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日の光と草に彩られた教会

投稿日:2012年5月19日 更新日:

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 とても美しい教会を発見しました。

 教会の内壁を覆う短い草。そして、窓から差し込む柔らかい日の光。この教会の壁は、まるで薄黄緑色のステンドグラスがはめられているかのようです。

 この作品は、イギリスのアーティストユニット、アクロイド&ハーヴェイ(Ackroyd & Harvey)によるものです。


sChurch_Covered_Grass

 ロンドンの南部に位置するこの建物は、もともとは1900年代に建てられた古い教会だったそうです。しかし現在は、教会としての機能は持っておらず、スタジオとしてアーティストに開放されています。もし、この荘厳な空間が、生活に密着した教会であったとしたら、どんなに素晴らしかったことでしょう。

 さて、この内部をつくる過程を見ていきましょう。まず、草の種をまぜ合わせた粘土を教会の壁に薄く塗ります。そのあと、土を適度に湿らせるために1日3?4回、写真のような方法で水やりをしたそうです。すると、およそ6日で種が発芽しました。発芽した後も水やりは続きます。こうした水をやる作業も、土を塗る作業も、とても骨の折れるものであったろうと想像します。

 ところが、とても残念なことに、写真のような美しい状態はそう長くは続きません。

 教会の壁に種まきをしてから1ヶ月も立たないうちに、カビが発生します。草があまりに密集して生えているために、どうしてもそれは避けられないようです。
 そのため、およそ1か月後に、この草の壁は撤去されてしまいます。

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 カビの生えた草を撤去する作業は、想像するだけでゲンナリします。「カビが生える前に撤去すればいいのに」とつい思ってしまいますが、そうしてしまっては、この作品は完成しないのだと思います。おそらく、彼らは、最後にはカビが生えるということまで含めて人々に見せたかったのでしょう。この作品において、「壁の美しさ」は一つの要素に過ぎません。そのことよりも、その「美しさ」が次第に変化していくことを主眼に置いているように思います。

参考資料・

画像引用元:CUBE Church Covered of Grass by Heather Ackroyd & Dan Harvey

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