
「オリゴ糖」を摂ると、腸内環境の改善に役立ちます。
今日は、「オリゴ糖」の含有量が高い食品と、その賢い調理法をご紹介します。
実践女子大学の田島眞先生は、食品研究の第一人者で、オリゴ糖に関する調査を20年以上も続けています。
田島先生によると、オリゴ糖を積極的に摂取すると、腸内環境を整えることができます。
オリゴ糖は、腸内に住む善玉菌である「ビフィズス菌」の良質のエサになるためです。
とは言え、実際には多くの人が、理想的な1日の摂取量2~10gを、摂りきれていないのが現状だとか。
もともとオリゴ糖は、食品に微量しか含まれていません。
そのため、オリゴ糖をしっかり摂るには、オリゴ糖を多く含む食品と、オリゴ糖を効率良く摂取するための調理法を、知る必要があります。
(一部情報元:TV「主治医が見つかる診療所」腸内フローラ 2015年6月1日放映)
オリゴ糖の含有量が高い食品

田島先生によると、オリゴ糖は、肉や魚にはほとんど含まれていません。
野菜の根や種の部分に含まれています。
その中でも特に含有量が多いのは、次の食品です。
オリゴ糖を多く含む食品 | 100gあたりの含有量(g) |
---|---|
ゴボウ | 3.6 |
玉ネギ | 2.8 |
エシャロット | 2.8 |
ニンニク | 1.0 |
バナナ | 0.3 |
納豆 | 2.0 |
きな粉 | 7.0 |
ハチミツ | 1.5 |
田島先生は、ご自宅で料理をなさるそうです。
これらの食材を毎日の料理に活かして、腸内環境を整えているそうです。
田島先生によると、オリゴ糖を食品から効率よく摂取するには、オリゴ糖の含有量が多い食品を選ぶだけでなく、調理法にも気を配る必要があります。
田島先生がすすめる、賢い調理法をご紹介します。
オリゴ糖を効率良く摂るための調理法
オリゴ糖を効率よく摂取するためのポイントは、食品をあらかじめ40~50度くらいに温めること。
そうすると、オリゴ糖のもとになるでんぷんが、酵素の働きで十分に分解されます。
その結果、オリゴ糖の含有量を増やすことができるそうです。
田島先生が作ったある日の夕食を例に、調理法を具体的に説明します。
すべてのメニューに、オリゴ糖がたっぷり含まれています。
- 玉ネギとアスパラガスの炒めもの
- きんぴらゴボウ
- 納豆
- ご飯
- 豆腐の味噌汁
- 焼きバナナにきな粉をかけたデザート
メニュー別に調理のポイントを説明します。

ご飯は、米をあらかじめ40~50度の湯に1時間浸してから炊きます。
そうすると、米に含まれるオリゴ糖の量を2倍にできるそうです。
お湯に浸している間に、米に含まれる酵素が、でんぷんをオリゴ糖に分解するためです。

きんぴらごぼうに使うゴボウも、ご飯と同じようにオリゴ糖を増やすことができます。
ゴボウを、ボールに入るくらいの大きさのぶつ切りにして、40~50度の湯を加えて5分漬けるだけです。
なお、でんぷんを多く含むイモ類などの食品も、この下処理をしてから温めると、オリゴ糖を増やすことができるそうです。

また、玉ネギは、焼くと良いようです。
オリゴ糖の分子が細かくなり、ビフィズス菌のえさになりやすくなるそうです。

さらに、バナナも、フライパンで焼くとオリゴ糖が増えるそうです。
弱火で5分ほどじっくり焼きます。
バナナが40~50度くらいに温まると、ちょうど良いようです。
さらに、田島先生は、焼いたバナナにきな粉をふりかけます。
きな粉は、オリゴ糖を多く含む大豆からできています。
ですから、バナナにきな粉を加えることで、より腸に良いデザートになります。
なお、きな粉は、いろいろな料理にちょい足しできるので、普段から手の届くところに常備しておくと良いようですよ。

味噌汁の味噌にも、オリゴ糖が多く含まれています。
大豆のオリゴ糖は、他のオリゴ糖とくらべて大腸に届きやすく、少ない量でビフィズス菌を増殖させることができるそうです。積極的に摂りたいですね。
ところでオリゴ糖には、腸内環境を整える働きだけでなく、他にも2つメリットがあります。
1つは、血糖値が上がりにくいこと。もう1つは、カロリーが砂糖のおよそ半分であること。
健康を気づかう人には、オリゴ糖は嬉しい成分ですね。
ダイエットにも良さそうですよ。