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きっとプランバナン寺院に行きたくなる観光ガイド。Q&A形式14問。

投稿日:2018年12月29日 更新日:

インドネシアにある世界屈指のヒンドゥー教遺跡、「プランバナン寺院」の魅力をご紹介します。

インドネシアの遺跡と言えば、巨大な仏教遺跡、「ボロブドゥール」が世界的によく知られています。
でも、そのほど近くにある「プランバナン寺院」も、ボロブドゥールに負けないくらいスケールが大きく見応えがあります。

同時代にジャワ島中部で栄えた、ヒンドゥー教の「プランバナン」と仏教の「ボロブドゥール」。
異なる文化でありながら共存した2つの遺跡を見比べることで、当時のジャワ島の多様性、そしてそこに生きた人々の活気を強く感じることができます。
有意義な旅になること間違いなしですよ。

この記事では、プランバナン寺院の見どころは勿論、アクセスやその他観光に必要な情報を、実体験をもとに分かりやすくお伝えします。

ちなみに、ボロブドゥール遺跡については、「きっとボロブドゥール遺跡に行きたくなる観光ガイド」をご覧ください。

プランバナンって何?

プランバナン遺跡群
ボロブドゥール寺院

プランバナンは、インドネシアのジャワ島にある遺跡群です。

ボロブドゥールからは、車で南東に50kmくらいの距離にあります。
建立されたのは9世紀中頃。
プランバナンとボロブドゥールは、ほぼ同時代の遺跡です。

でも、面白いことに、ボロブドゥールは仏教、プランバナンはヒンドゥー教なんです。
ボロブドゥールを建立した王朝は仏教、プランバナンを建立した王朝はヒンドゥー教をそれぞれ信仰していました。
隣合うこの2つの国は、王族同士の婚姻関係もあったことから、信じる宗教は違っても友好的に交流していたそうです。

それを表すかのように、プランバナン遺跡の中心となる寺院(ロロ・ジョングラン寺院)はヒンドゥー教ですが、その周囲には仏教の寺院も点在しています。
異なる2つの宗教が入り混じった外観が、とても興味深いです。

なお、「プランバナン寺院遺跡群」と「ボロブドゥル寺院遺跡群」は、どちらも世界遺産に登録されています。

プランバナンの見どころは?

一番のみどころはロロ・ジョングラン寺院

プランバナンの観光のハイライトは、ロロ・ジョングラン寺院です。

この寺院は、ブランバナン寺院遺跡公園内にある壮大なヒンドゥー教寺院で、これだけは絶対に外せません。

ヒンドゥー教の神々の威厳がダイレクトに感じられる堂々とした寺院で、ものすごい存在感があります。
じっくり見学するには2時間くらい必要です。

続いておすすめなのは、セウ寺院。
セウ寺院は、ロロ・ジョングラン寺院と同じブランバナン遺跡公園内にあります。

プランバナン遺跡群には他にも遺跡があり、おすすめ順に並べると次のようになります。

ロロ・ジョングラン寺院

セウ寺院

サンビ・サリ寺院

サリ寺院

プラオサン寺院

各遺跡の番号は、下の地図と対応しています。

これらすべてをじっくり見学すると、お昼を含めて5時間くらいかかります。

時間があまりない場合は、上のおすすめ順を参考にしてください。

各寺院については、のちほど写真付きで詳しくご紹介します。

プランバナン遺跡への行き方(アクセス)は?

ジョグジャカルタを拠点としてプランバナン遺跡群を観光する場合、移動方法は大きく4つに大別されます。

  • チャーター
  • 現地ツアー
  • タクシー
  • 市内バス

もし、ロロ・ジョングラン寺院とセウ寺院だけを観光するのであれば、どの交通手段を使っても問題ありません。
この2つの寺院はどちらも同じ遺跡公園内にあるので、車を何度も乗り継ぐ必要がないからです。

でも、周辺の遺跡も観光するのなら、チャーターもしくは現地ツアーを利用するのがおすすめです。
プランバナン遺跡群は離れた場所に点在しているため、チャーターや現地ツアーで一気に回った方が時間の短縮になります。

ちなみに、私はチャーターを利用しました。
代金は、車1台とドライバー1人を10時間ほど借りて、55万ルピア。
55万ルピアで、プランバナン主要な遺跡をすべてまわり、荷物を預けているホテルに戻り、そのままボロブドゥール遺跡の近くのホテルに送ってもらうという至れり尽くせりの内容。

利用したのは、ジョグジャカルタのアジスチプト国際空港にオフィスを構える旅行会社、「INTRAS TOUR TRAVEL」です。
良心的なドライバーでしたよ。

プランバナンとボロブドゥールは1日で回れるの?

