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ローコストだからいい建築 <瀬戸内国際芸術祭報告6>

投稿日:2010年9月24日 更新日:

直島 瀬戸内国際芸術祭
家プロジェクト:川俣正さんの廃材でできた島

日本の美術館の問題点について建築家の安藤忠雄さんは、”美術館というハコにかかる費用が多すぎて展覧会をするための別の費用にお金が出せない。”と言っています。
美術館の内容も含めたビジョンがないから漠然とハコにお金が費やされているという側面もあるとは思いますが、日本は建築費自体が非常に高いのだそうです。
例えばアメリカと比べると、同じくらいのものをつくるのに、費用は倍かかるそうです。これは、物価自体が高いということと、公共事業の工期が非常に長いことが原因なのだそうです。

また、美術家の杉本博司さんは、日本の美術館に活気がないのは、”何のために美術品を収集するのかというそもそもの理由がない”からだと言っています。ある意味社会主義化が一番進んだ日本は、アメリカのように巨大な富を築きあげた個人がその富の誇示として美術品や美術館にお金を費やすことが非常に少ないということのようです。

私は、直島のアート巡りで、地中美術館のスケールの大きさに引きつけられました。素朴な家プロジェクトとの比較で、美術館の莫大な建築・制作費用に圧倒されたのかもしれません。
けれども地中美術館を設計した安藤さん御自身は、数十年も前から美術館の建築費を減らすべきだと提案されていたようです。

「建築のコストといえば、面白い話があります。アントニオ・ガウディにサグラダ・ファミリアという有名な建築がありますが、それ以外の作品をル・コルビュジェが見に行っているんですね。ガウディは、自分が学生を呼んで勉強するための学校と小さい教会みたいなのをつくっているんですが、これは自分がお金を出してつくっているから、見るからにローコスト。コルビュジェはそのふたつがいいと言ったんです。それと、途中で止まっている状態のサグラダ・ファミリアしか興味がない。その状態、未完がいいと。後のふたつは、ものすごいローコストだからいいと。さすがに大建築家、目もいいですね。」

御自身が若い頃につくった小さい家のことにも触れながら、「予算の少ないことは幸せなことなんですね。その方が向こうにも予算がないという負い目があるから、こっちはやりたいことをどんどんやる。そういうときに結構面白いものができますね。」と語っています。

*「杉本博司 歴史の歴史」展(国立国際美術館 2009年)の関連イベントとして行われた安藤忠雄×杉本博司会の対談より引用しました。

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