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「シャルロット・ペリアンと日本」

投稿日:2011年12月23日 更新日:

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シャルロット・ペリアン(1903-1999)はフランス生まれのインテリアデザイナーです。彼女は、ル・コルビュジェやその従兄ピエール・ジャンヌとの共同作業を通じて、優れた建築やインテリアを残した人として知られています。現在神奈川県立近代美術館で行われている「シャルロット・ペリアンと日本」展では、彼女が、日本の民芸品に使われている素材や技術に注目し、それを同時代に通用するデザインとして生き返らせたことが主に語られています。

展示を見て一番心に残ったことを書きます。

それはペリアンが坂倉準三や柳宗理との交友関係を通じて来日し、日本で展覧会を開催したときのことです。彼女は「ペリアン女史 日本創作品展覧会 住宅内部装備への一示唆 選択・伝統・創造」と題されたその展覧会で、日本の民芸を彼女なりの価値観できっちりと評価しようと考え、驚くべき展示を試みます。
それは、そこに「展示されるべきでないもの」を展示して、そのショーケースにバツ印をつけるというものです。これはおそらく多くの人からあまり関心されない展示方法でしょう。今回の展覧会では、この彼女の行為について、”来日したばかりの彼女だからできたこと”と説明しています。

けれども私は家に帰ってきて、彼女のその展示にもう少し意義を見出せないかと思いました。なぜなら、良くないものにきっちりバツをつけるような見方が日常の中で欠落しているように感じるからです。例えば、ものをつくるという側面で言うと、私たちは子供の頃から教育の現場であまりにも”つくることは素晴らし!”と甘やかされてきているように思います。そしてなんとなく今でも甘えている。アートに限らず何でもそうだと思いますが、”つくり出すこと自体が素晴らしい”と考えるのは間違いであって、世の中には、当たり前ですが、つくらない方が良いものもたくさんあります。
ペリアンのこの奇抜な展示はそんなことを考えさせてくれます。

「シャルロット・ペリアンと日本」
2011年10月22日(土)?2012年1月9日(月・祝)
休館日:月曜日(1月9日は開館)、12月29日(木)?2012年1月3日(火)
開館時間:9時30分?17時
神奈川県立近代美術館 鎌倉にて
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会場では、ペリアンのデザインした椅子に座ることが出来ます。







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