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アートの検閲議論 アンディウォーホール美術財団 vs スミソニアン学術協会 

投稿日:2010年12月16日 更新日:

アンディウォーホール美術財団は、アメリカのカトリック教団体(The league for Religious and Civil Rights)の指導者と数人の共和党議員が非難した展覧会において、スミソニアン学術協会が撤去した作品を元に戻さなければ、同学術協会の融資を打ち切ると発表した。問題の撤去された作品は、アーティスト David Wojnarowicz氏のビデオ作品“A Fire in My Belly”。ワシントンにあるスミソニアンのナショナルポートレートギャラリーで行われている展覧会 ”Hide/Seek: Difference and Desire in American Portraiture”に展示されていた。

カトリック団体の指導者 Bill Donohue氏は、問題のビデオ作品におけるキリスト像の上を蟻が這っている映像には、カトリックに対する憎しみが込められていると抗議した。また共和党議員は、その作品展示が結局税金のとんでもない無駄遣いになっと抗議した。これらの抗議に対してスミソニアン学術協会は、問題のビデオ作品を2週間前に撤去した。

アンディウォーホール財団は、問題の展覧会”Hide/Seek”に$100,000 、スミソニアンの過去3年間の展覧会には合計$375,000の融資をしている。同財団社長であるJoel Wachs氏は”表現の自由を攻撃されれば、その自由を守るという使命が我々にはある。アートを生き生きとさせるためにもアートは自由であるべきだ。我々は今回、このような強行な態度をとらざるを得ない。”とコメントしている。
(以上 The NewYork Times より内容抜粋)

 その後スミソニアン財団は撤去した作品を元に戻していないようです。Twitterで関係者以外の意見を探ってみると、ウォーホール財団寄りの考えを持っている人の方が多いように感じました。”スミソニアン学術協会がアートの検閲に関わるなんてとんでもない。”といった風な理由が主でした。
また、スミソニアン寄りの意見(というか、カトリック団体寄りの意見)としては、”敬虔なカトリック教徒だったウォーホールを無視するのか。”とのツイートが印象的でした。
私自身は、少々でもアートに関わりを持つ身として、スミソニアンのビデオアートに対する態度は残念だと思います。また、ウォーホール財団のことを私はあまりよく知りませんが、今回の発表には宣伝など何かまた別の意図もあるように感じました。しかし今回のこの問題をきっかけに、アートに関する大変興味深い議論が展開しています。

参考
Warhol Foundation Threatens to End Financing of Smithsonian Exhibitions
By KATE TAYLOR The NewYork Times December 13, 2010, 3:18 pm



▲作品を撤去された David Wojnarowicz に関する本



▲ Andy Warholの本







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