一青窈さんの「ハナミズキ」は、アメリカの同時多発テロ事件をテーマに作られた曲だそうです。

ハナミズキ

昨夜、何気なくテレビを見ていたら、「カラオケで歌いたい歌ランキング」というのが発表されていて、一青窈さんの「ハナミズキ」が上位にランクインされていました。

「ハナミズキ」は、歌謡曲に無知な私でも、なんとなく口ずさむことができます。
無意識的にではありますが、何回も耳にしているんですよね、この曲を。
そう考えると、この歌の人気度がよく分かります。

でも一方で、私には、人気の理由が分かりませんでした。
というのは、歌を聴く時、私は歌詞の意味を比較的気にする方なのですが、「ハナミズキ」の歌詞がぜんぜん理解できなかったんです。

ところが、昨夜私は、ふと思い立ってこの歌について調べてみました。
そうしたところ、私は初めて「ハナミズキ」の素晴らしさが分かりました。
一青窈さんのファンの方々には何を今さらと言われてしまいそうですが、感動しました。

ハナミズキとアメリカ同時多発テロ事件

ウィキペディアによると、「ハナミズキ」の歌詞は、一青窈さんが「アメリカ同時多発テロ事件」に触発されて書いたそうです。

(「ハナミズキ」は)アメリカ同時多発テロ事件発生時、ニューヨークにいた友人からのメールをきっかけに(一青窈が)一週間ほどで書いた詞であった。

作詞当時はA4用紙3枚程で「テロ」・「散弾銃」といった言葉があり、一青いわく「挑戦的な詞」であったという。その詞を削っていって「君と好きな人が百年続きますように」の言葉にたどり着いたのは、一青自身も不思議に思っているという。

「ハナミズキ」はメロディーラインが美しい曲ですから、歌詞なんてどうでもいいという方もいらっしゃると思います。
ですが、どうしても歌詞が気になって仕方がない私は、この情報を知り「ハナミズキ」に対する理解がグッと深まりました。

ネット上を調べると、この歌には様々な解釈がされています。
たとえば、恋愛の歌と考える方はけっこう多いですね。
「君と好きな人が百年続きますように」という歌詞からも、容易に恋愛が想像できます。
私も以前はなんとなくそう思っていました。
でも、昨夜じっくりと歌詞を読んでみたところ、もう少し違った解釈を考えるようになりました。

ちなみに、ハナミヅキの歌詞は、うたまっぷ.comに掲載されています。

ハナミヅキの歌詞

あくまでも私の解釈ですけど、「ハナミズキ」の歌詞は、アメリカ同時多発テロ事件で亡くなったと思われる母親が、生き残った幼い娘に送ったメッセージです。
愛する人たちと共に、人生を無事まっとうして欲しい。
そうした母の願いが込められているように感じます。
この私の解釈でいうと、歌詞の中の「君」は娘のこと。
また、途中に「僕」という言葉が出てきますが、これは一人称を変えただけで基本的には母親のことです。

もちろん、母子という近しい関係は「ハナミズキ」の世界への導入であり、全体的にはもっと大きな意味を含んでいると思います。

たとえば、「ハナミズキ」という植物の意味。
ネット上に多数ある情報によると、東京都の市長がアメリカに桜の木を贈った際、返礼とされたのがハナミズキ。
この歴史的事実をふまえると、日米の友好関係を示す植物として考えることもできます。
もちろん一青窈さんは、日米の関係をことさら強調しているわけではなく、もっと広い意味で世界の平和をあらわしているのでしょう。
このように考えると、歌詞中の「僕の我慢」は、単に母親のことを指すだけでなく、より広く世界中で暴力の犠牲となった人の我慢。また「果てない波」というのは、世界中で起こる暴力の連鎖のことなのではないでしょうか。

また、歌詞の中に「母の日」という言葉があります。
母の日は5月。ハナミズキの花が咲く季節なんですよね。
そんなイメージも取り入れられているかもしれませんね。

「ハナミズキ」、素敵な歌ですね。
私は好きになりました。