
砂糖を使って、鶏胸肉をしっとり柔らかく茹でる方法をご紹介します。
調理科学の専門家 佐藤秀美さんがすすめる、茹で鶏のレシピです。
佐藤さんによると、茹で鶏は、あらかじめ鶏ムネ肉に砂糖を揉み込んでおくと、柔らかく仕上がります。
砂糖には水分を抱え込む性質があるため、このような効果が期待できるとのことです。

今回の方法も効果がありますが、実は、そちらの方が簡単で、確実にムネ肉が柔らかく仕上がります。
作り方は、鶏胸肉に片栗粉をまぶし、沸騰した湯に投入。
すぐに火を止めてフタをして1時間置くだけです。
リンク先も是非ご覧ください。
(一部情報元:フジテレビ「発見!なるほどレストラン」 2015年6月2日放映)
砂糖を使った茹で鶏の作り方

佐藤さんがすすめる、砂糖を使った茹で鶏のレシピです。
材料
鶏ムネ肉 | 1枚 |
砂糖 | 大さじ1/2 |
長ネギ | 1/4本 |
ショウガ | 少々 |
作り方
- 鶏ムネ肉と砂糖をポリ袋に入れ、よく揉む。
- ショウガと長ネギを薄切りにする。
ショウガ・長ネギ・1を鍋に入れ、ひたひたくらいの水を注ぎ、弱火で茹でる。 - 冷めるまでそのまま置いたら、できあがり。
このムネ肉を試食したタレントのデヴィ夫人は、次のようにコメントしていました。
「これはもう全然違います。大変な出来ですよね。つまらないムネ肉が、こんなに美味しくなっちゃう。」
実際に試してみたところ、たしかに、しっとりとした食べやすい茹で鶏ができました。
ただ、火加減や茹で時間によって出来栄えはいくらでも変わるので、私は、冒頭でもお伝えした通り、佐藤さんのもう1つの茹で鶏のレシピの方をおすすめします。
こちらの方がより明確なレシピになっているので、失敗せずに、ムネ肉を柔らかく仕上げることができます。
砂糖を揉み込むと肉が柔らかくなる理由

ところで、なぜ砂糖を揉み込むだけで、鶏肉はしっとり柔らかくなるのでしょうか。
佐藤さんによると、次のようなことが考えられます。
砂糖には、水分を抱え込む性質があります。
鶏肉に砂糖を揉み込むと、鶏肉の表面に付着した砂糖が、肉汁を含む水分を抱え込むため、加熱しても水分が逃げずジューシーに仕上がるということです。
ちなみに、砂糖の甘さに関しては、まったく気になりません。
揉み込んだ後に茹でてしまうため、味つけの邪魔になりません。
佐藤さんによると、鶏肉だけでなく、牛肉や豚肉も、同じようにして美味しくいただくことができるとのこと。
肉を家庭で上手に料理する方法として、覚えておくと便利ですね。
次に、参考として、砂糖を使わない茹で鶏の作り方をご紹介します。
砂糖を使わない茹で鶏の作り方

最後に、参考のために敢えて、砂糖を使わずに「茹で鶏」を美味しく作る方法をご紹介します。
料理研究家の有元葉子がすすめる、茹で鶏の作り方です。

有元葉子さんは著書「1回作れば3度おいしい作りおきレシピ」の中で、次の4つのポイントをおさえると、しっとりジューシーで旨味たっぷりな茹で鶏と、濁りのないスープができるとおっしゃっています。
茹で鶏の4つのコツ
- 決して煮立て過ぎず、ずっと弱火で静かに静かに茹でる。
- 加熱中に出るアクをまめに取る。
- ゆで汁に軽く塩味をつける。
- 茹で上がったら、ゆで汁に浸したまま冷ます。
有元さんは、茹で鶏に砂糖を使いません。
でも、それ以外の材料に関しては、有元さんも、先にご紹介した佐藤さんと同じように、鶏肉にヒタヒタの水・ショウガ・長ネギなどを加えて、茹で鶏を作ります。
佐藤さんの砂糖を使った茹で鶏のレシピと、有元さんの砂糖を使わずに塩味をつけるレシピ。
よろしければこの2つを、比較してみてください。
正直、私には、あまり違いが分かりません。
どちらも鶏肉が硬くなり過ぎず、美味しく仕上がると思います。
もしかしたら、砂糖を加えるか否かが重要なのではなく、茹で鶏は、火加減が大事なのかもしれません。
鶏肉を強い火で茹で続けるのは、絶対NG。
必要以上に加熱し過ぎない方がいいですよ。