
整腸作用があると言われているバナナの食物繊維をムダなく摂る方法をご紹介します。
バナナは完熟よりも、買ったばかりのまだ柄が青いバナナの方が2倍くらい食物繊維が豊富です。
バナナの熟し方による食物繊維の含有量の違いと、未完熟バナナのすっきりした甘さを活かせる料理のレシピをご紹介します。
バナナの食物繊維は多い?少ない?

まずバナナの食物繊維を、他の食物繊維を多く含む食品とくらべてみます。
食物繊維が豊富な食品例 | 100gあたりの食物繊維(g) |
---|---|
ライ麦 | 12.9 |
全粒粉 | 11.2 |
柄が青いバナナ | 7.0 |
ごぼう | 5.7 |
ラズベリー | 4.7 |
ブロッコリー | 4.4 |
熟したバナナ | 4.36 |
ブルーベリー | 3.3 |
玄米 | 3.0 |
きゃべつ | 1.8 |
セロリ | 1.5 |
上の表をご覧ください。
食物繊維が豊富なバナナを積極的に食べるとお通じが良くなるというのはよく聞く話ですが、一方でネット上には、バナナの食物繊維は実はそれほど多くないという意見もあります。
実際にバナナの食物繊維は多いのでしょうか?少ないのでしょうか?
この表から分かるのは、同じバナナでも熟し方によって食物繊維の含有量がかなり違うということです。
黄色く熟したバナナの食物繊維は100g中で4.36g。他の食品とくらべると特別多いとは思えないかもしれません。
でも買ったばかりの柄が青いバナナだったら含有量は7gにもなるので、食物繊維の健康効果も十分期待できそうです。
未完熟のまだ青いバナナだったら、食物繊維が大変豊富だと言って良いと思います。
では次に、バナナの熟し方によって食物繊維の含有量がどれくらい変わるのか具体的に見てみましょう。
熟し方で変わるバナナの食物繊維の量
便秘外来専門医の松生恒夫さんは、バナナは熟成度によって成分が変わってくるため、健康効果もそれに応じて異なるとおっしゃいます。
松生さんによると、バナナの整腸作用が最も高いのは、買ったばかりの青めのバナナ。
食物繊維の含有量がとても多いので、整腸作用やお通じのかさをふやしてくれる作用が期待できるそうです。
上のグラフをご覧ください。
バナナの熟し方による食物繊維の量の変化をグラフにしたものです。
3種類のバナナの中では、買ったばかりの柄が青いバナナの含有量が突出して多く、7.16g(グラフは小数点第1位まで)です。
次に多いのが皮が黄色く熟したバナナで4.36g。
最も少ないのは熟し過ぎたバナナ。皮が完全に茶色くなってしまったバナナには、3.27しか食物繊維は含まれていません。
茶色くなったバナナの含有量は、買ったばかりの青いバナナの半分以下になってしまいます。
でもなぜバナナの食物繊維は、熟せば熟すほど少なくなってしまうのでしょうか。
松生さんによると、バナナは熟す過程で、食物繊維の中の生でんぷんが糖質(ぶどう糖)に変わるので、食物繊維が減っていくのだそうです。
ぶどう糖が増えると甘みが増しますが、一方で整腸作用は弱くなってしまうようです。
ちなみに1日の理想的な食物繊維の摂取量は20gなので、柄が青いバナナだったら、3本くらいで1日の量をクリアできる計算になります。
さてでは次に、松生さんがすすめる腸に良いバナナの食べ方をご紹介します。
便秘に効くバナナの食べ方

松生さんがすすめる腸に良いバナナの食べ方です。
未完熟バナナ | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
- バナナの皮をむき、オリーブオイルを付けていただく。
松生さんによると、未完熟の青いバナナとオリーブオイルという組み合わせは、スムーズな排便をうながす最適な組み合わせだそうです。
かなり変わった食べ方ですが、バナナの風味ととろっとした食感にかき消されて、オリーブオイルの味は殆ど分かりません。
かなり食べやすいのでおすすめです。
(レシピ情報元:NHK「あさイチ」腸に良いバナナの食べ方 2018年5月1日放映)
最後に食物繊維を豊富に含む未完熟バナナのおすすめレシピをご紹介します。
未完熟バナナのおすすめレシピ
食物繊維が豊富な未完熟バナナのおすすめレシピを4品ご紹介します。
是友麻希さんのなめろう

「ハワイアンなめろう」(写真1番右)
まず最初にご紹介するのは、魚料理研究家の是友麻希さんのレシピです。
詳しい作り方はリンク先をご覧ください。
バナナやアボカドを使ったトロピカルななめろうで、魚はアジやサンマではなくマグロを使います。
バナナの自然な甘みとねっとりとした食感が、マグロとよく合います。意外な美味しさです。
調理時間はわずか2分です。
このお料理は、未完熟のすっきりとした甘さのバナナを使っても美味しいです。
ちなみに上の写真に一緒に写っているのは、是友さんが考案した「カルボナーラ風イタリアンなめろう」(写真上)と「アジアンなめろう」(写真下)です。
どれもパンやクラッカーによく合います。3種類を組み合わせると、ちょっと変わったパーティーのお料理になっていいですよ。
小林弘幸さんのバナナヨーグルト

便秘の名医、順天堂大学の小林弘幸さんのレシピ。
リンク先では、ダイエット効果が上がるヨーグルトの食べ方を紹介しています。
小林さんによると、ダイエットを成功させるには、まず腸の調子を整えることが大切です。
働きが鈍った腸を元気にするには、温めたヨーグルトにバナナを混ぜて食べると良いそうです。
これはバナナの整腸作用をいかしたレシピなので、完熟したバナナよりも未完熟なバナナを使う方が効果的です。
すごく食べやすいダイエットメニューです。
高木祐香さんの美肌スムージー

管理栄養士の高木祐香さんのレシピ。
美肌効果が期待できるスムージーです。
詳しい作り方はリンク先をご覧ください。
このスムージーも食物繊維が豊富なバナナを使うことが1つのポイントになるので、完熟バナナよりも青いバナナの方が効果があると思います。
ちなみにバナナ以外の材料は、トマトと牛乳だけです。
トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があるので、牛乳と合わせて摂ることで吸収率が高まるそうです。
究極の美腸バナナドリンク

腸と健康に詳しい、理化学研究所の農学博士、辨野義己さんのレシピ。
このヨーグルトベースのドリンクは、整腸作用が大変優れているので、痩せる・若返る・健康になる効果が期待できるそうです。
材料は、ヨーグルト・豆乳・バナナ・抹茶・はちみつ。すべて腸に良い食材です。
このドリンクも、完熟ではなく未完熟のバナナを使った方が効果が高いということになります。
ちなみに辨野さんは、このヨーグルトドリンクで腸の働きを高めた結果、10キロもの減量に成功した経験があるそうです。
ダイエットをしている方にもおすすめのドリンクです。
バナナは熟して甘みが増した方が美味しいというのが一般的な意見かもしれませんが、すっきりした甘さの未完熟バナナも、使い方によっては十分美味しくいただけると思います。