
鶏の骨付き肉のおすすめレシピをご紹介します。
料理家の栗原はるみさんが考案した「鶏の骨付き肉のしょうゆ煮」です。
本来は丸鶏で作る中国料理の「ヤオカイ(油鶏)」を、家庭で作りやすい骨付き肉のレシピにアレンジした一品で、栗原家では年末に必ず作る定番料理だそうです。
作り方はとても簡単です。
鶏の骨付き肉をスパイスを加えた煮汁で煮込んだら完成。煮込み時間は30分ほどかかりますが、シンプルなレシピで手間はかかりません。
味がよく染みてジューシーな、本格的な「ヤオカイ(油鶏)」が出来ますよ。
このお料理で余った煮汁で作る「大根の炊き込みご飯」のレシピも合わせてお伝えします。
(一部情報元:NHK「きょうの料理」栗原はるみの定番ごはん 年末SP 2017年12月4日放映)
鶏の骨付き肉のしょうゆ煮の作り方

まずご紹介するのは「鶏の骨付き肉のしょうゆ煮(ヤオカイ:油鶏)」のレシピです。
レシピの全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
鶏もも骨付き肉 | 4〜6本(1.8kg) |
長ねぎ(青い部分) | 10センチ |
にんにく | 2かけ |
しょうが | 1かけ |
シナモンスティック | 1本 |
八角 | 1個 |
赤唐辛子 | 1本 |
香菜 | 適量 |
フレンチマスタード | 適量 |
醤油 | 2カップ |
紹興酒(または酒) | 1/4カップ |
砂糖 | 50〜60g |
水 | 1カップ |
- 長ねぎは縦半分に切り、にんにくとしょうがは皮をむき、包丁の背で叩いて潰す。赤唐辛子はヘタと種を取る。
- Aを鍋に入れて強火にかけ、砂糖を溶かす。
鍋のフチがフツフツと沸いてきたら、鶏肉の皮目を上にして入れる。
鶏肉の隙間に1とシナモン・八角・赤唐辛子を加え、鶏肉に煮汁をかけてフタをする。
時々煮汁をかけながら、弱火で15分煮る。(常に小さな泡が出ている状態を保つように火加減を調整する。) - 一度火を止め、鶏肉を鍋から取り出し、今度は皮目を下にして鍋に入れ、再びフタをする。時々煮汁をかけながら、同じくらいの火加減で15〜20分煮る。
火を止めてフタをしたまま10分置き、味を馴染ませる。 - 【ヤオカイのたれを作る】3の鶏肉を鍋から取り出し、残った煮汁を5〜10分強火で煮詰め、ザルでこす。
- 鶏肉を包丁で切り分けて皿に盛り、4を適量かける。ざく切りにした香菜とフレンチマスタードを添えたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
鶏の骨付き肉のしょうゆ煮の作り方

【工程1】
まず長ねぎ(10センチ)は縦半分に切り、にんにく(2かけ)としょうが(1かけ)は皮をむき、包丁の背で叩いて潰します。
そして赤唐辛子(1本)はヘタと種を取り除きます。
ちなみに上の写真は、このお料理の材料すべてを分量通りに並べたところです。

【工程2】
次にA(醤油2カップ・紹興酒1/4カップ・砂糖50〜60g・水1カップ)を鍋に入れ、強火にかけます。そして砂糖を溶かします。
上の写真のように鍋のフチがフツフツと沸いてきたら、鶏もも骨付き肉を入れます。

鶏もも骨付き肉(4〜6本:1.8kg)は、皮目を上にして、なるべく煮汁に浸かるように鍋に入れます。
そして鶏肉の隙間に、にんにく(2かけ)・しょうが(1かけ)・シナモンスティック(1本)・八角(1個)・赤唐辛子(1本)を加えます。
鶏肉は最初に皮を上にして煮ると、皮が破れにくくなります。
シナモン・八角・赤唐辛子で風味付けし、本格的な中華の味に仕上げます。

続いて鶏肉に万遍なく煮汁をかけます。

そしてフタをして弱火で15分煮ます。
この間の火加減は、煮汁から常に小さな泡が出ている状態を保つようにします。
そして煮ている間も、時々フタをあけ、鶏肉に煮汁をかけます。
鶏肉はたまに煮汁をかけながら煮ると、味がよく馴染みます。

【工程3】
15分煮たら一度火を止め、鶏肉を鍋から取り出します。
鶏の皮は破れやすいので、トングなどでそっと取り出すといいですよ。

そして今度は、鶏肉の皮目を下にして鍋に入れます。
途中で鶏肉をひっくり返すと、味が均等に馴染みます。
ちなみに上の写真は、骨に沿って切れ目が入った鶏もも骨付き肉を使っていますが、切れ目を入れる必要はありません。(入手できるものがこれだけだったので使いました。)
栗原さんは切れ目を入れていないそのままの鶏もも骨付き肉を使っていたので、出来ればそちらを使ってください。

