フレンチの水島弘史シェフがすすめる、科学的にも理にかなった弱火調理法で作る、野菜炒めのレシピをご紹介します。
たった2つのポイントをおさえるだけで、水分が出ずシャキシャキの、美味しい野菜炒めが出来るそうです。
(一部情報元:フジテレビ「バイキング」2015年9月16日放映、TBSテレビ「中居正広のキンスマスペシャル」2016年8月19日放映)
弱火調理で作る野菜炒め
水島さんによると、家庭における野菜炒め作りで、おさえておきたいポイントは2つあります。
- 野菜は細胞を潰さないように優しく切る。
- はじめから弱火で炒める。
水島さんの説明をもとに、調理の手順や理由などを説明します。
(レシピは後ほどご紹介します。)
野菜は細胞を潰さないように優しく切る
美味しい野菜炒めを作るには、まず野菜の切り方に注意します。
包丁は、腕のラインに対してまっすぐ持ちます。そして体を調理台から少し斜めにして立ちます。
さらに親指と人差し指で包丁の柄を挟み、中指で押さえるようにして力を入れずに握ります。
そして包丁の先の方だけを使って、軽くスイングしながら、少しずつ優しく野菜を切ります。
このように切ると、野菜を細胞をあまり潰さずに済むため、水分が出にくくなります。
炒めてもベチャッとせず、みずみずしさや旨味が損なわれません。
はじめから弱火で炒める
野菜炒めというと強火で手早く調理するイメージがありますが、火力の強いコンロと中華鍋でプロが調理する場合も、中華鍋のフチの方に熱が逃げているため、実は思ったほど強い火で炒めているわけではないそうです。
水島流野菜炒めは、はじめから弱火で炒めます。
まず冷たい状態のフライパンに野菜を入れ、油は野菜の上から回しかけます。
上からかけることで、野菜全体に油が絡み、よりシャキッとした野菜炒めが出来ます。
そしてようやくフライパンを弱火にかけ、8~10分ほどかけて、野菜にじっくり火を通します。
弱火で気長に炒めると、野菜の細胞が硬くなり、水分や旨味が外に出にくくなります。
なお塩の量は材料の0.8%程度にします。
水島さんによると、この塩の量(0.8%)は、人間の体内の塩分濃度(0.8~0.9%)と同じで、人間の脳が本能的に美味しいと感じる塩加減です。
以上のポイントを踏まえて、水島さんの野菜炒めのレシピをまとめると、次のようになります。
水島流 野菜炒めの作り方
水島さんが考案した、野菜炒めのレシピです。
ニンジン(根菜類)は火が通りにくいため、事前に下ゆでします。
また肉は、野菜とは別に、あらかじめ炒めておきます。
豚肩ロース薄切り肉 | 60g |
ニンジン | 60g |
モヤシ | 120g |
キャベツ | 60g |
ピーマン | 20g |
キクラゲ | 30g |
日本酒 | 8g |
塩 | 2g(※) |
醤油 | 6g |
黒コショウ | 適量 |
サラダ油 | 大さじ2程度 |
ゴマ油 | 大さじ1程度 |
※塩の量は肉と野菜の総重量の0・8%程度。ただし醤油に含まれる塩を引いた量。
- 豚肉・キャベツ・キクラゲは、一口大に切る。ニンジンは、長さ3センチ・厚さ3ミリくらいの短冊切りにする。ピーマンは5ミリ幅の細切りにする。
- ニンジンは2分下茹でし、ザルに上げて湯切りする。
- 豚肉を冷たい状態のフライパンに入れ、はじめから弱火で炒める。
- 冷たい状態のフライパンに野菜すべてを入れ、サラダ油を回しかけて混ぜる。
フライパンを弱火にかけ、2~3分おきに野菜の上下を返すように混ぜながら、8~10分炒める。
8~10分炒めている間に、野菜がしんなりしたら3を加え、日本酒・塩・醤油・黒コショウで味付けする。
最後に30秒だけ強火で炒めて香ばしさを出し、野菜をフライパンの端に寄せ、フライパンの真ん中にゴマ油を加えて香りを出す。さっと混ぜたら出来上がり。
ちなみに私は、この野菜炒めのレシピは試していませんが、水島さんの料理本をもとに野菜炒めを作ったことはあります。
その際には少し時間はかかりましたが、シャキシャキとした食感の、野菜の旨味が強い、美味しいお料理が出来ましたよ。
ところで当サイトでは、水島さんのレシピをたくさん紹介しています。
その中で特におすすめなのは、次の7品です。写真をもとにレシピを詳しく解説しましたので、合わせてご覧ください。
「鶏の唐揚げ」と「親子丼」と「冷製パスタ」と「だし巻き卵」と「オムライス」と「鶏のクリームシチュー」と「ぶり大根」です。
また冒頭の写真はイメージで、料理研究家の浜内千波さんが考案した「失敗しない野菜炒め」です。
この野菜炒めは、野菜の切り方も、加熱の仕方も自由です。その代わりに、ドライおからを使います。
ドライおからを使うと、野菜炒めが水っぽくなりません。シャキっとした美味しい野菜炒めが、だれにでも簡単に作れます。リンク先も合わせて参考にしてください。