もみじの天ぷらをご紹介します。
紅葉と言えば、一般的には見て楽しむもの。
でも大阪では、「食べて楽しむもの」でもあります。
紅葉の名所として有名な大阪・箕面には、もみじの葉を使ったお菓子があります。
もみじの形をしたお菓子ではありません。
本物のもみじの葉が使われています。
箕面の「もみじの天ぷら」は、地元の方には広く親しまれているお菓子。
今日は、「もみじの天ぷら」の販売店やつくり方をご紹介します。
有名店のもみじの天ぷら
もみじの天ぷらは、自宅で手作りするのではなく、お店で買うのが一般的です。
もみじの天ぷらを扱っているお店は箕面に複数ありますが、なかでも有名なのが、「久國紅仙堂(ひさくに こうせんどう)」です。
同店は、1940年創業の老舗菓子店で、テレビなどでもたびたび紹介されています。
もみじの天ぷらの味
同店のもみじの天ぷらは、他のお店のものと同様に、もみじの形をした飴色の見た目をしています。
外側は小麦粉をベースにした衣に包まれていて、中にはもみじの葉が1枚。
食感はカリッとしていて、お味の方はかりんとうに似ていますが、しつこさはなく、上品な甘みが感じられます。
中のもみじの葉については、とても薄いため、衣と一緒に食べると味と食感はまったく分かりません。
ただ、一口かじると、薄紅色のもみじが断面から姿をあらわします。
その様子はとても風流なもので、見た目と味の両方の面から楽しませてくれます。
もみじの天ぷらの歴史
久國紅仙堂によると、もみじの天ぷらは1300年ほど前からある伝統的なお菓子なのだそうです。
なんと、そのはじまりは奈良時代。
箕面山はむかし修験道場だったことがあり、山伏がこの地の紅葉に魅せられて、旅人に振る舞ったのが「もみじの天ぷら」の始まりとのことです。
「もみじの天ぷら」は、紅葉を愛でるためにつくられたお菓子だったんですね。
もみじの天ぷらの作り方
久國紅仙堂のHPには、もみじの天ぷらの作り方が記されています。
とても面白いので、簡単にご説明します。
材料
塩
小麦粉
砂糖(中双糖)
白ゴマ
水
油(菜種白絞油)
作り方
- もみじの葉を水洗いして、一年以上樽で塩漬けにする。
- 流水で塩抜きをする。
- 小麦粉・砂糖・白ゴマを合わせて水で溶き、衣をつくる。
- 2に衣をつけてカリッと揚げる。
もみじの葉は、塩漬けにして寝かせることで、とても美味しくなるのだそうです。
一見簡単そうですが、1年塩漬けすることを考えると、家庭でつくるのは難しそうですね。
また、同店によると、もみじのかたちに揚げるのにも熟練の技が必要なようです。
天ぷらを好みの形にするのって、たしかに難しそう。
もみじの葉先の形をくっきりと出すのが大変なんでしょうね。
「もみじの天ぷら」と聞くと、なんだか筋っぽい食感をイメージしがちですが、実際に食べてみると、全くそんなことはなく、とても食べやすいです。
普段のおやつにもぴったりですし、紅葉を鑑賞しながら「もみじの天ぷら」をいただくのもまた乙なものです。
「もみじの天ぷら」は、通販でも購入できるので、気軽に試せますよ。