世界的に有名な精肉士が教える、絶品ハンバーガーの作り方。

ハンバーガー

世界的に有名な精肉士、イヴ=マリ・ル=ブルドネック(Yves-Marie Le Bourdonnec)さんがすすめる、絶品ハンバーガーの作り方をご紹介します。

食の都パリでは、今、空前のハンバーガーブームが巻き起こっています。
その火付け役となったのは「ブレンド」というお店。こちらのハンバーガーには、ル=ブルドネックさんが経営する精肉店の熟成肉が使われているそうです。

食肉熟成のスペシャリストとしても知られている、ル=ブルドネックさん。
彼のお店では、60日という通常の倍の時間をかけてつくる熟成肉が看板商品に掲げられており、世界中から注目されています。

さて、今日ご紹介する絶品ハンバーガーは、熟成肉ではなく、普通の肉で作ります。
熟成肉を使った方がより美味しいとは思いますが、ル=ブルドネックさんによると、ごく普通のお肉でも、ちょっとした配慮をするだけで美味しいハンバーガーがつくれるそうです。
ちなみにハンバーガーに挟むハンバーグは、お決まりの挽肉ではなく、塊肉を使って作ります。

ル=ブルドネックさんが考案したハンバーガーは、肉の旨みを味わうことを最も大切にしてつくられています。

(一部情報元:TV「世界一受けたい授業」肉が美味しくなる裏ワザ 2015年3月7日放映)

ハンバーガーの上手な作り方

ハンバーガー

ル=ブルドネックさんが考案したハンバーガーに挟むハンバーグには、挽肉を使いません。また玉ネギなどの具材や、パン粉や卵などのつなぎも加えません。

材料はとてもシンプル。赤身の牛肉と牛脂だけ。肉を細かく刻み、牛脂を混ぜてハンバーグを作ります。

刻んだ肉と牛脂だけで、ちゃんと形になるのか心配になりますが、ル=ブルドネックさんによると、牛脂はつなぎの役割をしてくれるそうです。

さて、そんな斬新なハンバーガーの作り方は、次の通りです。
なお分量はありませんので、適当に判断してください。

材料・用意するもの
牛赤身肉
牛脂
塩・コショウ
サラダ菜
ほうれん草
赤玉ネギ
キュウリのピクルス
カリカリに焼いたベーコン
バンズ
パラフィン紙
ハンバーグプレス
目玉焼き用の型とビンで代用することもできます。
作り方
  1. 赤身肉を、肉の細胞を潰さないように包丁を滑らせるようにして、5ミリ角に切る。
  2. 牛脂を5ミリ角に切る。
  3. 1と2をボールに入れ、フォークでよく混ぜる。さらに塩・コショウを加え、味が均一になるようさらにフォークで混ぜ合わせる。
  4. 3を手でまとめ、直径5センチくらいの球状にする。
  5. 4をパラフィン紙で挟む。これをハンバーグプレスでしっかり押し固め、丸型のハンバーグに成形する。
  6. 温めた鉄板に牛脂を馴染ませ、5の両面を焼き色がつくまで焼く。また、具材を挟めるよう2つにカットしたバンズも、具材が触れる面のみ、ほんのりと焼き色がつくまで鉄板の上で焼く。
  7. 焼きあがったバンズに、サラダ菜・ピクルス・スライスした赤玉ネギをのせ、その上にハンバーグをのせる。さらにその上にカリカリに焼いたベーコンと生のほうれん草をのせ、バンズをかぶせたらできあがり。

「ハンバーグプレス」という調理道具は、ご存知でない方も多いと思います。
ハンバーグプレスは、肉を押し固めてハンバーグの形に成形する器具です。
無い場合は、目玉焼きの型とビンで代用できます。
パラフィン紙で挟んだ肉を目玉焼き型に入れ、その上から平らなビンの底を強く押し当てるだけで、きれいな丸型ハンバーグの完成です。

さて気になるハンバーグの焼き上がりは、フチの部分が少々砕けながらも、けっこうしっかりとした形に仕上がっていました。
ル=ブルドネックさんがおっしゃるとおり、牛脂がつなぎの代わりになっているようです。

でもなぜわざわざハンバーグプレスを使う手間をかけつつ、挽肉ではなく、塊肉を刻んで使っているのでしょうか。挽肉だったら簡単に手で成形できるのに。
ル=ブルドネックさんによると、それは肉の食感を残すためです。

また肉の風味を強調するため、ソースはあえて加えません。ソースをかけると、肉の味が分からなくなってしまうとのこと。味つけは、塩・コショウのみです。

またちょっと話は逸れますが、バンズを焼く工程も、ハンバーガーの作り方としては珍しいかもしれません。
ル=ブルドネックさんによると、鉄板の上でバンズも一緒に焼くと、肉だけでなくバンズにも牛脂の風味がつくため、味に一体感が生まれるそうです。

材料は極めてシンプルですが、細かい配慮が行き届いた奥深いハンバーガーです。

肉のスペシャリストが考案した、肉の美味しさを楽しむためのレシピを、自宅でのハンバーガー作りにぜひ役立ててください。

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