
金沢の人気郷土料理、治部煮(じぶに)の簡単レシピをご紹介します。
治部煮とは、鴨肉に金沢名物のすだれ麩と野菜を合わせ、醤油やみりんなどで煮付けたお料理のこと。
治部煮という名前の由来は諸説ありますが、「煮込むときにジブジブと音がなるから」という説もあるようです。
- 家庭で簡単に作れる本格レシピ
さて、これからご紹介する治部煮は、家庭でも気軽に作れるレシピ。
作り方は簡単です。
鴨肉の代わりに鶏肉を、すだれ麩の代わりに揚げ麩を使います。
考案したのは、料理家の栗原心平さんです。
煮込んだおつゆの味は濃厚で、ご飯との相性も抜群。
食欲が進みますよ。
お好みでわさびをつけると、良いアクセントになって、さらに美味しさがアップします。
(一部情報元:テレビ東京「男子ごはん」2019年1月2日放映)
治部煮のレシピ

「治部煮」のレシピです。
全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
鶏もも肉 | 300g |
しいたけ | 4個(80g) |
にんじん | 4センチ(70g) |
セリ | 1/4束 |
揚げ麩 | 4個(10g) |
塩 | 小さじ1/3 |
薄力粉 | 大さじ1 |
おろしわさび | 適量 |
鶏ひき肉 | 100g |
長ねぎ(青い部分) | 10センチ(5g) |
塩 | 小さじ1/5 |
薄力粉 | 小さじ1/2 |
かつおだし | 300cc |
醤油 | 大さじ2 |
酒 | 大さじ1 |
みりん | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ2 |
- 揚げ麩を水に漬けて戻し、水気を切って半分に切る。
- 鶏肉を1センチ厚のそぎ切りにし、塩を振り、薄力粉をまぶす。
しいたけの石づきの先を落とし、半分に切る。にんじんの皮をむき、縦に8等分する。
セリの根本を切り落とし、3センチの長さに切る。 - 長ねぎをみじん切りにし、つくねの材料を混ぜる。
- Aを鍋に入れ、にんじんを加えて中火で5分煮る。
鶏肉・しいたけ・揚げ麩を加え、つくねを3センチくらいの団子状に丸めながら加える。
クッキングシートで落し蓋をして、5分煮る。
セリを加えてひと煮立ちさせる。 - 器に盛り、すりおろしたわさびを添えたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
治部煮の作り方

【工程1】
まず、揚げ麩(4個:10g)を水に漬けて戻し、水気を切って半分に切ります。
ちなみに栗原さんは、仙台麩スライスという揚げ麩を使っていました。
スーパーなどでも比較的入手しやすい揚げ麩で、10分くらい水に浸しておけば戻ります。

【工程2】
次に、鶏もも肉(300g)を1センチ厚のそぎ切りにし、塩(小さじ1/3)を振り、薄力粉(大さじ1)をまぶします。
「そぎ切り」というのは、包丁の刃を寝かせ、削ぐように切る方法です。
鶏肉の断面積が大きくなるため、火が入りやすく、味が染みやすいのが特徴です。
鶏肉に薄力粉をまぶすと、煮汁がとろっとして、鶏肉がしっとり柔らかく仕上がります。

続いて、しいたけ(4個:80g)の石づきの先を落とし、半分に切ります。
そして、にんじん(4センチ:70g)の皮をむき、縦に8等分にし、セリ(1/4束)の根本を切り落とし、3センチの長さに切ります。

【工程3】
次に、長ねぎ(10センチ:5g)をみじん切りにし、つくねの材料すべてをよく混ぜます。
ちなみに、つくねの材料は、鶏ひき肉(100g)・長ねぎ(10センチ:5g)・塩(小さじ1/5)・薄力粉(小さじ1/2)です。
長ねぎのみじん切りをつくねに混ぜると、柔らかい食感に仕上がります。

【工程4】
続いて、Aを鍋に入れ、にんじんを加えて中火で5分煮ます。
ちなみにAは、かつおだし(300cc)・醤油(大さじ2)・酒(大さじ1)・みりん(大さじ1)・砂糖(小さじ2)です。
火が通りにくいにんじんを先に鍋に入れて煮ます。

5分経ったら、鶏肉・しいたけ・揚げ麩を加え、つくねを3センチくらいの団子状に丸めながら加えます。

そして、クッキングシートで落し蓋をして、5分ほど煮ます。
クッキングシートで落し蓋を作る方法は、リンク先を参考にしてください。
クッキングシートとハサミさえあれば、簡単に作れます。
ごく普通の落し蓋を使って煮ても、もちろんOKです。

5分経ったら、セリを加えてひと煮立ちさせます。

【工程5】
最後に、治部煮を器に盛り、おろしたわさびを添えたら完成です。
この治部煮は、具材に味がよく絡んで、とても美味しいです。
鶏肉はもちろんのこと、特におすすめなのはお麩です。
濃厚なおつゆがお麩に染み込んでいて、ひと噛みすると、口の中にジュワッと味が広がります。
郷土料理というと素朴なイメージを抱きがちですが、このお料理に関してはそんなことはありません。
鶏肉たっぷりでボリューミー、しかも味も濃厚。
夕食のメインにぴったりな、満足度の高いお料理ですよ。