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デジタル時代の私たちが生きる、おバカで出鱈目な世界。 アラブのアーティストユニット、アトファール・アハダース(Atfal Ahdath)

投稿日:2012年9月25日 更新日:

s-atfal ahdath

 上の写真は、アトファール・アハダース(Atfal Ahdath)というアーティストユニットの「私をここに連れて行って:想い出を作りたいから(Take me to this place:I want to do the memories)」という作品の一部です。
 写真を用いた複数のインスタレーションによって成り立っているこの作品は、現在、森美術館で開催されている「アラブ・エクスプレス展」に展示されています。

 ここに登場している3人の男性は、アーティスト本人。
 左から、バルタン・アバキアン(Vartan Avakian)、レイド・ヤシン(Raed Yassin)、ハテム・イマム(Hatem Imam)。彼らは、レバノンの首都ベイルートを拠点として活動しています。

 アトファール・アハダースは、写真スタジオの中で量産される、現実とは乖離したイメージをテーマとして作品を制作しています。彼らは、アラブ世界の至るところにあるフォトスタジオを訪れ、ポートレートを撮ったそうです。この作品には、そうして得られた写真が集積され、浮世離れしたイメージとして再構成されています。



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 (写真スタジオで撮影されたポートレートが、再構成されたインスタレーション。)

 人は多かれ少なかれ、他者が受け取る自分の印象はどのようなものなのか、気にかけながら日々を過ごしています。そうした中、デジタルデータに変換された「私」は、ある意味、自分自身が望むイメージにお手軽に修正することができます。

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 たとえば、ポートレートの背景を偽造することで、私たちは、今まで訪れたことがない場所を旅することができます。その気になれば、このインスタレーションのように、東京タワーや富士山をバックにした写真を撮ることもできますし、アフリカの野生動物とツーショットを撮るなんてことも可能です。

 メンバーの1人、レイド・ヤシン氏は、彼らが映し出されたポートレートについて、次のように語っています。

 この写真に写っている人々(アトファール・アハダースの3人のメンバーのこと)は、とても貧しいから、どこにも旅行できない。だから彼らは写真スタジオに行き、一度訪れてみたい場所、つくり話をでっち上げるためにふさわしい場所を選ぶんだ。

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(横から見ると、とても貧弱なインスタレーション。デジタル処理によって作り上げられたイメージの安っぽさを表現しているように思えます。)

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(これらの人物の顔を、自分のそれに差し替えただけで、宗教まで変えることができる?)

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(服装が差し替えられ、すっかり別人(?)になったアーティスト)

 チープな背景の中で澄まし顔でポーズを決める彼らを見ていると、思わず吹き出してしまいそうになります。しかし、私には、彼らの姿は私自身の姿にも思えます。デジタル時代の私たちが生きるこの世界、それは、作中の彼らが生きる世界と同じように出鱈目なものなのかもしれません。

 それでは最後に、この動画を見て、私たちと彼らが生きるおバカな世界を堪能してください。

参考サイト:
「Tag Archives: Atfal Ahdath」 Brofessional Review
「Work I Love: Atfal Ahdath at the Sharjah Biennial」 Diary of an art Luvah







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