プランバナンとボロブドゥールを1日で両方とも観光することは可能ですが、結構しんどいと思います。
特に、それぞれの遺跡群を丁寧に回るのであれば、2日に分けることをおすすめします。

プランバナンからボロブドゥールまでは、車で片道1時間半から2時間くらいかかります。
プランバナンを半日観光してから、1時間半かけてボロブドゥールに移動。
そこでまた半日観光して1時間半かけてジョグジャカルタに戻る。
なかなかのハードスケジュールです。

暑い国ですし、想像以上に体力を消耗します。

ロロ・ジョングラン寺院はどういう遺跡なの?

ロロ・ジョングラン寺院(Candi Lolo Jonggrahg)は、850〜900年に建造された壮大なヒンドゥー教寺院です。
プランバナン遺跡観光のハイライト。

この寺院は、次の6つの主要な神殿で構成されています。

シヴァ神殿

ブラフマー神殿

ヴィシュヌ神殿

ナンディー神殿

ハンサ神殿

ガルダ神殿

また、6つの神殿のまわりには、ペルワラ(小祠堂)と呼ばれる小さな仏堂が点在しています。


こちらは東側の参道から撮影した画像です。
中央に見える一番背の高い神殿、①と書いてあるのがシヴァ神殿。
プランバナン遺跡群の中心的存在です。

両脇の②と③が、それぞれブラフマー神殿とヴィシュヌ神殿。
ヒンドゥー教の三主神を祀ったこの3つの神殿が、ロロ・ジョングランのメインとなる部分です。

そして、④〜⑥までの3つの神殿には、三主神の乗り物が祀られています。

主神と乗り物の関係は次のようになっています。

主神 乗り物
シヴァ 雄牛ナンディー
ブラフマー 白馬ハンサ
ヴィシュヌ 神鳥ガルダ

それぞれの主神の神殿の目の前に、その主神の乗り物が祀られています。


時間があまり無い場合には、ヒンドゥー教の3主神を祀った「シヴァ神殿」・「ブラフマー神殿」・「ヴィシュヌ神殿」だけに絞って見学してもいいと思います。

シヴァ神殿の見どころは?

ロロ・ジョングラン寺院のシヴァ神殿はとても大きい神殿で、その高さは47メートル。
15階建てのビルの高さに相当します。
シヴァ神の威厳を体現しているかのような、強烈な存在感を放つ建造物です。

