東京・人形町にある、1760年創業の鶏料理専門店「玉ひで」の店主・山田耕之亮さんがすすめる、親子丼の上手な作り方をご紹介します。
ちなみに上の写真は、親子丼を日本で初めて作ったと言われている、同店の親子丼。
これからお伝えするレシピの特徴が、見た目にもよくあらわれています。
山田さんによると、米の炊き方から卵の加熱法まで、合計5つのポイントをおさえると、ふわトロの美味しい親子丼が作れます。
(一部情報元:TV「この差って何ですか?」2015年9月6日放映)
美味しい親子丼を作るコツ
山田さんによると、親子丼を上手に作るポイントは5つあります。
- 調理の2時間前に、卵を冷蔵庫から出す。
- ご飯を炊く際の水加減は、通常の1割減にし、冷蔵庫で30分ほど冷やしながら浸水させる。
- 鶏肉は、皮をすべて取り除き、一口大に切る。さらに、割り下を少し加えて下味をつける。
- 下味をつけた鶏肉は、火の通りを均一にするため、普通の鍋であらかじめ下煮する。
- 仕上げの卵は、煮上がった具材に3/4を加え、残りの1/4は、ご飯の上に盛りつけた後に回しかける。
上から順番に、その理由などを簡単に説明します。
まず1つめは、調理の2時間前に、卵を冷蔵庫から出しておくこと。
冷たいままの卵は、火が通りにくいので加熱に時間がかかり、固くなってしまいます。
卵をふんわりと仕上げるためには、前もって常温に戻しておくことが大切です。
2つめは、ご飯の炊き方について。
ご飯は、割り下がかかることを見込んで、少し硬めに炊きます。
水加減は、通常の1割減。普通の水加減にすると、仕上がりがベトベトしてしまいます。
さらに米を冷蔵庫に入れて浸水させます。
米を冷やすと、旨み成分のアミノ酸が増えるので、炊き上がりが美味しくなります。
3つめは、鶏肉の下準備について。
鶏肉は、皮をすべて取り除きます。
皮がついたまま調理すると、鶏の脂の味が卵に移ってしまい、卵の味が落ちてしまうためです。
そして鶏肉を一口大に切ったら、割り下を少し加えて、軽く下味をつけておきます。
4つめは、下味をつけた鶏肉を、普通の鍋であらかじめ加熱すること。
どんぶり鍋は浅いので、鶏肉が十分に割り下に浸からず、火の通りにムラが出てしまいます。
そのため普通の鍋で、鶏肉だけをあらかじめ煮ておきます。
5つめは、卵の加熱の仕方。
卵の3/4は、煮上がった具材の上に普通にかけます。残りの1/4は、具材をご飯にのせてから、回しかけます。
このように2度に分けて加えると、ふわとろの親子丼が作れます。
以上の4つのポイントを踏まえた上で、レシピをまめると、次のようになります。
プロがすすめる、親子丼のレシピ
「玉ひで」の店主がすすめる、親子丼のレシピです。
鶏もも肉 | |
卵 | |
玉ネギ | |
米 | |
三つ葉 |
昆布ダシ | |
みりん | |
醤油 |
- 調理の2時間前に、卵を冷蔵庫から出す。
- 米を研ぎ、通常の1割減の水を加える。お釜ごとラップをかけ、冷蔵庫に30分入れる。普通に炊く。
- 鶏肉は皮をすべて取り除き、一口大に切る。
- 昆布ダシ・みりん・醤油を鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。
- 4をボールに移し、ここから割り下少々を取り、3にかけて混ぜる。
- 鶏肉と割り下を4の鍋に戻し、菜箸で返しながら、さっと均一に鶏肉に火を通す。
- どんぶり鍋に6を移し、薄切りにした玉ネギを投入。ひと煮立ちさせたら、卵の3/4を回しかけ、3分煮る。
- 炊きあがったご飯をどんぶりに盛り、7をかける。さらにその上に、残しておいた1/4の卵を回しかけ、刻んだ三つ葉を飾ったらできあがり。
どんぶり盛ったご飯&具材の上に、仕上げに卵を回しかける工程は、特に斬新ですね。
余熱でトロトロになった卵が、上の写真でもちゃんと確認できます。
かなり手の込んだ親子丼なので、家庭ですべてマネするのは、ちょっとハードルが高いかもしれませんが、親子丼を作る際に参考にしてください。