横浜の山手地区には、7つの洋館があります。
今日は、その中でもとりわけ可愛らしい「山手111番館」をご紹介します。
白い三連のアーチと赤いレンガ造りの屋根。
まるでおとぎ話に登場する家のようです。
周辺を取り囲むようにして造られた庭園では、さまざまな季節の花が楽しめます。特にバラの時期は素晴らしいそうです。
「山手111番館」は、横浜港に面した「港の見える丘公園」の中にあります。
この写真は公園の中から撮影しました。奥に見える赤い屋根の建物が、「山手111番館」。こちら側は、建物の裏手にあたります。
「山手111番館」の前は、水が流れる庭園になっています。
水路のまわりに植えられているのはバラ。開花シーズンには、この庭園が最も美しくなります。
バラ庭園の前の小道は、色とりどりの花が咲く遊歩道になっています。
さて、こちらが「山手111番館」の裏手の入口です。
ここからは庭園が遠くまで見渡せます。バラが満開になったら、さぞかし素晴らしい眺めになることでしょう。
1階は「ローズガーデンえの木てい」というカフェになっています。
こちらのカフェはまさにバラづくし。バラをモチーフにしたケーキやドリンクをいただくことができますし、バラをあしらった食器や雑貨も販売されています。
建物の脇を通って表に出ると、「山手111番館」の外観はこのようになっています。
裏手のバラが見られなかったのは残念ですが、この日はちょうど藤の花が満開でした。
また洋館の脇には、この時期には珍しい真っ赤な紅葉。新緑の時期にも色づく品種だそうです。
白壁に、藤の薄紫と紅葉の燃えるような赤がよく映えます。
藤も紅葉も、ありきたりな日本の風景の中で見る時とまた違った趣があります。
アーチ型をした白壁の内側では、藤がちょっとした日よけ代わりになっていました。
建物の中に入ると、木のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気。
こちらは入口を入ってすぐのところにある玄関ホールです。
こちらは食堂。窓が大きく、自然光がたっぷり入るつくりになっています。
食堂の窓から外を眺めると、裏手に広がるバラ庭園が一望できます。手前に見えるテーブルは、カフェの客席です。
こちらの部屋には食器棚が並んでいます。
食器棚の脇には小窓がついていて、そこからは奥にあるキッチンが見えます。ここからお料理を出していたのでしょうか。
キッチンです。
この洋館が建って今年で88年目になりますから、備え付けの家具は、まさか当時のままではないとは思いますが。
バスルームもおしゃれ。
2階の部屋は、「山手111番館」に関する資料館のようになっています。
この方が「山手111番館」の設計者、J.Hモルガン。
ちなみに山手地区最大の洋館「ベーリックホール」も、彼の設計によるものです。
「山手111番館」と「ベーリックホール」。玄関前にあるアーチ型のテラスや、内部の雰囲気がよく似ています。
異国情緒あふれる洋館に、藤の花と紅葉という意外な組み合わせには、思わずうっとりとさせられました。次回は1階のカフェでお茶しながら、バラ園を眺めてゆっくりしたいな。