京都・宇治にある、創業天正年間の老舗茶屋「三星園上林三入本店」。
こちらのお店のお茶は、茶人・千利休をはじめ、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、明治天皇といった名だたる偉人たちに愛されてきたそうです。
そんな歴史あるお茶屋の16代目当主・上林三入さんは、地元の宇治茶の味と伝統を守るため、自らお茶を製造し、様々なメディアを通じてお茶の魅力を広めていらっしゃいます。
今日はお茶を知り尽くした上林さんがすすめる、本当に美味しい緑茶の淹れ方をご紹介します。
(一部情報元:TV「ジョブチューン」2015年2月7日放映)
本当に美味しい緑茶の淹れ方
上林さんによると、緑茶を美味しく淹れるには氷水を使います。
氷水で淹れると、お茶に含まれる旨み成分のアミノ酸が多く抽出されるそうです。お茶本来の味の引き出し方としては、これが最高の方法だとか。
また氷水を使うと、お茶が美味しくなるだけでなく、経済的でもあるようです。
湯で淹れるよりも杯数がたくさん取れるということです。
ちなみに、氷水でお茶を淹れる方法はお茶屋さんの間では広く知られているようです。
でもこの方法が普及するとお茶の消費量が減り、お茶屋が儲からなくなってしまうので、湯で淹れることをすすめる人が多いのでは?と上林さんはおっしゃっていました。
上林さんがすすめる、氷水を使ったお茶の入れ方をご説明します。
- 大さじ軽く2杯程度のお茶の葉を急須に入れる。
- 1に氷を5~6個入れる。さらに水少々を加えてしばらく待ったら、できあがり。
ちなみに水少々は、氷の容量の1/3程度。ほんのちょっとです。
湯の場合とくらべて氷水で淹れるには、少々時間がかかります。氷が溶けて、冷たい水にジワジワとお茶の旨みが溶け出すまで、いつもより気長に待ちましょう。
熱湯と氷水、それぞれで淹れたお茶を飲み比べると、同じ茶葉を使っても、全く違うお茶と思えるほどの味の差が感じられるようです。
湯で淹れると、温度が熱ければ熱いほどカテキンやタンニンといった成分がたくさん出て、どうしてもお茶が渋くなってしまうようです。でも氷水で淹れると、旨みがたっぷりでお茶の甘みも楽しめるそうですよ。
湯を使って熱いお茶を淹れる方法
ところでどうしても熱いお茶を淹れたい場合は、ポットの湯を直接急須に入れずに、いったん湯のみに入れて冷ますと、湯の温度が一気に20度くらい落ちて具合がよくなるようです。
- 湯のみに湯を入れて温度を下げる。
- 茶葉を入れた急須に1の湯を移す。しばらく待ったらできあがり。
氷水の場合とくらべたら味は若干劣りますが、熱湯を使うよりは美味しいお茶になるようです。
ところで最後に美味しいお茶の見分け方もお伝えします。
上林さんによると、美味しいお茶の茶葉は、形状が細いそうです。これはしっかりと茶葉を揉んだ証拠で、茶葉1つ1つが雑巾を硬く絞ったような形に見えるということです。
ちなみに逆に茶葉が広がっているものは、お茶を淹れると渋くなるそうです。
氷水でお茶を淹れると時間がかかりますが、気分的にも気長に入れたお茶の方が美味しく感じられるかもしれませんね。
三星園上林三入本店HPのこちらのページには、湯を使ったお茶の淹れ方がいくつか紹介されています。合わせて参考にしてください。