やまでら くみこ のレシピ

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学校では教えてくれない、商品としてのアート

投稿日:2012年11月4日 更新日:

s-Duchamp

 「個性」や「自由」、そして「多様性」。私がまだ学生だった頃、美術の授業では、そうした言葉が重要視されていたように思います。いまの授業がどうなのかは知りませんが、あまり違いはないのかもしれません。

 卒業をしてから年数が経ち、当時を振り返って思うことは、「資本主義社会におけるアートとお金の関係」や、「古い価値観との闘争を連綿と繰り返してきたアートの歴史」などを、もう少し授業に盛り込んでくれたらよかったのにな、ということです。小学生や中学生では早すぎるのかもしれませんが、高校生ぐらいになれば、そういう話にもついてこれるのではないかと思います。

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 普通の高校生は、「アートの作品は資本主義社会における商品であり、その価値は、主に西欧のマーケットで決まっている」ということや、「アートの世界においては、古い価値観を否定し、新しい価値観を提示した作品が高く評価される」ということを知りません。けっして、個性的で自由な作品が評価されているわけではないのです。

 そうしたことを知らないと、男性用便器を展示しただけの作品や、絵具をキャンパスに無秩序に叩きつけただけに見える作品は、ただのガラクタでしかありません。

 アートと資本主義の関係を知ったら、もしかすると、商業主義に汚れた作品など価値がないと思う人もいるかも知れません。あるいは、過去の価値観を否定してきたアートの歴史を知ったら、そんなことはない、作品には普遍的な価値があると思う人もいるかも知れません。

 それはそれでいいのです。知ったうえでどう思うかは、それこそ自由です。でも、それらの知識がないまま、教科書に載っている「名画」を見たり、現代アートの「傑作」が数十億円で取引されたというニュース記事を読んだりするのは、なんだかとてもバランスが悪いことのように思います。せっかく美術の授業があるのですから、絵なんか描けなくても、そうした知識を得る方がよっぽど有用ではないでしょうか。

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