「ガサツに楽ウマ!ごはん」というレシピ本の著者で料理ブロガーの後藤麻衣子さんが考案した、トンカツのレシピをご紹介します。
「冷めてもサクサク!絶品ひと口豚カツ」です。
ごく普通の豚カツとくらべ、冷めても外はサクサクで、また中身はふんわり柔らかいのが特徴です。
衣には酢を加え、中身は豚肉と豆腐を混ぜて作ります。
1食たったの87円。調理時間は20分程度です。
(一部情報元:日本テレビ「あのニュースで得する人損する人」家事えもんのかけ算レシピ 3つ星主婦 珍獣ママのガサツレシピ 2015年11月5日放映)
冷めても美味しいとんかつの作り方
通常トンカツには、ロースやヒレを使います。
でも後藤さんが使うのは、豚肉の中でも特に安い「こま切れ肉」。
しかも豆腐を使って、かさ増しします。
食感は2時間経ってもサクサクのまま。お弁当にぴったりですよ。
さて、豚こまと豆腐を使ったトンカツをサクサクの食感に仕上げるポイントは、2つあります。
1つは、衣に酢を加えること。
小麦粉に含まれるタンパク質の一種「グルテン」は、衣の中に膜を作り、水分を内側に閉じ込める性質があります。
これが、時間が経った揚げ物が、ベチャっとする原因です。
でも酢には、そんな「グルテン」の結合を切断し、膜を作らせない働きがあります。
だから衣が、サクサクに仕上がるというわけです。
ちなみに、酢の味とにおいは、揚げた時に飛んでしまいます。
ポイントの2つめは、低温からじっくり揚げること。
一般的に揚げ物は170~180度くらいの温度で調理しますが、衣はサクサクになるものの、肉が硬くなりがちです。
いきなり熱い油に入れることで、肉の繊維が一気に縮んでしまうためです。
でも低温で揚げると、肉が柔らかく仕上がります。
しかも酢が入った衣は、小麦粉のグルテンの結合を防いでいるので、低温で揚げてもサクサクに仕上がります。
後藤さんが考案した「冷めてもサクサク!絶品ひと口豚カツ」のレシピは、次の通りです。
なお分かりにくい工程は、後ほど写真をもとに説明します。
豚こま切れ肉 | 100g |
木綿豆腐 | 150g |
塩 | 少々 |
サラダ油 | 適量 |
小麦粉 | 大さじ2 |
片栗粉 | 大さじ1 |
酢 | 大さじ1/2 |
水 | 大さじ2 |
パン粉 | 50g |
- 木綿豆腐はキッチンペーパーで包み。水気を切る。豚肉はキチンバサミで、3センチくらいの大きさに切る。
- 豆腐と豚肉をボールに入れ、塩をして、手でよく混ぜる。
- 別のボールに小麦粉・片栗粉・水・酢を入れ、よく混ぜる。
- 2を6等分して成形し、3をつけ、さらにパン粉をまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れ、火にかける。
油が完全に温まらない状態で4を入れ、弱火でじっくり揚げる。
表面がキツネ色になってきたら、火を少し強くする。
持ち上げた時にジュジュっと肉が振動したら、揚がっている証拠。油から引き上げる。できあがり。
写真をもとに、レシピを説明します。
ひと口カツを作ってみた
まず、木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、その上から手でぎゅっと圧力をかけて、簡単に水切りします。
次に豚こまを、キッチンバサミで3センチくらいの大きさに切ります。
ここであまり細かく切ってしまうと、肉の食感が無くなってしまうそうです。
そして塩を振り、豆腐と豚肉を手で混ぜ合わせます。
混ざったら、6等分して成形します。
肉の隙間に豆腐が上手い具合に入るので、形を作りやすいですよ。
ここで衣を作ります。
小麦粉・片栗粉・水・酢を混ぜ合わせます。
そして俵型にした肉の表面に付けます。
次にパン粉をまぶします。
衣がすべてつきました。
いよいよ揚げていきます。
フライパンにサラダ油を入れ、点火します。
そして、まだ十分に温まっていない油の中に、カツを投入。
ごく一般的な揚げ物をする時のように、ジュッという音がしませんが、これで良いそうです。
弱火でじわじわ時間をかけて、カツの両面を揚げます。
ちなみに揚げ油の量は、けちらずにカツが完全に浸かるくらい使った方が、衣が爆発しにくくなります。
カツの内部に温度差が生じると、衣が破裂しやすくなります。
表面がキツネ色になったら、最後に火を少し強くします。
後藤さんによると、カツを持ち上げた時に、ジュジュっと肉が振動したら、揚がっている証拠。油から引き上げます。
できあがり。
衣は薄付きですが、後藤さんがおっしゃるように、冷めてもサクっとした食感が残っていました。
衣に酢を加えているためか、ごく普通の揚げ物のサクサク感とは少し違い、繊細な感じの歯応えがあります。
また中には豆腐がたっぷり入っていますが、その割にけっこう肉々しいと思いました。
お肉好きでも、これだったら十分満足できると思います。
材料費が安く上がる上に、冷めても美味しいなんていいですね。