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アートコレクターが、”モノ”ではないアートをコレクションする理由 ・ アートフェアVSビエンナーレ

投稿日:2011年7月30日 更新日:

  アートフェア東京に行ってきました。ついでにイベントトーク2つ「アートフェアを考える」「アートコレクターの時代を考える」に参加してきました。
art-fair

 アートフェア東京は今日が2日目でした。特定の作品に人気が集中しているようでしたが、作品は良く売れているようでした。
 やはり売り物として人気があるのは、作家のスキル(多くの人に巧いねって言ってもらえるような技術)が分かる絵画かな。でもそういった作品だったら、コンテンポラリーか否かを問わず、絵画は良く売れていたと思います。古美術も人気がありました。
 イベントトークでも話しが出ていましたが、古美術のギャラリーは、ブースの使い方をうまく工夫していたので、商品だけでなく空間全体を見るのも面白かったです。コンテンポラリー系のブースは逆に、アートマーケット用と割り切っているような空間の使い方が目立ったように思います。でもそれは、コンテンポラリーアートが網膜的な価値観ばかりを重視しているわけではないからかもしれません。
 海外のギャラリーもちらほら見かけましたが、(韓国や香港、パリなど。インドからも1つ出てた。)もっと色々な国が参加してくれるようになったら楽しいですね。

 私が面白いなと思った作家を思い出せるだけ書いてみると、Picture Photo Space Viewing Roomの須藤絢、Yoshiaki Inoue GalleryのOh Su Jin、ギャラリー戸村の高松和樹、GALLERY APAの松岡徹、無人島プロダクションの加藤翼、日動画廊の美浪恵利
 須藤さんとOh Su Jinさんの作品は全く雰囲気が違うけど、ともに描かれている人物にとっても惹かれます。
 高松さんの作品は、単純に部屋に欲しいと思いました。でも既に良いものは全て売れていました。
 松岡さんの作品は独特な絵の作りが面白かった。作家が技術的に優れていることも分かり易いから売れそう。
 加藤さんの作品については先日このブログにも書きましたが、コンセプトがいいな。面白い。加藤さんのような作家をアートフェアに出してくる無人島プロダクションの今後も期待&応援したいです。
 美浪さんの作品は、ところどころに盲点のようになっている空間が、視点を画面の中で巧く泳がせてくれて面白いと思いました。題材も花だし、見ていて綺麗だと思うので良く売れそう。実際売れていました。

event-talk

 イベントトーク「アートフェアを考える」では、中国のアートディレクターで小説家のファン・フー(Hu Fang)さん、韓国のアートディレクターのホン・ボラ(Bora Hing)さん、アートフェア東京のディレクター金島隆弘さんのお話しを伺うことが出来ました。
 金島さんによると、今年はベネチアビエンナーレとアートバーゼルが重なった年でしたが、アートバーゼルの方がウケが良かったそうです。それに比べてベネチアビエンナーレは保守的だと評価されているようです。今年の例に限らず、最近はビエンナーレよりもアートフェアの方が、よりアートシーンを動かす重要なファクターになってきているようです。
 ホン・ボラさんはビエンナーレとアートフェアについて、 ”ビエンナーレを見に行くことは、やらなければならない宿題みたいに思う。アートフェアは気楽に行けて楽しめる”と言っていました。でも彼女は、アートフェアの方が良いと単純に思っているわけではありませんでした。”ビエンナーレもアートフェアも美術館もギャラリーも、アートには様々なプラットフォームが必要。特に作家側からすれば、ビエンナーレ・美術館・ギャラリーは必要でしよう。”と付け加えていました。彼女はソウルで非営利のギャラリーGallery FACTORYを経営しています。アートマーケットになんて興味がない方かと思っていましたが、幅広い見識をお持ちでした。

 第2部は、台湾のアートコレクター、ルディー・ツェン(Rudy TSENG)さん、サラリーマンコレクターの宮津大輔さん、モデレーターの片岡真美さん(森美術館チーフキュレーター)によるディスカッションでした。
 最後に片岡さんがコレクターのお2人にした”モノではないものをなぜ集めるのか?”という質問に対する回答が大変印象的でした。ルディーさんも宮津さんも、パフォーマンスの権利やビデオアートなど売り買いには向かない”モノ”ではないものをコレクションしています。
 宮津さんは、”現代美術で一番大事なのは、アイデア・コンセプト。モノであろうがなかろうが良いものは良い。私がアートをコレクションするのは、好きな人の近くに居たらその人の魅力がもっと良くわかるように、作品の良さがますます分かるから。コレクションした作品を通してもっと広い世界を見たい。”と答えました。
 ルディーさんは、”私は作家ではないので、作品をコレクションすることで作品の一部になりたい”と語りました。
 売ったら良い値がつきそうな作品もお持ちだと思いますが、お2人とも、投資目的でアートを買うことなんて全く考えていません。お2人のようなコレクターに作品を買ってもらったら、作家は幸せですね。

最後に1つ書き留めておきたいことがあります。ルディーさんが話した3.11の台湾からの義援金についてです。
 彼は、日本を訪れた際、”私が台湾人だと分かると日本の多くの人が、「親切にしてくれてありがとう」と言ってくれた”と喜んでくれました。”台湾のパスポートを持っている人は、どこの国に行くにもVISAが必要でしたが、日本はVISAなし入国を初めて認めてくれた。私達はそれを覚えているから、日本に対する義援金が多く集まったのです。”と語っていました。嬉しい繋がりが出来たように思いました。こういったことがアートにおける交流も深めてくれるように思います。

(※” ”内は、このブログの管理人が、参加されたパネラーの皆様の御意見をなるべく忠実に記した部分です。)

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