料理研究家の土井善晴さんによると、日本料理はたった2つの食材で四季を表現できるそうです。
2つの食材とは「柚子」と「山椒」です。
これらの食材が日本料理にどのように活かされているのか、土井さんのお話をまとめました。
(一部情報元:TBSテレビ「林修先生が驚く初耳学!」2015年1月2日放映)
椀物に季節感を添える柚子と山椒
日本料理の神髄は、料理の美味しさとともに季節を感じることだと土井さんはおっしゃいます。
季節がしみじみと感じられるお料理は、またひと味違いますよね。
土井さんによると、そんな日本料理の象徴的とされる椀物は、「柚子」と「山椒」という2つの食材をまわすだけで、四季が表現できるそうです。
黄色く熟れた柚子は、秋から冬にかけて椀物に使われ、ひな祭りで使い納めとされるそうです。
ひな祭りが過ぎると柚子に代わって、春を象徴する山椒(木の芽)の葉が登場。しばらくすると山椒の実が、椀物に添えられることもあるようです。
5月中旬頃に山椒の旬が終わると、今度は青々とした柚子が出回り始めます。この頃から秋にかけては、青から黄へ変わりゆく柚子の色が、季節感を感じさせてくれるということです。
柚子をお料理に活かせる時期は、けっこう長いんですね。1年のうち9ヶ月もの間、柚子を季節の表現として用いることができるそうです。
一方の山椒は、柚子がない時期に旬を迎えます。山椒は、春先のほんのひとときが感じられる食材。長い時の中で色を変えながら季節感を表現する柚子とくらべて、存在自体に新鮮さが感じられます。
1年を通じた季節感は、柚子と山椒だけで表現できる。汁物をつくる際に、覚えておくと便利ですよ。