紫外線のスペシャリスト、大阪大学医学部准教授の日比野佐和子さんが実践している、ダイエットにもなる紫外線対策をご紹介します。
日比野さんは、アンチエイジングの専門家でもあり、そうした側面から本も執筆しています。

肌のシミは、紫外線が元になってできることはよく知られています。
陽の光をたっぷりと浴びた後は、シミが出来る心配をしてしまうという方は多いのではないでしょうか。
でも日比野さんによると、最新の研究では、シミだけでなく、シワやたるみといった皮膚の老化の原因の8割が、紫外線だと考えられているそうです。
紫外線は、どうやら私たちが思っている以上に、肌に大きな影響を及ぼしているようです。
今日は、最先端の紫外線研究にお詳しい日比野さんがプライベートで実践している紫外線対策と、正しい日焼け止めの塗り方をお伝えします。
紫外線対策というと、紫外線をブロックすることばかりを考えがちですが、日比野さんによると、最新の紫外線対策では、「紫外線に強い体を作る」ことが大事。
しかもそうした強い体を作ると、同時にダイエット効果も期待できるそうです。
実際に日比野さんは、紫外線対策を行っただけで、たった3年で16キロもの減量に成功したご経験をお持ちです。
シミもちゃんと薄くなったようですよ。
(一部情報元:TV「林修の今でしょ!講座SP」2015年5月26日放映)
シミ・しわ・たるみを撃退する最新の紫外線対策
日比野さんによると、最新の紫外線対策で最も大切とされているのは、「新陳代謝を高めて、肌の生まれ変わりを早くすること」です。
たとえ紫外線のダメージを受けたとしても、代謝が良いと、シミやシワが出来にくくなるそうです。
またそれと同時に、脂肪が燃えやすい体になるので、ダイエット効果も期待できるというわけです。
代謝を高めることを念頭に、日比野さんは、次のような紫外線対策をしています。
- 1日5食。
- ホワイトオムレツを食べる。
- 風呂上がりに氷で首マッサージをする。
- 長時間外に出る時は、イチゴを1パック食べる。
- 日焼けしたあとは、ホットヨーグルトを食べる。
日比野さんのお考えをもとに、項目ごとに、その理由や方法を説明します。
1日5食
紫外線対策とはいえ、1日に5食も食べても良いなんて、何だか嬉しいですね。
近頃は「1日1食」をすすめる書籍が目立ちますが、日比野さんによると、紫外線対策としては、むしろ食事の回数を増やした方が良いそうです。
実際にビバリーヒルズでは、1日5~7食を推奨する専門家も多いとか。
1日3食だと、5食にくらべてどうしても一度にたくさんの量を食べることになり、血糖値が高い状態が続きます。
そうすると、体の中で余った糖が肌の細胞と結合し、紫外線の影響を受けやすい体に変えてしまうのだそうです。
ですから、少しずつ何度も食事を摂り、血糖値の急上昇をおさえることが、紫外線対策になるのです。
残念ながら、1日5回だからと言って、いつもよりも多く食べてはいけないようです。
1日の総カロリー量は増やさないように、1食分の摂取量をおさえる必要があります。
ホワイトオムレツを食べる
また日比野さんは、紫外線対策のために、「ホワイトオムレツ」を食べています。
「ホワイトオムレツ」とは、卵白だけで作ったオムレツのこと。
紫外線によってダメージを受けた肌が生まれ変わるには、タンパク質が必要不可欠。
卵白には、体に吸収されやすい良質なタンパク質が含まれてるので、肌の新陳代謝が上がり、シミを出来にくくする効果があるそうです。
黄身が入っていないオムレツなんて、卵を使わないカルボナーラと同じくらいナンセンスな気もします。
でも美容に効果があるんだったら、試さない手はないですね。
風呂上がりに氷で首マッサージをする
また日比野さんによると、お風呂上がりに氷を首に当ててマッサージをすると、代謝が上がるため、紫外線対策として効果的です。
温めたあとに冷やすというのが、ポイントのようです。
最新の研究で、首や鎖骨のまわりに「褐色脂肪細胞」という体の代謝を上げる細胞が、集中していることが明らかになったそうです。
この細胞は冷やすと活性化する性質があります。
そのため首や鎖骨のまわりを冷やすと代謝が上がり、肌の生まれ変わりが早くなるため、シミやシワが出来にくくなるというわけです。
なお氷で首を冷やすには、次のようにします。
- ペットボトルに8割くらいの水を入れ、口の方を上に向けて凍らせる。
- ペットボトルの口の部分を持ち、首や鎖骨のあたりを転がしながら2~3分ほど冷やす。すごく冷たいと感じる前にやめる。
ちなみに、ペットボトルに8割しか水を入れない理由は、持ち手を確保するためです。
ペットボトルの口の方は凍っていないので、手が冷たくならず、使いやすいそうですよ。
イチゴを食べる
さらに日比野さんは、長時間外に出る時には、イチゴを1パック食べてから出かけるそうです。
その理由は、イチゴには、抗酸化作用の高いビタミンCが豊富に含まれているから。
紫外線を浴びることで作られる活性酸素は、肌を攻撃してシミやシワを出来やすくします。
イチゴに多く含まれる抗酸化物質は、その活性酸素の働きをおさえてくれるのだそうです。
イチゴが入手困難な時期は、ビタミンCが豊富な別のフルーツを摂ると良いと思います。
日焼けしたあとは、ホットヨーグルトを食べる
次にご紹介するのは、日焼けした時の対処法です。
日比野さんによると、日焼けしてしまった後に最も大切なことは、「肌の生まれ変わりを早くすること」。
紫外線のダメージを受けた肌が早く剥がれ落ちてしまえば、シミにはなりにくいのだそうです。
そのために日比野さんは、「ホットヨーグルト」を食べています。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内を刺激すると、血流が良くなります。そうすると皮膚に栄養が届き、肌の新陳代謝がアップするのだそうです。
それと同時に肌の保湿効果が高まるという研究データもあるので、紫外線を肌から守る上でも、ヨーグルトには効果が期待できるようですよ。
なおヨーグルトを温める理由は、乳酸菌を活性化させるため。
40~50度くらいで湯煎すると、乳酸菌がより活発に働いてくれるそうです。
正しい日焼け止めの塗り方
最後に、日焼け止めの正しい塗り方をご紹介します。
日比野さんによると、日焼け止めには、紫外線ブロックの効果を高める塗り方があるそうです。
次のように塗ると、ムラなくきれいに塗れるようです。
- 日焼け止めを、額・両頬・鼻・あごの5箇所に置く。
- 指で肌にのせるように優しく塗る。
あらかじめ5箇所に分けて置くことで、均一にムラなく日焼け止めを塗ることができるそうです。
さらに「のせるように塗る」と、紫外線をブロックする効果は高くなるようですよ。
表層に分厚くのせるのがポイントです。
ちなみにすり込むように塗ると、日焼け止めが逆に落ちてしまうそうですから要注意です。
のせるように塗る方法は、手で一気にのばすよりも時間はかかります。
でも効果の違いがはっきりとあらわれるようですから、日々のお手入れに、是非取り入れてください。