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レオナルド・ダ・ヴィンチの価値

投稿日:2011年4月29日 更新日:

もっと知りたいレオナルド・ダ・ヴィンチダ・ヴィンチ NBS-J (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) 
 8×14センチほどの小さなドローイングが、レオナルド・ダ・ヴィンチの最初期のポートレートではないかとの話題が浮上しているそうです。

 このドローイングは、70年程前に古本に挟まっていたところを発見されたそうです。けれどもルネッサンスの巨匠の手によるものだとは長い間気づかれませんでした。

 CNNの4月20日付けの記事によると、今回ダヴィンチの作品である可能性が浮上した理由は大きく2つに分けられます。まず1つめはその紙の比率や質、また紙を漂白するための鉛塩処理の形跡などが他のダヴィンチ作品とほぼ同様であることがあげられています。
 2つ目の理由は、大変興味深いです。ミラノのアンブロジアーナ図書館(Biblioteca Ambrosiana)にはレオナルド・ダ・ヴィンチの直筆ノートの1つ「アトランティコ手稿」Codex Atlanticus )が所蔵されていますが、その中の1ページに、かつてこのドローイングが貼られていたのではないかと思われる膠(にかわ)の跡があるそうです。膠(にかわ)で囲まれた空白のスペースは、このドローイングとサイズがピッタリなのだそうです。

 絵の所有者は昨年の12月、この大発見の宣伝のためにウエブサイト「Leonardo Rediscovered」を立ち上げました。
 彼によると、その絵は、元々ジェノバの大司教だったカーディナル・プラシド・マリア・タディニ(Cardinal Placido Maria Tadini)氏の所有するものだったそうです。以下分かり易くそのドローイングの歴史を書き出してみます。

1847年  
 大司教カーディナル・プラシド・マリア・タディニ氏の死後、ポンツェッリーニ(Ponzellini)家が彼の家と所持品を買い取る。

1940年  
 ”ポンツェッリーニ家の子孫”がジェノバに移住。書籍の整理中にドローイングが発見される。ドローイングに興味を持った”ポンツェッリーニ家の子孫”は、それを額に入れて飾り、元の所有者である大司教について調べ始める。
第二次世界大戦により活動中断。

1950年初頭  
 ”ポンツェッリーニ家の子孫”がこの世を去る。ドローイングは、甥のジュゼッペ・ボエロ(Giuseppe Boero)氏に託される。

2000年  
 ボエロの家で仕事をしていた修復家アメディオ・バリーレ(Amedeo Barile)氏が、ガラスで保護されていたドローイングを見つける。絵の作者に興味を持った彼は同僚と共にドローイングの所有権を獲得し、ヴィチェンツァのサイエンスコンサルティンググループPalladioに絵の調査を依頼。
 赤外線や電子顕微鏡を用いた検査によって、ドローイングは殆ど時間をかけずに描き上げられたものであり、その紙は18世紀以前に布くずからつくられたことが分かる。
 バリーレ氏からそのドローイングを紹介された学者や作家達が、これはレオナルド・ダ・ヴィンチの作品かもしれないと大騒ぎするようになり現在に至る・・・。

 ダヴィンチの作品は彼の死後様々な場所に移動しているそうです。ですから、本物を見つけることも、それを証明することも大変難しいのだそうです。けれども、こんなに小さなドローイングが、よく良いタイミングで丁寧に扱ってくれる人に巡り会ったものだと思います。そんな人々の思いの集積が、今回のような大発見(?まだ分かりませんが)に繋がっているのだと分かります。

 しかし一方で全く違う反応を示す人も居ます。ダヴィンチの遺産を直接引き継いだフランチェスコ・メルツィ(Francesco Melzi)は彼が大変気に入っていた弟子でありアシスタントでもあったそうですが、メルツィの死後遺産を相続した息子オラジオ(Orazio)は、ダヴィンチの作品に全く興味が持てず、それをただで友人にあげてしまったそうです。

 万能人と呼ばれているダヴィンチは、彼の興味の幅と同じくらい様々な分野の人の興味の対象になっています。そんな彼の研究がますます進むのは多くの人の望むところなのかもしれませんが、私はこのメルツィの息子のような存在もいいなと思います。当たり前の話しですが、興味の無い人にとって、それは全く無価値だと言えるでしょう。本物のダヴィンチかもしれないと熱くなる人もいれば、そんなことはどうでも良いという人もいる。当たり前の話しですが、この世はそれ程自由だということ。改めて言うことでもないかもしれませんが、それは結構重要なことのように思います。

参考資料
Milan museum to test whether sketch is lost Leonardo da Vinci work  By Eliott C. McLaughlin, CNNApril 20, 2011

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