やまでら くみこ のレシピ

人気レシピの作り方を分かりやすく紹介します。

グッゲンハイム財団・MoMA・ニューミュージアムの新たな取り組みについて

投稿日:2011年9月18日 更新日:

 昨日の続きを書きます。
 従来の美術館の定義からは大きく逸れた斬新な試みを行っている、グッゲンハイム財団・MoMA・ニューミュージアムは、現在、美術館の役割をどのように捉えているのでしょうか?それぞれのディレクターのコメントを拾うことが出来ますので、書き出してみます。

 グッゲンハイムラボのディレクターRichard Armstrong さんは、”美術館の伝統的な使命は、その創設者の意図に負うところが大きいです。グッゲンハイムの設立の目的は、美しいものの鑑賞を通して素行を変える(to change behavior through looking at beautiful objects)ことにありました。しかし今それは、どのようにして私達は美術館での新たな活動を町に生かすことが出来るか?(How can we take that activity to the streets?)ということに変化しています。”と言っています。

 また、MOMAのディレクターGlenn Lowryさんは、こう語っています。”20世紀(の美術館)が収集を主たる使命としていたならば、21世紀はプログラミングであると言えます。(最近行われている新しい)プロジェクトの目的は、何かを集めることではありません。活発な一般市民の試みによってもたらされた重要な研究に、多くの人々を引き込むことにあります。”(If the 20th century was primarily about collecting, I believe the 21st is about programming,”“This project is not about collecting anything. It’s about engaging in serious research that results in vibrant public programs.”)

 ニューミュージアムのディレクターLisa Phillipsさんは、”美術館は長い間ずっと教育とコミュニティに興味がありました。しかし今では、美術館は広い意味で文化施設のようなものに変化し、それがコミュニティーに与える影響を考えるようになりました。”とコメントしています。(Museums have long been interested in education and community,”“But the interpretation of that is changing as cultural institutions recognize the influence they have in the community)
 

 微妙な表現の違いがありますが、どの方も美術館がコミュニティーの中の存在であることを強調しているように思います。そして一方的な価値観を上から与えるというよりも、むしろ、コミュニティーの抱える問題を解くきっかけづくりをしたいとのニュアンスが伝わってきます。

 これらの美術館の取り組みは、より良い社会を築く上で大変有意義であると思います。しかし私には気になることがあります。もし彼らがその新しい試みをアートと考えているのなら、アートはもう少し社会と距離を置くべきなのではないかということです。その距離が、人の心を動かし得るアートの力に繋がると私は思います。今後どうなるのか、これらの美術館の動きに注目していきたいと思います。

参考文献:
It’s Not Just a Museum, It’s a Think Tank
FESTIVAL OF IDEAS FOR THE NEW CITY
Rising Currents: MoMA exhibit explores how New Yorkers will live when sea levels rise

スポンサーリンク

関連記事

no image

シンクタンクのようなニューヨークの美術館

 現在ニューヨークの美術館では、従来の美術館の定義を大きく超えた新しい試みが行われています。 美術館はもともと美術作品の保存・研究・公開をす…

地中美術館の「モネの一室」が素晴らしい。オランジュリー美術館との比較。

「睡蓮」によって大装飾空間をつくり出す。 晩年のモネのそうした構想をもとにつくられたのが、地中美術館のクロード・モネ室です。 先日私はその場…

アートフェア2011イベントトーク「アートのゆくえ」・加藤翼展・things on strings 展

 今日は、アートフェア東京2011の関連企画”フューチャージェ?ネレーションが語る「?アートのゆくえ」”に参加してきました。その後…

直島のホテル、ベネッセハウス「ミュージアム」に宿泊。ちょっと期待し過ぎたかも。

安藤忠雄さんが設計した直島のホテル「ベネッセハウス」は、4つの棟に分かれています。 オーバル、ミュージアム、パーク、そしてビーチ。 そのうち…

「ミュージアムの思想」

私が初めてヨーロッパの美術館を訪れたのは、20歳の頃、大学の同級生との旅行の際でした。数日かけて廻ったルーブル美術館の収蔵品の多さ、スケール…

ピックアップ記事

ジャクソン・ポロックのドリッピングを科学する。

ジャクソン・ポロックが描いた「ドリップ・ペインティング」は、一見、子供…

村上隆のゲルニカ。「五百羅漢図」

村上隆さんの大規模な回顧展「Murakami-Ego」が、2月9日から…

コンクリート製「トリュフ」に暮らす(建築家:アントン・ガルシア=アブリル)

天然の岩の内部をくりぬき、そこに窓を設置したかのような構造物。これは、…

ロッククライマーがつくる彫刻  ダグ+マイク・スターンの「ビッグ・バンブー」

写真をご覧ください。木材を積み上げてつくられた、巨大な鳥の巣のような構…

音が描く模様。聞こえない音の視覚的な美しさ by カールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)

子どもの頃、私は、雷が大嫌いでした。降りしきる雨の中、突然に光る空、そ…

セザンヌの絵が解き明かす、現代の脳科学

画家セザンヌが生きた19世紀、人間の感覚は、外の世界のありのままの姿を…

刺青から紐解く炭鉱夫の恐怖。山本作兵衛の世界

2011年5月、画家山本作兵衛の絵が、日本で初めて世界記憶遺産に登録さ…

地中美術館の「モネの一室」が素晴らしい。オランジュリー美術館との比較。

「睡蓮」によって大装飾空間をつくり出す。 晩年のモネのそうした構想をも…

杉本博司の護王神社。この神社に直島の神は宿るのか?

瀬戸内国際芸術祭の開催地である直島で、「家プロジェクト」というアートプ…

モノに喋らせる。皿が泳ぐプール。 by セレスト・ブルシエ=ムジュノ(Céleste Boursier-Mougenot)

20世紀のアメリカで活躍した美術家、マルセル・デュシャンは、当時のアー…

サイト内を検索

このブログについて

このブログは、鎌倉在住の主婦が綴るレシピサイトです。

これは皆んなでシェアしないともったいない!と思った事柄を記事にしています。

最近の話題は、こんな感じです。

  1. 人気の簡単料理のレシピ
  2. 夕食やお弁当の節約献立
  3. 忙しくてもラクチンな作り置き
  4. 無理なく続けられるダイエットレシピ
  5. 食材の基本的な調理法や保存方法