
マグロの刺身は、冷凍ものがよく出回っています。
冷凍されたマグロも、ちゃんと解凍すればとても美味しいものです。
でも、だからと言って、食べきれなかったマグロを、家庭で冷凍するのはNGです。
家庭の冷凍庫でマグロを冷凍すると、刺身の色が黒く変色してしまいます。
見た目がひどくて、とても食べられたものではありません。
冷凍保存したマグロが変色する理由
自宅で冷凍したマグロと、お店で売られている冷凍マグロ。
これらには、どのような違いがあるのでしょうか。
冷凍のプロ、東京海洋大学教授の鈴木徹さんによると、使用している冷凍庫の性能が違います。
お店で売られている冷凍マグロが美味しいのは、実は、業務用の冷凍庫で凍らせたから。
業務用の冷凍庫は、-60度という低温を保つことができます。
一方の家庭用の冷凍庫は、-18度までしか下がりません。
マグロに含まれる赤色の色素「ミオグロビン」は、-18度では凍りません。
冷凍している間も、ミオグロビンはどんどん変化し続けるため、家庭用の冷凍庫では、マグロが黒く変色してしまいます。
でも、業務用の冷凍庫に入れ、-60度まで温度を下げると、ミオグロビンは凍ります。
そのため、マグロの色の変化は起こらず、きれいな赤色を保つことができます。
ところで、鈴木さんによると、家庭の冷凍庫で変わってしまうのは色だけです。
マグロの味はそれほど変わらないので、「マグロの漬け」にして冷凍すると色の変化があまり分からず、比較的美味しくいただけるようですよ。
(一部情報元:テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」2016年3月1日放映)