また、内部に安置されている4体の石像も見どころです。
シヴァ、アガスティヤ、ガネーシャ、ドゥルガーの4体。
どれも保存状態がよく、見応え抜群です。

シヴァ
アガスティヤ
ガネーシャ
ドゥルガー

シヴァ神像


「シヴァ神殿」を東側の正面入口から登ると、この神殿の本尊、シヴァ神像のある部屋に繋がります。



シヴァ神像の大きさは堂々の4メートル。

4本の腕と3つの眼を持つシヴァ神は、創造・再生・破壊を司る神と言われています。

口元に上品な笑みを浮かべ、優美な装飾をまとったシヴァは、まさに壮大な寺院のシンボルと言える風格が漂っています。
仏像ファン・石像ファン必見の見事な本尊です。

アガスティヤ像


「シヴァ神殿」には、シヴァ神像が安置された東側の部屋を含めて、全部で4つの部屋があります。

南側にあるのが「アガスティヤ像」を祀った部屋です。

アガスティヤは、南インドで聖仙たちの長として親しまれており、ひげとふっくらとしたお腹が特徴。

こちらも思わずほっとするような、穏やかで温かみのある笑みをたたえています。

ガネーシャ像


西側の部屋には、日本でもよく知られているガネーシャ像が祀られています。

ガネーシャは、シヴァ神の息子で、富や知恵や幸福をもたらすと信じられています。

表情は、暗い部屋に閉じ込められて、なんだか退屈そう。

ドゥルガー像


そして北側の部屋には、ドゥルガーという女神が祀られています。

顔の表情はあまりはっきりしませんが、悪魔の頭髪をぎゅっと掴んだ左手がとても印象的。
悪魔を殺すと言われており、人を困難から救い出してくれると信じられています。

ところでこのドゥルガーには、とても興味深い言い伝えがあります。

「ロロ・ジョングラン」というお寺の名前の由来にもなっている、美しい娘にまつわるお話です。

「ロロ・ジョングラン」とは、むかしむかし、このあたり一帯を支配していた大王の美しい娘の名前であると言われています。

ある時、この地に住む魔術師の息子、バンドン・ボンドウォソという男が、ロロ・ジョングランに恋をしました。
バンドンの執拗な求婚にロロ・ジョングランは困り果て、「もしたったの1日で、千体を祀る千の寺院を造ることができたら結婚しましょう」と約束をしてしまいました。

するとバンドンは、1日に999の寺を造り終わり、あと1つというところまでこぎつけました。
ところが、バンドンとの結婚を望んでいなかったロロ・ジョングランは、途中で邪魔に入り、最後の1つが造れずに終わってしまいました。

それを知ったバンドンは怒り狂い、ロロ・ジョングランを石の像に変えてしまいました。

この石像こそが、このドゥルガ像であると言われています。

ちなみに、バンドンがこの時に造った999棟の寺院が、のちほどご紹介する「セウ寺院」だいう言い伝えも残っています。

外壁のレリーフ


シヴァ神殿は、外壁に刻まれたレリーフも要チェックです。

古代インドの抒情詩、ラーマーヤナをモチーフにした物語が刻まれています。

ブラフマー神殿の見どころは?


「シヴァ神殿」のちょうど南側に建っている「ブラフマー神殿」。
ブラフマー神殿の見どころは、外壁のレリーフと、本尊ブラフマー神像です。



「ブラフマー神殿」も、外壁のレリーフがとてもきれいに残っています。

天界に咲くと言われている吉祥の樹木「カルパタール」や、天界に住むと言われている半人半鳥「キンナラ」の美しいレリーフは必見です。

これらのモチーフは、同じヒンドゥー教寺院で同時期に建立されたと言われているボロブドゥール遺跡群でも、頻繁に使われています。



これはブラフマー聖堂の本尊、ブラフマー神です。

こちらも、シヴァに負けない気品が漂う逸品。
柔らかい自然光が表情をより穏やかに見せていて、まったく見飽きません。

ちなみにブラフマーは、ヒンドゥー教の三大神のひとつで、白色の鳥に乗り、四面の顔と四本の腕を持っていると言われています。

ヴィシュヌ神殿の見どころは?


「シヴァ神殿」の北側に建っている「ヴィシュヌ神殿」。
この神殿の見どころは、本尊のヴィシュヌ神像です。



こちらがヴィシュヌ神。

ヒンドゥー教の三大神のひとつで、肌の色が青く、4本の腕を持っており、ガルダという鷲にのっていると言われています。

ナンディー・ハンサ・ガルダ神殿の見どころは?


「ナンディー神殿」・「ハンサ神殿」・「ガルダ神殿」よりも、上で紹介した3つの神殿の方が見応えがあります。
乗り物を祀った神殿のうち、本尊が残っているのは、残念ながら「ナンディー神殿」のみ。

時間があれば、雄牛ナンディーの可愛らしい姿を見るのもありだと思います。

プランバナンの入場料はいくら?

プランバナン遺跡群のうち、ロロ・ジョングラン寺院とセウ寺院は、同じ遺跡公園内にあるため、入場料が共通です。

大人は25ドル、子供は15ドルで、ルピアで支払います。
クレジットカード支払いもOKです。

公園外の遺跡、たとえばサンビ・サリ寺院などは、その都度チケットを購入します。
ただ、料金はものすごく安い。
ほとんど気にならない金額です。


ところで、遺跡公園の入場料には、観覧バスの利用料も含まれています。

入場料を支払えば、上の写真のような列車型のバスに無料でのることができます。
このバスは、公園内を不定期で頻繁に運行しており、公園奥にあるセウ寺院からの帰り道に利用すると便利です。

セウ寺院の見どころは?


