フレンチの水島弘史シェフが考案した「ブリ大根」のレシピをご紹介します。
ごく一般的なブリ大根は、ひたひたの煮汁でブリと大根を煮ますが、水島流の「ブリ大根」は、煮ないで作ります。
ブリと大根をさっと下茹でしたら、調味料と一緒にポリ袋に入れ、しばらく置いて味を染み込ませます。
ブリの食感はふんわりと柔らかく、中まで味がしっかり染みますよ。
ちなみに水島さんは、科学的な視点に基づいた「低温(弱火)調理法」を家庭料理にいかす方法を提案している方で、その斬新な調理法は、テレビなどでもよく話題になります。
このブリ大根も低温で調理します。
(一部情報元:日本テレビ「シューイチ」水島シェフの科学的調理法 2015年12月6日放映)
ぶり大根の作り方
「ブリ大根」のレシピです。
このお料理の調理時間は、具材に味を染み込ませる時間(1時間)を除くと25分くらいです。
レシピの全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
ブリの切り身 | 2枚(200g) |
大根 | 250g |
ショウガ | 適量 |
日本酒 | 40g |
醤油 | 25g |
砂糖 | 20g |
塩水(0.8%) | 適量 |
- 【ブリの下準備】ブリを鍋に入れ、ブリが完全にかぶるくらいの塩水(濃度0.8%)を注ぐ。
鍋を弱火にかけ、65度を超える前に火を止める。フタをして5分置く。
ブリをザルに上げ、ぬるま湯で表面をさっと洗う。キッチンペーパーで水気を拭き取る。 - 【大根の下準備】大根は皮をむき、輪切りにして2等分する。それをさらに縦に4等分する。
鍋に湯を沸かし、大根を入れて10分ほど茹でる。(竹串がスッと刺さるくらい柔らかくなるまで茹でる。) - 【ブリと大根に味をつける】薄切りにしたショウガ・日本酒・醤油・砂糖を鍋に入れて煮立たせ、ポリ袋に入れる。ブリと大根も加え、袋の空気を抜いて口を縛り、1時間置く。
温め直して皿に盛り、千切りにしたショウガを添えたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
ぶり大根の作り方
【工程1】
最初にブリの下準備をします。
まずブリの切り身(2枚)を鍋に入れ、ブリが完全にかぶるくらいの塩水(適量)を注ぎます。
塩水の塩分濃度は0.8%。
500mlの水に対し、4gの塩を加えて作ります。
次に鍋を弱火にかけ、水温が65度を超える前に火を止めます。
65度で火を止める理由は、ブリの身を柔らかく仕上げるためです。低温でじっくり火を通します。高温で加熱し過ぎると硬くなってしまいます。
そしてフタをし、このまま5分置きます。
ちなみに上の写真は5分後の様子。
塩水でブリを茹でると、臭みの原因となるアクが出ます。
5分経ったら、ブリをいったんザルに上げます。
そしてぬるま湯で、表面についたアクをさっと洗います。
最後にキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
これで、ブリの下準備は終わりです。
ブリは下茹でして臭みを徹底的に取ります。
塩水で下茹でし、さっと洗うと、ブリの臭みだけが取れ、旨味が逃げません。
また低温で茹でると、ブリの身が柔らかく仕上がります。
【工程2】
次に大根の準備をします。
まず大根(250g)を輪切りにして2等分し、皮をむきます。
そして縦に4等分します。
続いて鍋に湯を沸かし、大根を入れて10分ほど茹でます。
竹串がすっと通るくらい柔らかくなったら、茹で上がりです。
ちなみに私が使った大根は、柔らかくなるまであと5分かかったので、大根の質によって茹で時間は調整してください。
大根などの硬い根菜類は、沸騰した湯で茹でると、味が染み込みやすくなります。
【工程3】
次にブリと大根に味を付けます。
まず薄切りにしたショウガ(適量)・日本酒(40g)・醤油(25g)・砂糖(20g)を鍋に入れ、煮立たせます。
そして煮立たせた調味料をポリ袋に入れ、ブリと大根を加え、袋の中の空気を抜いて口を縛り、1時間ほど置きます。
ごく一般的なブリ大根は、ひたひたの煮汁で煮ますが、水島流の「ブリ大根」は、ブリと大根と調味料をポリ袋に入れ、1時間ほど置いて味を染み込ませます。
味は冷めていく時に食材に染みるので、煮る工程を省きます。
最後に温め直して皿に盛り、千切りにしたショウガ(適量)を添えたらできあがりです。
このブリ大根は、ブリも大根も、とても美味しそうなアメ色に仕上がります。
お味の方は、ほど良い甘みがありますが、全体的にさっぱりとしていて上品です。
煮ていないのに、中までしっかり味が染みますよ。
またブリの食感は、ふわっとしていてとても柔らかいのが特徴です。