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中国で感じた表現の自由度について―美術家アイ・ウエイウエイ氏が警察に拘束される。彼の表現はさらに研ぎ澄まされるに違いない。―

投稿日:2011年4月5日 更新日:

中国の美術家アイ・ウエイウエイ(艾未未)の行方が分からなくなっているそうです。

 

ニューヨークタイムスによると、アイ・ウエイウエイ氏は、3日に北京の空港から香港行きの飛行機に搭乗する際、警察に拘束されたそうです。その際一緒だった夫人で美術家のルー・チン(路青)氏とアイ氏の友人、北京にあるスタジオの従業員8人も一緒に一時拘束されましたが、アイ氏と友人1人は解放されませんでした。警察は先週から3回ほどアイ氏の北京のスタジオを訪れており、その際、中国人以外の従業員のリストをチェックしていたそうです。

 

中国のある弁護士によると、中国では、警察によって留置がなされた場合12時間以内にその家族に何らかの通知がなされるそうです。しかし3日経っても、彼がどこにいるのか?なぜ拘束されたのか?夫人にさえも明らかにされていません。

 

  私が知っている中国出身の美術家の殆どは、(と言っても数人ですが、)表現の自由が乏しい中国国内での制作に息苦しさを感じていました。しかしながら、だからこそ彼らは中国そのものを表現したいと考えのだと思います。私は彼らの作品に、中国という国やその起源に対する執拗なまでのこだわりを感じました。

 

 もう10年以上も前になりますが、私は中国の広西省にあるシンピンという町で看板の制作をしたことがあります。村の展望台からの眺めを看板に描き、村をアピールするというものでしたが、その際の地元の共産党の検閲というか、言いがかりにショックを受けました。

 

その看板は、中国に住む日本人が行っていた日中友好活動の一環として頼まれ制作したもので、看板に「中日友好」(中国側から言うと日と中が逆になる。)という文字をレタリングすることになっていました。私は制作前から文字の大きさにはシビアにならねばと思い、「中」の字と「日」の字を細心の注意を払い同じ大きさに見えるように書きました。しかし、そこからは意外な反応が返ってきました。(当時の私にとっては意外でした。)なんと地元の共産党幹部は私のレタリングを見て、「日の字よりも中の字の方を大きく書け。」と、いかにも当然のことのように言ったのです。私は唖然としてしまいました。しかし、この議論(?)にこだわることがあまりにばかばかしく感じたので、結局「中」の字を少々大きめにしてあげました。

 

 その他にも、「バックの色は赤にした方がいい。」だとか、「人民解放軍の元帥、葉剣英の詩の一節を入れろ。」だとか注文を受けました。ちなみに葉剣英の詩とは、その村周辺に広がるカルスト地形(山水画に出てくるような起伏の激しい地形)の眺めの美しさを詠ったものです。私はその時、詩の全文を見せてもらいましたが、それほど短い詩では無かったのです。ですから私は共産党さんに、「これを全文看板に入れることは出来ません。」といいました。すると、「全文ではなく最後の1行だけでいい。ただし葉剣英という名前だけは大きく書いて欲しい。」と返事をしてきました。この時私はまた絶句しました。なぜなら、最後の1行には、”だからシンピンは素晴らしい。”としか書かれていなかったからです。要するに、詩なんてどうでもいい。偉い人の名前を大きくの乗せて、中央政府に媚びでも売りたいということでしょうか?こんな看板1つでもこんなにうるさい注文をつけられてしまう。その時私は、あ~中国の美術家は気の毒だ!と思いました。

 

ついでにそんな話しをもう1つ。他の人が看板にテレサ・テンの歌詞を抜き出して入れたら、「彼女は台湾の人間じゃないのか?」と指摘され、それを消すことになったそうです。ちなみにその当時、村のカセットテープ屋ではテレサ・テンが一番売れていました。注意をしてきた共産党員のお家にも、テレサのテープがあったのでは?と思います。あ~ばかばかしい!

 

  さて、アイ氏の情報を少し抜き出しておきます。

 アイ氏は世界的に有名な美術家ですが、建築家として北京オリンピックのオリンピックスタジアム「鳥の巣」のデザインにも関わったことで有名です。息子は今中国で最も人気の高い詩人だそうです。

 

 アイ氏は中国共産党の腐敗を非難する市民層に幅広く支持されていました。最近では、国家権力を乱用する政府の責任を追及する活動が目立っていたようで、当局からの非難を受けていたそうです。

 

 以前にもアイ氏は中国当局と何度か衝突しています。2009年には、反政府活動家の裁判の証言ため成都のホテルに滞在していたところを警察官に襲撃されました。

 

 また、昨年の11月には北京の自宅に監禁されています。アイ氏によると、それは上海で行われるパーティーの出席を妨害するためだったといいます。そのパーティーとは、彼が企画した”100万ドルアートスタジオ”の破壊を悼む会のことで、このスタジオは、地方の政府によって建てられたものの、何者かによって破壊されたということです。彼の政治的発言に不快感を感じているであろう上海の政治家の仕業だと、彼は言っているそうです。

 

 アイ氏の拘束をきっかけとして、中国では自由主義的で改革精神のある知識人のコミュニティの封じ込めがさらに拡大しています。最近では、外国人有名ライターや人権擁護者など少なくとも11人が留置されたということです。

 先週、中国系オーストラリア人の小説家・民主主義擁護者であるYang Hengjun氏は、中国南部から帰国する際に行方不明になりました。4日後に姿を見せた時、彼は病気だったと説明しましたが、彼の友人の多くは、彼の様子から中国の警察に留置されていたと見ているそうです。彼のブログは、中国国内に熱心な読者が大変多いということです。

 

このアイ氏の事件に対し、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス政府は、中国政府に対して彼の解放を求めています。中国の超有名人の拘束は、国民への見せしめなのでしょう。しかし、彼はこの機会から、さらに自身の表現を研

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