セウ寺院(Candi Sewu)は、ロロ・ジョングラン姫の伝説と深いつながりがある仏教寺院です。
ロロ・ジョングラン姫と結婚するために、魔術師の息子・バンドンが建てた999棟の寺院。
その寺院群が、セウ寺院として今に残っているという言い伝えがあるそうです。
ちなみに、この寺院の名前である「セウ」とは、「千」を意味します。

セウ寺院は、ロロ・ジョングラン寺院と同じブランバナン遺跡公園内にありますが、入り口からかなり奥の方にあるので、観光客はまばらです。

ゆったりとした雰囲気の中、遺跡を散策することができます。



セウ寺院で印象的なのは、入り口に立つ巨大な石像、守門神「ドヴァラパーラ」です。

仏教やヒンドゥー教では寺院を守る神様と言われており、大きなこん棒を持っているのが特徴。
写真には1体しか写っていませんが、左右一対で入り口に鎮座しています。

守門神とは思えない、おっとりとした表情が印象的で、かわいいです。



寺院のまわりは、崩れた石片が散乱していて混沌としていますが、少しずつ修復が進んでいるようです。

いつの日か、数百の寺院が立ち並び姿が見られるかも知れません。

サンビ・サリ寺院の見どころは?


「サンビ・サリ寺院(Candi Sanbi Sari)」は、ヒンドゥー教の寺院。
プランバナンの見どころが集まる遺跡公園からは、少し離れた場所に建っています。
車で移動すると15分くらい。
ジョグジャカルタの空港からだったら、車で10分ほどのところにあります。

この寺院は、まわりの地面よりも6メートルも下のえぐれた土地に建っています。
その理由は、10世紀頃に起きたムラビ山の噴火と深く関係しています。
火山灰が地表に厚く堆積したため、建てられた場所が低く見えるというわけです。

深さ6メートもの火山灰の中から掘り起こされた古代遺跡。
もしかすると、ジョグジャカルタの地面の下には同じような遺跡が数多く眠っているのかも知れません。
プランバナンのスケールの大きさを感じられる遺跡です。



このお寺の本尊は、シヴァ神です。
堂内には、その性標であるリンガがあります。



また外壁には、ドゥルガ(上の写真)やガネーシャなどの優美なレリーフが彫り込まれています。

サリ寺院の見どころは?


「サリ寺院(Candi Sari)」は、サンビ・サリ寺院から車で10分ほどのところにある仏教寺院です。
サンビ・サリ寺院とプランバナン遺跡公園のちょうど間くらいのところ。

他の遺跡とくらべると、ややこじんまりとしている印象です。



このお寺は、外壁に施された菩薩像のレリーフがとても優雅です。

均整の取れた美しいプロポーションの天女が、花を片手にすっと立ったり、楽器を奏でたりしている姿が印象的。
レリーフのところどころに残っている白っぽい漆喰は、建立当時のものと言われているそうです。

ただ、このお寺の内部には、残念ながら何もありません。
本尊が安置されていた基壇もなくなっており、がらんどうの状態です。


ちなみにここから少し歩くと、「カラサン寺院(Candi Kalasan)」を見学することもできます。
紀元700年頃に建立された仏教寺院ですが、その後の改築によって、ヒンドゥー教らしい装飾が加えられていったと言われています。

プラオサン寺院の見どころは?


最後にご紹介するのは、プランバナン遺跡公園から車で15分くらいのところにある仏教遺跡、「プラオサン寺院(Candi Plaosan)」です。

この寺院には、以前、300基ほどのストゥーパ(仏塔)と130棟ものペルワラ(小祠堂)があったそうです。



でも現在は、それらの殆ど壊れてしまっていて、2基のストゥーパとその周辺のペルワラがいくつか残るのみとなっています。

とは言え、仏堂の外壁には、上の写真のような美しい天人の姿も残っています。



また、2基のストゥーパの内部は、どちらも3室に分かれており、手や足が欠けた仏像や、仏像のいない台座などが印象的。

かなり荒れた内部ではありますが、それらの中には、このような完璧なかたちで残っている、静かな表情をたたえた菩薩像の姿もあります。

観光客がまばらな静寂に包まれた暗がりの堂内に、少しうつむき加減で佇む姿がしっくり合い、とても美しいです。


以上、プランバナン寺院の観光ガイドでした。
特に、ロロ・ジョングラン寺院の石像、そしてレリーフは必見です。
人間臭い神様たちの姿はとても興味深く、仏像とはまた違った魅力があります。

ジャワ島中部は遺跡の宝庫。
ぜひ、プランバナン寺院とボロブドゥール遺跡を楽しんでください。

ところで当サイトでは、インドネシア旅行の経験をもとに、ジャワ島やバリ島の観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。

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