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プロじゃない人達がつくり手になる時代?画家ジョゼフ・ヨアキムについて?

投稿日:2011年8月15日 更新日:

 「キュレーションの時代」という本を読んで、ジョゼフ・ヨアキム作品)という画家のことを初めて知りました。ネットで調べてみたところ、この本を通じて彼のことを知ったという人がとても多いことが分かりました。
キュレーションの時代 「キュレーションの時代」 佐々木俊尚 (ちくま新書)

19世紀の終わりにアメリカのミズリー州に生まれたジョゼフ・ヨアキムは、複雑な民族的血統を受け継いでいます。お父さんは黒人とネイティブアメリカンの混血、お母さんはフランス系の白人とネイティブアメリカン、黒人の血を引いています。家が貧しかったため、彼は小さい頃から放浪の旅をしながら生計を立ててきたそうです。仕事は、サーカス団での下働き、鉄道の用務員、リンゴのもぎ取り、商船の船員など様々で、その間まわった地域もアメリカにとどまらず、ヨーロッパ、ロシア、中東、中国、中南米と実に多様です。

その都度出会う人々との接触だけで人生のほとんどを過ごしてきた彼が、最晩年になってアートの歴史に名を残すことになります。70歳になった年、彼は今まで全く縁のなかった絵を描き始めます。以前訪れたレバノンの街の夢を見た時、夢を絵に残したいと思ったことがきっかけでした。
彼は、描いた絵をなんとなく人に見てもらいたいと思って、洗濯バサミで窓ガラスにぶら下げておいたそうです。それをあるカフェのオーナーが見たのがきっかけで、彼は有名になります。

著者はこの画家の話しから次のような説明をしています。
昔は「美術史が分かっている人」「美術の技術を習得している人」つまり美術のプロフェッショナルが作り手のほとんどを占めていましたが、20世紀に入る頃から「美術を学んでいない人」「技術がない人」「美術史を知らない人」「作品を発表したいと思っていない人」も美術界で認められるようになりました。インターネットが普及した今では、その傾向はますます強くなっており、プロじゃない人たちがつくり手になる時代になってきています。

実は大昔からあった人間の表現の多様性は、特定の特権的な人の影に隠れて見えなくなっていました。でも今はそれが表に現れやすい時代になっています。本当に面白い可能性を秘めた時代に、私は生きているんだなと嬉しくなります。

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