
「徳記」は、横浜中華街にある老舗の広東料理店です。
創業時(昭和20年)には、製麺所だったこのお店。その後、豚足を使ったラーメンを提供するようになり今に至ります。
ここの豚足料理は、当初から日本人の口に合うように工夫されたそうです。
そんなお店の元祖ラーメンといえるのが、看板メニューの「とんそくそば」。
食べてきました。

「徳記」は、横浜中華街の「関帝廟通り」からのびる細い路地にあります。
場所はちょっと分かりにくいのですが、「関帝廟」の近くに看板が出ています。

お店の外観はとてもシンプル。
私がここを訪れたのは、休日のちょうどお昼時。すでに10名ほどのお客さんがいました。
店内の壁には、来店したと思われる有名人のサイン入り色紙がたくさん。それ以外はまったく飾りっ気なく、以前中国を旅行した際に立ち寄った、片田舎の食堂をふと思い出しました。

さっそく、名物の「とんそくそば」を注文。
待つこと10分、出てきたのは上の2皿です。
「豚足の煮込み」と「スープが注がれた麺」が別皿で出てきました。
お店の方によると、「とんそくそば」には食べ方があるとのこと。
まずは豚足と麺を別々に食べ、さらに、豚足の煮汁に残った麺をつけて食べる。別々の皿に盛ることで、2度美味しいというわけです。

豚足の煮込みは、手間ひまかけて作られています。豚足はまず茹でて、さらに油で揚げてまた茹でるなどして、十分な下ごしらえが必要だとか。

豚足の煮込みは、トロトロッとして柔らかい。味は、甘辛さの中にほのかな八角の風味。意外にもあっさりとしています。日本人に好まれそう。
ただ個人的には、もう一押し欲しい感じでした。

麺は太めで、しっかりとした歯ごたえがあります。自家製の卵麺だそうです。

お味の方は、とてもさっぱりとしています。あっさりとした醤油ラーメン。
そのまま食べるのでは、私には少々物足りない。でも、豚足の煮汁に浸すとちょうどいいかな。
スープのあっさりと、豚足の煮込みのコッテリ感のある食べごたえ、その対比。アイデアがとても面白いラーメンでした。