キッチンに余りがちな「花椒」の使い方をいろいろとご紹介します。
ちなみに「花椒」の読み方は、日本語では「カショウ」、中国語では「ホアジャオ」。
中国四川省生まれのスパイスで、日本では「中国山椒」と呼ばれることもあります。
日本の山椒と同じような清涼感がありますが、味はずっと刺激的。
しびれるような辛さがあり、本場中国では、麻婆豆腐の味付けに欠かせません。
日本人には馴染みのない調味料なので、一度使ったきりでキッチンに眠り続けているなんていうことも多いのでは。
でも花椒は実は、いろいろな料理にあわせやすいんです。
特におすすめなのは餃子。
花椒粉と塩を混ぜ、餃子に付けて食べると美味しいですよ。
花椒には、粉状(パウダー:冒頭写真左)と粒状(ホール:冒頭写真右)の2種類があります。
2種類の使い方には、少し差があって、パウダーの方が用途が広いです。
これから花椒の使い方を10パターンご紹介しますが、パウダーなら、それらすべての使い方に対応できます。
一方で、ホールなら、そのうちの3パターンです。
ホールは、ツブツブした独特の食感が特徴。
用途は限定されますが、相性の良い料理に使うと、とても良いアクセントになります。
パウダーとホール、どちらもOKの使い方
まず最初に、粉状(パウダー)と粒状(ホール)のどちらを使ってもOKな、花椒の使い方をご紹介します。
麻婆豆腐
花椒と言えば、まず真っ先に思い出すメニューは、麻婆豆腐だと思います。
本場中国四川省の麻婆豆腐は、唐辛子の辛さだけでなく、花椒のしびれるような辛さも効いているのが特徴です。
家庭で四川の味を再現するには、いつもの麻婆豆腐に花椒パウダーをひと振りするだけでOK。
ホールを使う場合は、具材を炒める段階で加えると良いです。
麻婆豆腐の基本レシピは、こちらを参考にしてください。
しびれ鍋
「シビレ鍋」
麻婆豆腐以外だったら、「しびれ鍋」を作るのがおすすめです。
「しびれ鍋」とは、花椒のしびれるような辛さがクセになる、人気の鍋料理です。
リンク先では、花椒のホールとパウダーを両方使うレシピを紹介しています。
安価な豚バラ薄切り肉で作るお鍋で、とても美味しいです。
花椒の痺れ、唐辛子の辛味、そして黒酢のコク。
強い自己主張を持つそれぞれの味が、うまい具合に調和しています。
ホールとパウダーの花椒が片方しかなくても作れますので、ぜひお試しください。
トマトソースなどの煮込み料理
花椒を煮込み料理に使うのもいいです。
調味料に詳しい料理研究家の青木敦子さんによると、花椒を煮込みに使うのなら、トマトソースのパスタが一番おすすめとのこと。
花椒の香りと辛味の成分は、油に溶けやすいので、オリーブオイルなどと一緒に加熱すると、料理全体に風味が広がるそうです。
ただし、加熱しすぎると花椒の風味が飛ぶので、煮込む時間は7〜8分が目安。
レトルトのパスタソースを使った場合でも、花椒を入れて煮込むだけで、ワンランクアップするそうです。
(一部情報元:NHK「あさイチ」2019年1月22日放映)
当サイトでは、「超簡単なトマトソースの作り方」も紹介しています。
花椒を使うレシピではありませんが、参考にしてください。
パウダー限定の使い方
続いて、粉状(パウダー)タイプの花椒の使い方をご紹介します。
花椒塩
「花椒塩」
花椒をもっと手軽に使いたいという方には、花椒と塩を混ぜて「花椒塩」にするのがおすすめです。
「花椒塩」は、餃子や唐揚げに付けて食べるととても美味しいです。
特におすすめなのは餃子。
花椒の爽やかな風味で、肉の旨味がぐっと引き立ちますよ。
怪味ソース
「怪味ソース」
花椒がたくさん残っていたら、怪味ソースを作り置きするのもおすすめです。
「怪味ソース」とは、中国の四川省生まれの万能調味料で、台湾料理にもよく使われます。
地元では「怪味」という呼び名で親しまれています。
また怪味ソースは、その名の通り、とてもユニークな味がします。
甘み・酸味・辛味・塩味・苦み・旨み・しびれといった7つの味が同時に楽しめる上に、色々な料理に合わせやすく、一度食べるとやみつきになります。
魚や肉の料理にかけたり、ドレッシングにして野菜にかけたり、うどんやご飯にのせて食べても美味しいです。
冷蔵庫で1週間くらい日持ちします。
料理研究家の青木敦子さんのレシピ
枝豆のおつまみ
「枝豆の紹興酒漬け」
夏には、枝豆を使ったこのお料理もおすすめです。
枝豆をさっと茹でて、中華風の漬けだれに丸1日浸すだけで完成します。
紹興酒のコクのある甘みと花椒の清涼感が、枝豆と絶妙にマッチしてとても美味しいです。
ビールや日本酒や焼酎のおつまみにもってこいの一品です。
料理家の栗原心平さんのレシピ
ポテトサラダ
最後に、料理研究家の青木敦子さんがすすめる花椒の上手な使い方を、4つご紹介します。
まずは、ポテトサラダの風味付けに使う方法。
黒こしょうの代わりに花椒を使うと、爽やかな香りでポテトサラダのこってり感が軽くなり、あっさり食べられるそうです。
きんぴらごぼう
続いて、きんぴらごぼう。
唐辛子の代わりに花椒を使うと、甘さが引き締まり、いつもとはひと味違うきんぴらに仕上がるそうです。
納豆
こちらは納豆。
からしの代わりに花椒を使います。
納豆独特の風味が薄まり、華やかな香りと痺れるような辛味が口の中に広がって、新感覚の納豆が楽しめるそうです。
チョコケーキ
花椒はスイーツにも合うそうです。
たとえばチョコレートケーキ。
チョコケーキにひとふりすると、爽やかな風味がプラスされて、ちょっと高級な味になるそうです。
以上、花椒の使い方でした。
花椒は工夫次第でかなり幅広いお料理に使えます。
是非お試しください。