)・マッシュルーム(20g)を1センチ角に切ります。

次に、鶏肉を炒めます。
冷たい状態のフライパンにサラダ油(適量)を入れ、鶏モモ肉の表面全体に油を絡めます。
また鶏肉の旨味も逃げにくくなります。

鶏肉に油を絡めたら、皮目を下にして並べ、フライパンを弱火〜弱めの中火にかけます。
そして、上の写真のように鶏肉の下半分が白くなったらひっくり返し、もう片面も1〜2分加熱して完全に火を通します。
鶏肉が焼けたら火を止め、フライパンからいったん取り出します。
鶏肉を弱火でじっくり焼くと、ふっくらジューシーに仕上がります。

続いて、野菜を炒めます。
まず、鶏肉を炒めたフライパンをキッチンペーパーできれいに拭き取り、サラダ油(適量)を入れます。
そして、玉ネギ・パプリカ・マッシュルームを加え、鶏肉の時と同じように油を全体に絡めます。
油が馴染んだらフライパンを弱火にかけ、ヘラで混ぜながら5分ほど炒めます。(上の写真)
また、野菜の旨味も逃げにくくなります。

野菜を炒めたら、鶏肉を戻し入れ、さらに日本酒(20g)を加え、アルコールを飛ばします。(上の写真)
そして、火を止め、フライパンの中身すべてをいったん取り出します。

次にご飯を調理します。
まず、温かいご飯(150g)をザルに入れ、水(大さじ3)を回しかけ(上の写真)、菜箸でご飯をほぐします。
冷やご飯を使うと、具材から出た水分をご飯が吸収しやすいので、ベチャベチャになりがちです。

さらに、サラダ油(適量)を回しかけ、再び菜箸でよく混ぜます。(上の写真)
この段階でご飯粒同士がくっつきにくくなり、パラっとした状態になります。
ちなみに、サラダ油の量は、私は大さじ1くらいにしましたが、少し多めでも大丈夫です。
水島さんによると、ちょっとかけ過ぎても、余分な油はザルの下に落ちてくれるそうです。
温かいご飯に水をかけると、ご飯の粘りを洗い流すことができます。
またご飯を油でコーティングすると、ご飯が余分な水分を吸いにくくなります。

続いて、ケチャップライスを仕上げます。
まず、具材を炒めたフライパンをキッチンペーパーできれいに拭き取り、ご飯を入れ、弱火にかけます。
そして、ヘラで切るように混ぜながら4〜5分炒め、余分な水分を飛ばします。

ご飯を炒めたらフライパンの真ん中をあけ、トマトペーストを加えて炒め、香りを立たせます。

全体を炒め合わせ、炒めた具材を戻し入れ、塩(3g:小さじ1/2)・砂糖(3g:小さじ1)・コショウ(適量)で味付けします。
これでケチャップライスの完成です。
オムレツの作り方

次に、オムレツを作ります。
まず、卵(2個)をボールに入れ、卵のコシを切ってなめらかな状態にします。
混ぜ方は、漢数字の「一」を描くように菜箸を左右に手早く動かすと効率が良いそうです。
そして、卵液に牛乳(50g)・塩(1.2g:小さじ1/6)・砂糖(1g:小さじ1/3)・コショウ(適量)を混ぜます。
砂糖の保水効果で卵がふわふわになり、薄焼きにした時に破れにくくなります。

フライパンに無塩バター(10g)を入れ、弱火〜弱めの中火にかけます。
バターが溶けたら卵液を流し入れ、ヘラで混ぜながら加熱します。
そして、上の写真のようにとろみがつき、ヘラで混ぜあとが残ってフライパンの底が見えるようになったら、卵を平らに整えます。

卵を平らにならしたら、しばらく弱火で加熱して、卵の下の面だけを固めます。
卵の上の方は、半熟状の仕上がりになります。
弱火で調理すると、卵がすぐに固まらないので失敗しにくいです。

ケチャップライスを皿に盛り、オムレツをフライパンごとひっくり返してのせたらできあがり。

このオムライスのケチャップライスは、ご飯をベチャッとさせない工夫が徹底的にされているので、パラパラふっくらとしています。
パラパラふっくらとさせる調理のポイントとしては、具材を油でコーティングすることと、ご飯を水で洗って油でコーティングすることを挙げましたが、その他にもたとえば、味付けにトマトペーストを使っている点なども見逃せません。
ごく一般的なケチャップライスは、その名の通りケチャップで味付けすることが多いですけど、このケチャップライスは、ケチャップとくらべると水分が少ないトマトペーストを少量だけ使っています。
また、トマトペーストを使っていることは、水島さんのケチャップライスの味の特徴にもなっています。
ケチャップライスというと、市販のケチャップのインパクトのある味をいかしたレシピが多い中、水島さんのケチャップライスは、トマトペーストのより純粋なトマトの風味を、素材の旨味を引き立たせるようにさりげなく使っているので、クドさやクセが無く上品な味わいです。
また、具材がジューシーで食感が良いのも、水島さんのケチャップライスの特徴です。
少し大きめに切って低温調理した野菜は、瑞々しくてシャキシャキしています。また同じく低温調理した鶏肉は、しっとり柔らかく、臭みが無いです。
最後にオムレツについてですが、半熟状に仕上がる面を下にして盛り付けるので、見た目では卵のとろっとした感じは分かりませんが、ご飯に接している内側の面はふわとろでとてもいいです。
バターの風味がほど良く効いていて、少しさっぱりめのケチャップライスとよく合います。
とても美味しいオムライスが出来ますよ。