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都市の新陳代謝を積極的に促進させるメタボリズムの壮大な建築プラン?「メタボリズムの未来都市展」森美術館にて?

投稿日:2011年9月21日 更新日:

 先日「メタボリズムの未来都市展」(森美術館にて)を見てきました。
 シンポジウム(パネラーは、栄久庵憲司、神谷宏治、菊竹清訓、槇文彦、東浩紀、レム・コールハース・・)に参加出来なかったのが少々残念でしたが、展覧会は大変内容が充実していて面白かったです。超オススメです。
 私は全ての展示を見るのに4時半かかりました。日曜日だったこともありますが、観客の数の多さと熱心さからは、メタボリズム建築に対する関心の高さが伺えます。

 建築家の黒川紀章、菊池清訓、槇文彦、大高正人、デザイナーの粟津潔、建築評論家の川添登らによるメタボリズム・グループは、1960年の世界デザイン会議で発表されたマニフェスト「METABOLISM/1960ー都市の提言」を機に結成されました。
 宣言文では、自分たちを「歴史の新陳代謝を自然的に受け入れるのではなく、積極的に促進させ」「来るべき社会の姿を具体的に提案するグループ」と定義しています。

 今回の展示は、メタボリズムの起源となる1930年代以降の実現しなかった建築プランを中心に紹介しています。そのダイナミックなプランの数々には大変驚かされました。実際に施工されたものだけでは分からないメタボリストの壮大なロマンを感じます。
 今日は、その中でも私が特に面白かったと思ったプランをいくつか挙げてみたいと思います。

大東亜建設記念営造計画  丹下健三 1942年
・「大東亜共栄圏の中心である日本の建築様式とは何か」というテーマのコンペで丹下氏が1等をとったプラン。富士山麓と皇居を結ぶ大東亜道路を都市軸として、首都と戦没者のための忠霊神域を造るという壮大な計画です。
 まだ終戦前、真珠湾攻撃の成功に湧き上がっていた時期に開催されたこのコンペには、敷地や予算の制限が課せられていなかったそうです。おそらく当時もこのプランについて大多数の人が実現不可能と考えていたと思いますが、それでも1等賞をとっていることが大変興味深いです。

農村都市計画  黒川紀章 1960年
「農村は農産物を生産する近代的都市であるべきだ」という黒川氏の考えによってつくられた伊勢湾台風の被害地域復興プラン
 空中に持ち上げられた人口地盤をつくることで、既存の農地をしっかりと生かせるようになっています。人口地盤の上には住宅や公共施設などの生活する場がつくられ、本物の地面はほぼ全面が農地として使用出来ます。人口地盤の下に位置づけられた農地に十分な光が差し込むのか疑問に思いますが、こんな集落のプランが1つでも実現していたら、現在の都市における農地のポジションはだいぶ違っていたのではないかと思います。

東京計画  丹下健三 1960年
東京湾を横断する水上道路をつくり、そこに時代の変遷とともに新陳代謝が可能な巨大な都市をつくる計画。会場では非常に良くできたCGを見ることが出来ます。きっと多くの人がこのプランを見て津波の心配をしただろうと思います。

海洋都市うなばら 菊竹清訓
先の丹下氏の東京計画と同じ海上都市のプラン。”都市をとりかえやすい単位に分け、互いに取り替えやすい結びつきにしておくことを考えると、最も容易に合理的に出来るものが海上都市である。”と菊竹氏は言っています。

空中都市ー渋谷計画  磯崎新

空中都市ー新宿計画  磯崎新

東京計画1961ーHelix計画  黒川紀章

 個人的には、こんなメガストラクチャーをつくることが合理的だとは思いませんし、メタボリズムのコンセプトと照らし合わせて見ても、むしろこのゴッツイ本体が健康的な新陳代謝を阻害するのではと思います。しかし、プランの壮大さには圧倒されます。CGがまたよく出来ている。この3プランは今回の展覧会の一番の見どころだと思います。

「メタボリズムの未来都市展」
2011年9月17日?2012年1月15日まで 会期中無休
開館時間 10:00?22:00(火曜のみ17:00まで)
 ※9月25日(日)は17:00まで
 ※1月3日(火)は22:00まで
 ※入館は閉館時間の30分前まで
 森美術館にて

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