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貧しい国・シビアな問題を抱えた国が、ベネチアビエンナーレに熱意を抱く理由

投稿日:2011年6月25日 更新日:

                                        Some rights reserved by br1dotcom Venice Biennale
 ベネチアビエンナーレは、よくアートのオリンピックと言われます。参加国は、ヴェネチアにあるGiardiniという公園の中にそれぞれ独創的なパビリオンを建て、自国の展示をアピールしています。今年は、前回(2年前)より12多い89もの国別パビリオンがつくられているそうです。

 しかし、全ての国がパビリオンを設けられるわけではないようです。
 例えば、コスタリカやキューバは、ビエンナーレに参加はしていても、もう15年以上もパビリオンがないそうです。また、初参加のハイチの展示場所は海洋輸送用コンテナーでつくられており、屋外にあるそうです。
 国による貧富の差がよく見えてきます。どの国のパビリオンも湯水のようにお金を使えるわけではないでしょうけど、資金調達が難しい国のパビリオンは、時に思うような展示が出来ないこともあるのではないかと思います。それは、作品の質にも影響してくるに違いありません。

 しかし、そんな貧しい国が、それでも熱意を持ってベネチア・ビエンナーレに参加してくるのは、そこが世界的に注目を集める大舞台だからでしょう。アーティストにとってベネチアビエンナーレに参加するということは、ワールドプレイヤーとして活躍するビックチャンスと言えるでしょう。
 また、貧しい国も含め現在シビアな問題を抱えた国にとっては、自国に対して世界の人々が抱いているネガティブなイメージを払拭して、国を盛り上げたいという願望が感じられます。いくつかの国のコメントを拾ってみます。

昨年1月の大地震で甚大な被害を受けたハイチのパビリオンからは、”ハイチ国民が試練に敢然と立ち向かい乗り越えたことをビエンナーレを通して世界に示したい”との思いを感じ取ることが出来ると、ビエンナーレの総長Paolo Baratta氏は語っています。

 また、21年ぶりの参加となるイランパビリオンのコミッショナーVittorio Urbani氏は、”イラクのイメージとなっている突発的な爆発事件や自爆テロ、サダム・フセインなど、ネガティブなイメージばかりでないイラクの文化的な側面を、ビエンナーレを通じて世界の観客に対してアピールしたい”と語っています。

 また、今まで資金調達が難しかったために今回ビエンナーレ初参加となるバングラディッシュの、アーティストTayeba Begum Lipi氏は、、”世界の人々はバングラディッシュに関する悪いニュースばかり目にしており、貧しい国と思われている。しかし今回の参加で、新しい視点を築くことが出来る。”とコメントしています。

政情不安を抱え孤立化しているジンバブエのキュレーターRaphael Chikukwa氏は、、”ビエンナーレによってアーティストの発表・コミュニケーションの場が築かれることは大変意味のあることだ”と言っています。

 このような熱意を持った国の展示が資金不足のために見劣りがすることがあれば、それは非常に残念なことだと思います。おそらく、大変な思いをしても参加してくる国こそが、世界に対して伝えたいことをたくさん持っているのでしょう。本当に必要なところに必要なものが不足している、そんなふうに思いました。

参考資料
Haiti, Iraq show for first time at political Venice Biennale  By Nuala Calvi CNN June 2, 2011

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