やまでら くみこ のレシピ

人気レシピの作り方を分かりやすく紹介します。

映画「ポロック 2人だけのアトリエ」 ★☆☆☆☆

投稿日:2012年4月7日 更新日:

ポロック 2人だけのアトリエ コレクターズ・エディション [DVD]
「ポロック 2人だけのアトリエ」(DVD)
オススメ度:★☆☆☆☆

「2人だけのアトリエ」とサブタイトルがつけられたこの映画は、DVDのジャケット・カバーに、ジャクソン・ポロックと、彼の妻となったリー・クライズナーのラブストーリーであると説明されています。
実際、この映画には、画家という同志としての、また、制作に没頭する夫とそれを支える妻としての、2人の親密な関係が描かれています。

しかし、この映画がラブストーリーであるとは私には思えません。おそらく監督エド・ハリス(彼は、ポロック役も同時に務めています。)のねらいは、「どうしようもない、ろくでなしのポロック」の姿を描くことにあります。

スポンサーリンク

この映画では、画家として大成したという側面よりも、むしろ、周囲の人になじめない気難しい中年男、マスコミに踊らされる滑稽な芸術家、あるいは、妻であるリー・クライズナーの気遣いを簡単に無にするダメ夫、そうしたポロックの負の側面が強調されているように思います。彼は、誰に対しても責任を取ることはありません。自らの感情のままに振る舞っているだけの自己中心的な人物なのです。この取るに足りない主人公こそが、過去にアメリカで一時代を築いた芸術家、ジャクソン・ポロックの本当の姿なのだと、この映画は言っているように思います。
 「どうしようもない、ろくでなしのポロック」の姿を描くという意味では、この映画は成功していると言えるでしょう。しかし、そうした姿を描くために、エピソードを単に断片的に繋ぎ合わせているだけのようにも思えます。そのため、映画の全体的な印象までも散漫になっているのがとても残念です。

もし、ポロックとリー・クライズナーの関係を知りたいのであれば、この映画を見るのではなく、以下の本を読むことをおすすめします。「ジャクソン・ポロックとリー・クライズナー」には、この映画のストーリー全てが、より詳細に書かれています。さらに、彼らの関係の変遷を、2人の作品を見ながら理解できるのも面白いところです。ポロックの奥さんのリー・クライズナーは、画家でもありました。彼女の作品からは、クライズナーのポロックに対する思いの移り変わりが垣間見えるように思います。

「ジャクソン・ポロックとリー・クライズナー」 イネス・ジャネット エンゲルマン著 【書評】

「ポロック 2人だけのアトリエ」
監督: エド・ハリス
製作: フレッド・バーナー
脚本: バーバラ・ターナー
出演: エド・ハリス、 マーシャ・ゲイ・ハーデン、 エイミー・マディガン、 ジェニファー・コネリー、 ヴァル・キルマー

ポロック関連記事: 「ジャクソン・ポロックのドリッピングを科学する」
「ジャクソン・ポロックの絵と、家屋のペンキ塗りの深い(?)関係」

スポンサーリンク

関連記事

「ジャクソン・ポロックとリー・クライズナー」 ★★★★☆

「ジャクソン・ポロックとリー・クライズナー」 イネス・ジャネット・エンゲルマン著(2009年) オススメ度:★★★★☆ ジャクソン・ポロック…

ポロックは最期まで、野心家であり続けたか

「Number11, 1951」 ポロックのが晩年に描いた黒い絵 「生誕100周年 ジャクソン・ポロック展」には、ポロックが晩年に描いた黒を…

ジャクソン・ポロックの絵と、家屋のペンキ塗りの深い(?)関係

「Lavender Mist」 ポロックが短い生涯の中で最も良質な作品を生み出した、1950年の傑作。繊細な色彩の重なりが美しく、長時間眺め…

ジャクソン・ポロックのドリッピングを科学する。

ジャクソン・ポロックが描いた「ドリップ・ペインティング」は、一見、子供が描き散らかした絵のようにも見えます。無秩序に絵具がちりばめられたかの…

ジャクソン・ポロックが求めた女性のイメージ 

ジャクソン・ポロック 無題 (1930年代) ポロックは、自分の母親を「子宮を内臓した古い墓穴」と表現したことがあるそうだ。この作品には、彼…

ピックアップ記事

ジャクソン・ポロックのドリッピングを科学する。

ジャクソン・ポロックが描いた「ドリップ・ペインティング」は、一見、子供…

村上隆のゲルニカ。「五百羅漢図」

村上隆さんの大規模な回顧展「Murakami-Ego」が、2月9日から…

コンクリート製「トリュフ」に暮らす(建築家:アントン・ガルシア=アブリル)

天然の岩の内部をくりぬき、そこに窓を設置したかのような構造物。これは、…

ロッククライマーがつくる彫刻  ダグ+マイク・スターンの「ビッグ・バンブー」

写真をご覧ください。木材を積み上げてつくられた、巨大な鳥の巣のような構…

音が描く模様。聞こえない音の視覚的な美しさ by カールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)

子どもの頃、私は、雷が大嫌いでした。降りしきる雨の中、突然に光る空、そ…

セザンヌの絵が解き明かす、現代の脳科学

画家セザンヌが生きた19世紀、人間の感覚は、外の世界のありのままの姿を…

刺青から紐解く炭鉱夫の恐怖。山本作兵衛の世界

2011年5月、画家山本作兵衛の絵が、日本で初めて世界記憶遺産に登録さ…

地中美術館の「モネの一室」が素晴らしい。オランジュリー美術館との比較。

「睡蓮」によって大装飾空間をつくり出す。 晩年のモネのそうした構想をも…

杉本博司の護王神社。この神社に直島の神は宿るのか?

瀬戸内国際芸術祭の開催地である直島で、「家プロジェクト」というアートプ…

モノに喋らせる。皿が泳ぐプール。 by セレスト・ブルシエ=ムジュノ(Céleste Boursier-Mougenot)

20世紀のアメリカで活躍した美術家、マルセル・デュシャンは、当時のアー…

サイト内を検索

このブログについて

このブログは、鎌倉在住の主婦が綴るレシピサイトです。

これは皆んなでシェアしないともったいない!と思った事柄を記事にしています。

最近の話題は、こんな感じです。

  1. 人気の簡単料理のレシピ
  2. 夕食やお弁当の節約献立
  3. 忙しくてもラクチンな作り置き
  4. 無理なく続けられるダイエットレシピ
  5. 食材の基本的な調理法や保存方法