やまでら くみこ のレシピ

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千利休とマルセル・デュシャンと田中功起

投稿日:2011年8月19日 更新日:

 杉本博司さんと千宗屋さんのトークセッションを聞いてきました。タイトルは千利休マルセル・デュシャン/ 観念の錬金術」。利休とデュシャンは考え方や行ったことが大変似ているというお話しでした。
 
 マルセル・デュシャンは、日常の何てこと無いものをそのまま美術館に作品として持ち込んで観客を驚かせました。「泉」という便器をただ展示しただけの作品は大変有名です。
 そしてお話しを伺って、なるほど、利休も似たことをしていると思いました。利休は、釣り人から貰ってきた魚籠(ビク:魚をいれておくカゴ)やただ切っただけの竹を花生けとして茶室に持ち込みました。また、当時お茶の席には唐様の立派な器が使われるのが普通でしたが、利休はそれとは反して全く見栄えがしない土そのもののような器を用いました。当時、高価な茶器は一国一城と同等の価値があったそうですが、利休は、大した価値の無いものにそれと同等の価値を与えました。
 私は当時の主流であった茶器よりも、利休の素朴な器の方が好きです。今となっては単に嗜好の問題ですね。

 そういえば、今日一緒に見てきた田中功起さんの「玉石と石のあいだにある場所で」(Someone’s junk is someone else’s treasure) というビデオ作品でも同じようなテーマが扱われていました。
 その作品には田中さんによる、あるマーケットでのパフォーマンスが記録されています。彼はそこで、その辺でいくらでも拾える椰子の葉を売っています。実際売れたかどうかは分かりませんが、彼の意図は、お客さんの反応を自分自身が見たい、また多くの人に見せたいところにあるように思います。
 田中さんはそこで、「だれかにとっては何でもないものでも、誰かにとっては宝ものです。」とお客さんと話しをしていました。田中さんの”何でもないもの”の提示の仕方はとってもソフトです。一方、”何でもないもの”をいきなり美術館に持ち込んでしまうデュシャンや、強引に茶室で使ってしまう利休には、もっと強い主張が感じられます。
 これは私の勝手な思い込みでしょうか?デュシャンも利休も、実際は田中さんのように人の反応を少しずつ伺っていたのでしょうか?

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