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「4人展?絵画?池崎拓也/石井友人/鹿野震一郎/近藤亜樹」展

投稿日:2012年1月12日 更新日:

 池崎拓也さん、石井友人さん、鹿野震一郎さん、近藤亜樹さん。この4名の絵画展がshugoArtsで開催されています。今日は、鹿野震一郎さんのとても意味深な絵について書いていきます。

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「plot 12615」

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 鹿野さんのこの作品には、「plot 12615」というタイトルがつけられています。plotは、構想あるいは物語と訳されます。タイトルの数字部分「12615」は、作品中のサイコロの目を上から反時計まわりで拾い、並べられたものであることが分かります。

 整然と並べられたモチーフには何らかの意味があるように感じます。まるでアミダくじのような配置。私は、サイコロの目の数や、木の枝の分かれ方やしなり方、モチーフの置かれた位置などに何かしらの規則性があるのではないかと考えました。しかし結局、サイコロの目とタイトルの関係以外、何も分かりません。

 そこで、「plot 12615」を一旦離れ、鹿野さんの他の作品にも目を向けてみます。すると、それらの作品で使われているタイトル、そしてモチーフの配置から新たな発見がありました。
 「script」という言葉がタイトルになっている作品は、日本語の縦書きの文章のようにも見えます。scriptには「ひとまとまりの文字の体系」という意味もあることから、情報を形作っている言葉そのものを表現した作品なのかもしれません。
 次に「nest」と名付けられた作品、そして「nest」のモチーフが2つ連なって作られた作品「pandemic」を見ていきます。まず、nestは「巣」もしくは「群れ」と訳されます。この作品は一つの文化または情報体系を有する集団を表しているように思えます。そして、「pandemic」。この作品は、ある文化が複製され、まるで感染病が拡大するように増殖していく、その始まりを表現しているのではないでしょうか。このように考えると彼の作品の一貫したテーマとしては、「文化」もしくは「情報」というものがあるように思えてきます。

 では、この視点で 「plot 12615」を再度鑑賞すると、一体どのように見えてくるのでしょうか。この作品は、もしかすると鹿野さんの個人的な物語そのものを表しているのかもしれません。少しややこしい言い方ですが、彼の描く絵を表現した絵。

 暗号のような彼の作品について、私はこれくらいの推測しかできません。そこで画廊の説明に頼ってみたいと思います。鹿野さんの作品について、shugoArtsは次のような説明をしています。

 鹿野は自らが「部分」と捉えるモティーフをいくつか組み合わせ繰り返し用いることで、意味のすり替えを確信的に行います。脱構築されたモティーフは違和感を与えつつも新たな観念として提示され、一見すると寡黙な彼の作品は、ひとたびその作品を紐解くヒントに気付かされると訥々と語りかけてくるようです。

 「読み解くヒントに気付かされると訥々(とつとつ)と語りかけてくるよう」という最後の一節は、鹿野さんの作品に似て、なかなか意味深です。やまでらには高度すぎます。この文章を書かれた方は、彼の作品を読み解くヒントに気付かれたのでしょうか?ヒントは分からないけど、そのようなものがありそうだと仰っているのでしょうか?それとも、そもそもヒントなど無いということでしょうか?

 いずれにしろ、鑑賞者をその気にさせるのが上手だと思います。私はすっかりその手にはまり、謎解きを大いに楽しみました。

4人展 -絵画- 池崎拓也/ 石井友人/ 鹿野震一郎/ 近藤亜樹
2011年12月10日(土)− 2012年1月28日(土)
shugoArtsにて

※掲載した写真は、shugoArtsの許可を得てやまでらが撮影したものです。

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