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「現代美術系」と「画壇系」

投稿日:2010年6月13日 更新日:

「日本の現代の美術は、大きく現代美術系と画壇系に分かれる。」(佐藤道信氏の本より内容抜粋し、私がまとめた一文です。)なんて、日本の美術関係者とそれに興味がある人以外には全く訳が分からないと思います。普通「日本の現代の美術」と言ったら、言葉の上では日本の現代美術全般の事だと理解するのではないでしょうか。美術関係者には暗黙の了解となっていたこの分類の仕方を、私は芸大に入学して初めて知りました。そしてこれは、当然の事ながら日本の美術家の分類方法の1つでもありました。「現代美術系」は”世界に向って新しい表現を模索している個人”、「画壇系」は”日本の過去(伝統?)、あるいは個人の趣味を重んじた国内向けの表現を模索している美術団体(=画壇)に所属する個人”と、概ねその様に捉えられていたと思います。
そして、この「現代美術系」・「画壇系」と共に、もう一つよく使われた美術家の分類方法がありました。それは「洋画」「日本画」「彫刻」「工芸」等のことで、美術家を、彼がつくった作品の近代的な分類、あるいは出身大学の科で分類する方法です。

「現代美術」は、戦前とは一線を引いた新しい時代を志向するという、現代の価値観がそのまま素直に現われている言葉だと思います。
一方「画壇」という言葉を辞書で引くと”画家(美術家)たちの社会”と出てきますが、一般的には、近代に生まれた日展・二科会・国画会・二科会等の美術団体のことを指します。これら美術団体は、明治初期につくられた文展(文部省美術展覧会:後の日展)に端を発します。明治後期・大正期には、官的体質の文展に反した在野系団体が多くつくられるものの、戦前も戦後も完全な反官的存在になることはなかったようです。むしろ在野系も官系と共に、官的要素を含みながらも大衆の支持を得ていくことで、戦後の民主化の流れに巧く乗り現代化していったようです。そして、元々官製の美術学校として誕生した東京美術学校(現:東京藝術大学美術学部)もそうですが、近代の官的美術制度が残ったことで、それに付随するようにして「洋画」「日本画」などの分類も残っていったのだと思われます。(しかし戦後、それらの官的制度からも国家主義的思想が排除されたようです。)

「現代美術系」と「画壇系」、さらに「洋画」「日本画」「彫刻」等の分類方法には、現代と近代の価値観が入り乱れています。故に、複雑で分かりにくいのだと思います。この原因を一言でまとめるのはかなり暴力的ですが、日本の民主化が上からの民主化だったことが大きく影響しているのではないかと思います。(この辺りの事は、今後もう少し整理したいと思います。)
今は、この分類のされ方を興味深く見ていますが、芸大に入学したての私は、強い抵抗を感じていました。

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