続いて再びフタをし、工程2と同じように時々煮汁をかけながら、同じくらいの火加減で15〜20分煮ます。
最後に火を止めてフタをしたまま10分置き、味を馴染ませます。
これで鶏肉の調理は終わりです。

【工程4】
次に「ヤオカイのたれ」を作ります。
まず鶏肉を鍋から取り出し、残った煮汁を5〜10分強火で煮詰め、火を止めます。
煮汁の煮詰め具合はお好みですが、出来上がりを3カップくらいにするのが栗原さんのおすすめだそうです。
残った煮汁を煮詰めると、鶏の旨味とスパイスの風味が凝縮されて、濃厚な味わいの中国風のたれになります。

そして煮詰めた煮汁をザルでこしたら「ヤオカイのたれ」の完成です。
ちなみに栗原さんは、このたれを炒め物や煮物の味付けなど、いろいろな料理に使うそうです。
ちょっと加えるだけで、本格的な中華風の味付けができるのでとても便利です。
冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。
このたれを冷蔵庫に一晩入れると、固まって煮こごりになりますが、そのまま液体の時と同じように使えます。鶏の脂分が表面に白く固まるので、気になる場合は取り除いて使ってくださいとのことです。

【工程5】
最後に鶏肉の切り方を説明します。
鶏の骨付き肉は、切らずにそのまま食卓に出しても豪華で見栄えがしますが、栗原さんのおすすめは適当な大きさに切って食べやすくすることです。
本格的な中華包丁を持っている方は、骨ごと好みの大きさに叩き切ります。そして普通の包丁しかない場合は、鶏肉の関節部分を利用して3つに切り分けます。
ここでは普通の包丁で骨付き肉を切る方法を紹介します。
まず上の写真のように、骨付き肉の関節に包丁を入れ、2つに切り分けます。
関節のちょうど境目をねらうと包丁がすっと入り、力を一切入れずに切ることが出来ます。

次に2等分にしたうちの太い方に骨に沿って包丁を入れ、2つに切り分けます。
これで鶏の骨付き肉が3つになります。

鶏肉を皿に盛り、ざく切りにした香菜(適量)とフレンチマスタード(適量)を添えたら完成です。
味が中までよく染みた、ジューシーな中華風の鶏料理ができます。
ほのかなスパイスの風味としっかりめの味付けで、鶏肉の旨味が引き立ちます。
甘さ控えめのクセのない味付けで、とても美味しいですよ。

ところでこのお料理は、年末年始にぴったりのご馳走としてテレビで話題になりました。
年末年始のパーティーのメイン料理にしたり、お正月に家族でおせちとして食べるのもいいですよ。急な来客にも対応できます。作り置きしておくと便利です。
次に栗原さんの「大根の炊き込みご飯」のレシピをご紹介します。
このお料理で作った「ヤオカイのたれ」を使った簡単に作れる炊き込みご飯です。
ヤオカイのたれで作る大根の炊き込みご飯

ヤオカイのたれで作る「大根の炊き込みご飯」のレシピです。
この炊き込みご飯は、炊飯器でも土鍋でも同じ分量で炊けます。
土鍋で炊く場合は工程2を、炊飯器を使う場合は工程2の代わりに工程3をご覧ください。
大根 | 200g |
米 | 400ml(2カップ) |
ヤオカイのたれ | 100ml |
水 | 300ml |
※ヤオカイのたれと水は1:3の割合で使用。
- 大根は皮をむき、5ミリ幅のいちょう切りにする。
- 【土鍋で炊く】米を研いでザルに上げ、土鍋に入れる。Aを注ぎ、大根をのせる。
フタをして強火にかけ、沸騰したら弱火にし、15分炊く。火を止めて10分蒸らしたらできあがり。 - 【炊飯器で炊く】米を研いでザルに上げ、炊飯器に入れる。Aを注いで大根をのせ、普通に炊いたらできあがり。

炊飯器に材料すべてをセットしたところです。
これを普通に炊いたら完成です。
大根は5ミリくらいの厚さに切り、食感が残るようにします。
ヤオカイのたれの旨味をいかしてご飯を炊くと、まるでリゾットのような濃厚な炊き込みご飯が出来ます。
大根のほど良い歯ごたえがアクセントになった炊き込みご飯が出来ます。
鶏肉の旨味をいかしたしっかりめの味付けで、大根が美味しくいただけますよ。