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「松井冬子展」

投稿日:2011年12月24日 更新日:

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ランドマークタワーのクリスマスツリー

今日は、松井冬子さんの展覧会を見に、横浜美術館に行ってきました。

松井さんと言えば、うらやましいほどの美貌の持ち主で、また現在最も注目される日本画家のひとりとして大変有名です。今回の展覧会は、松井さんの作品のテーマである「痛み」「狂気」「死」が、これまでの彼女の創作活動の中でどのように表現され変化してきたのかを検証しています。

大変印象的だったのは、松井さんの狂気の捉え方です。作品の説明文によると、彼女は狂気を”絶え間ない痛みの受動が自己防衛のための攻撃的な能動に転ずる瞬間”と位置づけています。受動を能動に切り替える力を有するという意味で、狂気は生という能動を継続させる可能性を持つものとして肯定的に捉えられています。
この考えからは、彼女がなぜ一見すると気持ちの悪い悪趣味な絵を描くのかが理解できるように思います。彼女は、ある日突然やってくる私たちが受身的に関わらざるを得ない「痛み」を、能動的に受け入れることで乗り越えることができると考えているように私は思います。彼女の抱えているテーマは、現代に生きる人の日常的な思いに直結しています。

私は以前から、彼女の作品について疑問に思うことがあります。それはなぜ彼女が、作品を”遠い過去に描かれたような日本画”として提示するのかということです。

私なりの解釈で言えば、彼女の作品のそのようなスタイルは、「痛み」を肯定的に捉える、つまり攻撃的な能動を積み重ねていく上での、彼女にとってのささやかな安らぎのようなものだと思います。あるいは鑑賞者に対する配慮のようなものかもしれません。
しかし少々意地悪な見方をしてしまうと、それは、「痛み」に対して真摯に向き合うことの邪魔になるようにも思えます。
実際はどのような考えをお持ちなのか、彼女に伺ってみたいです。

「松井冬子 展」
2011年12月17日(土)?2012年3月18日(日)
10時〜18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週木曜日、12月29日(木曜)〜1月3日(火曜)
横浜美術館にて







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