薬の専門家・東京理科大学薬学部教授の上村直樹さんによると、薬と飲み物・食べ物のやってはいけない組み合わせがあるそうです。
今日は上村さんのお話の中から、「やってはいけない薬の飲み合わせ」の主要な例を5つご紹介します。
- 胃腸薬&ジュース
- かぜ薬&牛乳
- かぜ薬&酒
- 血圧の薬&グレープフルーツ
- 脳梗塞の薬&納豆
(一部情報元:「林修の今でしょ!講座」2014年12月16日放映)
胃腸薬&ジュース
ここからは5パターンの「やってはいけない薬の飲み合わせ」について、上村さんの解説をお伝えします。
まず「胃腸薬&ジュース」という組み合わせについて。
上村さんによると、胃腸薬には重曹が含まれており、胃酸を中和させる働きがあります。
でもジュースと一緒に胃腸薬を飲むと、胃にたどり着く前に、口の中で重曹がジュースの酸に反応してしまい、肝心な胃腸で薬が効かなくなってしまうそうです。
ちなみに上村さんは、胃腸薬を服用した前後30分は、ジュースを飲まないことをすすめています。
牛乳&かぜ薬
牛乳との飲み合わせがよくないのは、「ニューキノロン」という成分。
「ニューキノロン」は、病院で処方される風邪薬や、抜歯した時の薬に含まれているそうです。
「ニューキノロン」と牛乳の飲み合わせがよくない理由は、牛乳に含まれるカルシウムにニューキノロンがくっついてしまうから。そうすると薬の分子が大きくなってしまい、体内に吸収されなくなってしまうそうです。
ちなみにカルシウムを含むヨーグルトなどの食品も食べ合わせとしてはNG。さらにカルシウムだけでなく他のミネラル分を含む、スポーツドリンクやミネラルウォーターも一緒に摂らない方が良いようです。
ニューキノロンが含まれる薬は、水道水で飲むのが一番だということです。
かぜ薬&酒
アルコールを飲むと肝臓に負担がかかりますよね。一方のかぜ薬にも、肝臓で代謝される成分が多く含まれているようです。
ですからこれらを一緒に摂ると、肝臓に負担がかかり過ぎてしまいます。その結果、肝臓がオーバーフローしてしまい、肝障害などの原因になってしまうこともあるようです。注意が必要ですね。
ちなみにアルコールは、ほとんどの薬の作用を強めるそうです。薬が効きすぎてしまうと副作用が出やすくなるようですから、薬はアルコールでは飲まない方がよさそうです。
血圧の薬&グレープフルーツ
ニフェジピン(カルシウム拮抗剤)という血圧の薬とグレープフルーツを一緒に摂ると、薬の効果を高めすぎて、血圧が下がリ過ぎてしまうそうです。
ちなみにグレープフルーツを食べるだけでなく、グレープフルーツジュースを飲むのもダメ。グレープフルーツの作用が消えるまでには2~3日かかるそうですから、ニフェジピンを飲んでいる時は、グレープフルーツを食べない方がよさそうです。
脳梗塞の薬&納豆
脳梗塞で処方される「ワルファリン」という薬には、血液をサラサラにする効果があるそうです。
ただこの薬は、納豆に含まれているビタミンKと結びつくと、効果が薄れてしまうとのこと。納豆と一緒に薬を飲むと、脳梗塞のリスクを抑えるどころか逆に高めてしまいますから、とても危険な食べ合わせだそうです。
ちなみにビタミンKを含む他の食品、ブロッコリー・ほうれん草などの緑黄色野菜も食べ合わせとしてはNGだそうです。
上村さんによると、上の5パターンのうち「血圧の薬&グレープフルーツ」・「かぜ薬&酒」・「脳梗塞の薬&納豆」は、最悪の場合は死に至る危険な組み合わせだそうですから、しっかりと頭に叩き込んでおきましょう。