
レタスとセロリとにんじんを使った、豚しゃぶ風のお料理をご紹介します。
料理研究家の杵島直美さんが考案した「ゆで豚南蛮」です。
豚肉と野菜を同じ湯でさっと茹で、ピリッとした辛さのある南蛮だれをかけていただきます。
調理はとてもシンプルですが、豚肉が柔らかく仕上がります。豚肉と野菜がいくらでも美味しく食べられますよ。
(一部情報元:NHK「きょうの料理」2018年4月4日放映)
ゆで豚南蛮の作り方

「ゆで豚南蛮」のレシピです。
全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
豚バラしゃぶしゃぶ肉 | 150g |
レタス | 3枚 |
セロリの茎 | 1本分 |
にんじん | 50g(1/4本程度) |
長ねぎ | 5センチ |
にんにく | 1/2かけ |
しょうが | 小1/2かけ |
赤唐辛子(小口切り) | 10切れ |
酢 | 大さじ2 |
醤油 | 大さじ2 |
水 | 大さじ2 |
砂糖 | 小さじ1 |
ごま油 | 小さじ1 |
- レタスは少し大きめに手でちぎる。にんじんは皮をむき、ピーラーで縦に薄切りにする。セロリは筋を取り、同じようにピーラーで縦に薄切りにする。
- 【南蛮だれを作る】長ねぎ・にんにく・しょうがをみじん切りにし、南蛮だれの材料すべてを混ぜる。
- 鍋に湯を沸かし、にんじん・セロリ・レタスの順に加え、さっと茹でる。
別の鍋の上にザルをのせ、茹で上がった野菜をザルに上げ、水気をしっかり切る。 - 3の鍋(野菜の茹で汁が入った鍋)を火にかけ、すぐに豚肉を加え、ほぐしながら色が完全に変わるまでしゃぶしゃぶする。(鍋の湯は沸騰させない。)
豚肉をザルに上げ水気を切る。 - 3を皿に盛り、その上に4をのせる。2をかけたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
ゆで豚南蛮の作り方

【工程1】
まずレタス(3枚)を少し大きめに手でちぎります。(写真左)
次ににんじんは皮をむき、ピーラーで縦に薄切りにして、50g分用意します。
そしてセロリの茎(1本分)は筋を取り、同じようにピーラーで縦に薄切りにします。(写真右)
ちなみににんじんの分量は、50g(1/4本程度)になっていますが、あらかじめ分量通りに1/4本に切ってからピーラーで全てむくよりは、丸ごと1本を一部だけむいて50g分用意する方が、作業はずっとラクです。
にんじんとセロリをピーラーで縦に(繊維に沿って)薄切りにすると、食感が良くなり、たれが絡みやすくなります。

【工程2】
続いて南蛮だれを作ります。
まず長ねぎ(5センチ)・にんにく(1/2かけ)・しょうが(小1/2かけ)をみじん切りにします。
そしてこれらに、南蛮だれの他の材料すべて(赤唐辛子:小口切り10切れ、酢:大さじ2、醤油:大さじ2、水:大さじ2、砂糖:小さじ1、ごま油:小さじ1)を混ぜたら完成です。(上の写真)
南蛮だれは少し多めに出来上がります。

【工程3】
次に鍋に湯を沸かし、にんじん・セロリ・レタスの順に加え、さっと茹でます。
茹でる時間はほんのわずか。茹でるというよりは、さっと湯通しする程度で良いそうです。
野菜は食感が残る程度にさっと茹でます。
生で食べることが多いレタスも、敢えて一緒に火を通すと、かさが減っていくらでも食べられるようになります。
レタスをさっと茹でると、他の野菜や豚肉としっとり馴染んで食べやすくなります。ちなみに食感はほど良く残ります。

野菜をさっと茹でたら、すぐにザルに上げ、水気をしっかり切ります。
ここでポイントは、ザルの下に別の鍋を置いておくことです。

ザルの下に置いた鍋には、野菜の茹で汁が残ります。
この茹で汁を使って、最後に豚肉を茹でます。
豚肉は、野菜の茹で汁で調理します。
野菜の茹で汁は、別の鍋に移している間に(野菜をザルに上げている間に)ほど良く冷めて、豚肉を湯がくのにちょうど良い温度になります。
豚肉は、100度よりも低い温度で調理した方が、柔らかく仕上がります。
ちなみにこのお料理は、比較的アクが少ない野菜を使っているので、同じ湯で豚肉を湯がくことが出来ますが、アクが強い野菜を使う場合は、別々に茹でた方が良いそうです。
また豚肉を先に茹でるのはNG。豚肉のアクが出るので、野菜から先に茹でます。

【工程4】
続いて茹で汁が入った鍋を火にかけ、すぐに豚バラしゃぶしゃぶ肉(150g)を加え、ほぐしながら色が完全に変わるまでしゃぶしゃぶします。(上の写真)
そしてザルに上げて水気を切ります。
この工程のポイントは、鍋の湯を決して沸騰させないことです。
鍋を火にかけたら、すぐに豚肉を加え、豚肉の色が完全に変わったらすぐに引き上げます。
豚肉を茹でる湯は、沸騰させません。
豚肉は少し低めの温度で茹でた方が、柔らかく仕上がります。
豚肉は70〜80度くらいで火が通ります。これくらの低温で調理すると、しっとり柔らかく仕上がります。

【工程5】
最後に野菜を皿に盛り、その上に豚肉をのせます。南蛮だれをかけたら完成です。
この南蛮だれは、香味野菜の風味と唐辛子のピリッとした辛さをいかしたパンチの効いた味付けになっていて、豚肉と野菜が飽きずにいくらでも食べられます。
これ一皿で立派な一食分のおかずになります。
だれでも失敗せずに美味しく作れるとても良いレシピですよ。
ところで最後に、当サイトで人気の豚しゃぶのレシピをあと2品ご紹介します。
料理研究家の柳澤英子さんの「豚しゃぶ肉のピリ辛和え」と、おうち料理研究家のみきママの「蒸ししゃぶ」です。
柳澤さんの「豚しゃぶ肉のピリ辛和え」は、豆板醤のピリッとした辛さとネギの風味が印象的で、たったの5分で作れます。
豚肉と合わせる野菜は、パプリカとあさつきと長ねぎ。今回ご紹介した杵島さんのお料理ほど野菜はたくさん使いませんが、こちらも彩りがきれいです。
またみきママの「蒸ししゃぶ」は、その名の通り、茹でるのではなく蒸します。
使用する豚肉は、安いこま切れ肉。
きゃべつ・にんじん・玉ねぎ・しめじ・ブロッコリーといったたっぷりの野菜と一緒にフライパンに入れ、少量の水で蒸し上げます。
付け合せのたれは、梅だれ・サクサクだれ・イタリアンオイルだれの3種類を紹介しています。調理時間は15分です。
今回ご紹介した杵島さんのレシピも含めて3品とも、豚肉が柔らかくなる工夫が施されたレシピになっていて、とても美味しいですよ。