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直島の住民から見た瀬戸内国際芸術祭。

投稿日:2010年9月17日 更新日:

直島

直島の地中美術館やベネッセハウスの設計を手がけた建築家の安藤忠雄さん。
彼が初めて直島を訪れたのは1988年のことだそうです。いまから20年以上も前。
その時の直島の様子を、彼は「はげ山同然だった」と振り返っています。

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直島の歴史。「銅精錬所編」

銅精錬所
直島は、今では緑豊かな島ですが、その歴史をたどってみると、負の部分を押しつけられてきた離島としての過去が浮かび上がってきます。
島というのは昔から、少なからずそんな運命を背負っている場所なのかもしれません。

直島の場合は、かつて酷い環境汚染に苦しんでいました。

直島は、もともと漁業が盛んな島だったそうです。
しかし漁業の不振から、1916年に三菱合資会社の銅精錬所を受け入れる決断をしました。三菱側からすれば、直島が、煙害の心配の少ない離島であることが好都合だったようです。

精錬所の操業が開始すると、島は急速に発展しましたが、反面、精錬所が吐き出す亜硫酸ガスが木々を枯れさせ、やがて島の北半分がハゲ山になってしまったそうなのです。

直島の歴史。「観光事業編」

その後、直島の自然がいつごろ元通りになったのかは分かりませんが、戦後、精錬事業が低迷していく中で、徐々にかつての緑を取り戻していったようです。

ただ、精錬事業が衰退していったということは、島の経済にとっても大打撃であり、精錬事業に代わる新たな柱を生み出す必要に迫られました。

そこで、登場したのが観光事業です。

1960年代後半、直島町は、藤田観光を誘致し、キャンプ場をオープンさせます。しかし、オイルショックにより景気が低迷し失敗。

そして、およそ20年後の1989年、福武書店(現ベネッセコーポレーション)の創業者・福武哲彦氏、そしてその後を継いだ總一郎氏が「直島を文化的な島にする」という考えのもと、直島国際キャンプ場をオープンさせます。

地中美術館やベネッセハウスにつながる流れは、こうして生まれたのです。

直島の島民から見た瀬戸内国際芸術祭

私は島内を巡りながら、島民が瀬戸内国際芸術祭をどのように思っているのかを、機会がある度に聞いてみました。
すると、「芸術なんて私には分からない。まあ、いいんじゃないの?」といった意見が多く、正直あまり関心がなさそうで、しかも少々迷惑そうな様子でした。

私がもし島民だったとしたら、どう思うだろう?
やはりこんな反応をしたのかもしれません。もしかすると、静かな島を返して欲しいとさえ思うかもしれません。

けれども私は島の外部の人間であり、部外者の視点でしか感想を書くことが出来ません。

私としては、今回、瀬戸内国際芸術祭全体に好印象を持ちました。
環境汚染で禿げ山同然になった直島を前にして「世界一の文化の島にしたい」という構想をもち、それを展開させていったベネッセの福武氏にはじまる活動。その活動は、一企業の金儲けという範疇には収まらないもので、素直に賞賛されるべきことだと思います。

ベネッセの本拠地は岡山にあり、福武哲彦氏と總一郎氏は地元の方だということです。瀬戸内国際芸術祭には、離島の過去をよく知っている、そうした地元の人の思いがたくさん詰まっているようにも思います。

私が接した島民の反応は少々ネガティブなものでしたが、それは表面的な一つの現れであると私は考えたいです。良いことも悪いことも含めて、アートがこの島に及ぼした影響をもっと細かくすくい上げ、冷静に見つめていきたいと思います。

画像引用元:犬島精錬所美術館 by Kentaro Ohno

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