トプカプ宮殿はイスタンブール観光の目玉スポット!見どころや歴史を解説。

トプカプ宮殿

トプカプ宮殿(Topkapi Sarayi)は、トルコのイスタンブールにある、オスマン帝国時代の巨大な王宮です。
その敷地面積は東京ドーム15個分にも及びます。

1467年の完成以降、400年にもわたって、歴代のスルタン(皇帝)たちが暮らしてきました。
女性たちが暮らしたハレムやスルタンの私室、そしてオスマン帝国の財宝を展示する宝物館など、見どころは盛りだくさん。

イスタンブール観光の目玉スポット、トプカプ宮殿を写真とともにご紹介します。

トプカプ宮殿の基本情報

トプカプ宮殿の門

まずは、トプカプ宮殿の入場料や営業時間などの基本情報についてお伝えします。

営業時間 夏期 9:00〜18:45
冬期 9:00〜16:45
定休日
その他の休日 1月1日、犠牲祭など
年によって日付が異なるので公式サイトで確認
入場料 宮殿入り口でチケットを購入。
ハレムのチケットは別売り。
最料金は公式サイトで確認。
ミュージアムパスでハレムにも入れる。
公式サイト https://muze.gen.tr/muze-detay/topkapi
行き方 トルコ・イスタンブールの旧市街内

トプカプ宮殿の歴史

トプカプ宮殿の部屋

トプカプ宮殿は、現在では巨大な博物館として利用されていますが、オスマン帝国の時代には、スルタンの邸宅であるとともに行政の中心地でもありました。

トプカプ宮殿を建てたのは、オスマン帝国の第21代皇帝 アフメト2世。
アフメト2世は、コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を陥落させた後、この地に宮殿を建造しました。

見晴らしの良い好立地
トプカプ宮殿からの眺め
マルマラ海・ボスポラス海峡・金角湾という3つの海に囲まれた、イスタンブール旧市街の丘の上。

陸と海のどちらも見渡せるこの場所は、防御の面でも、権威の面でも、好都合だったのかもしれません。


トプカプ宮殿の中心エリア

トプカプ宮殿の敷地
改築と修復の歴史

トプカプ宮殿は、完成して以降も、何度も改築と修復が繰り返されてきました。

トプカプ宮殿のハレムの入り口
女性たちが暮らすハレムも、最初からこの場所にあったわけではなく、後のスレイマン大帝の時代にトプカプ宮殿内に移されたものです。
ドルマバフチェ宮殿への移行

オスマン帝国の政治と権威の頂点として君臨したトプカプ宮殿ですが、徐々にその輝きを失っていったようです。
18世紀になると、ボスポラス海峡沿岸の新市街側の土地の開拓が進み、スルタンたちはそちらで過ごすことが多くなりました。

ドルマバフチェ宮殿
1856年には新しくドルマバフチェ宮殿が完成し、スルタンの居宅はその宮殿に移され、トプカプ宮殿は一定の役割を終えることになります。
博物館としての利用

オスマン帝国が崩壊してトルコ共和国が発足してからは、トプカプ宮殿は博物館として利用されることになり、現在に至ります。

なお、トプカプ宮殿は、1985年に世界遺産に登録されています。

トプカプ宮殿の見どころ

ハレム

トプカプ宮殿のハレムの入り口
入り口
トプカプ宮殿のハレムの通路
通路
トプカプ宮殿のハレムの部屋
部屋
トプカプ宮殿のハレムのハマム
ハマム(お風呂)
トプカプ宮殿のハレムの洗面所
洗面所
トプカプ宮殿のハレムのトイレ
トイレ

ハレムには官能的なイメージもありますが、政治との関わりも強かったようです。

ハレムに生きた女性のなかで最も有名なのは、奴隷の身分からスレイマン大帝の皇后に登りつめたヒュッレムです。

ヒュッレムが皇后となる前までは、皇帝が暮らすトプカプ宮殿にはハレムがありませんでした。
それまでは、ここから数キロ離れたグランドバザールの近くにあった旧宮殿がハレムとして使われており、言うなれば、女性たちと、スルタンの生活の場が切り離されていたわけです。

しかし、ヒュッレムが皇后になった後、トプカプ宮殿内にハレムが移されました。

夫のスレイマン大帝をヒュッレムが説得したとも言われています。

現代的な感覚で言えば夫婦が一緒に住むのは当たり前のことですが、当時のオスマン帝国においてはスルタンは特別な存在。
しもべであるはずの女性と結婚し、さらには共に暮らすなどということは、異例中の異例でした。

また、彼女は国政にも介入し、後継者争いを巡る策謀や政敵の暗殺など、血なまぐさいことに多く関わっていたとも言われています。

そうした背景を踏まえたうえでハレムを訪れると、観光の楽しみの幅が広がります。


スルタンの私室

トプカプ宮殿のスルタンの私室

ハレムの脇には、スルタンの私室があります。

ハレムは装飾が意外と地味ですが、こちらは派手。
金色や赤色などの強めの色がふんだんに使われています。

トプカプ宮殿のスルタンの私室
トプカプ宮殿のスルタンの私室

謁見の間

トプカプ宮殿の謁見の間

こちらは、謁見の間です。
この建物ができた当初は、この場所でスルタンに謁見できたそうです。

トプカプ宮殿でのスルタンへの謁見
右の画像は、謁見の様子を描いたものです。

さすがはオスマン帝国の最高権力者。
整然と並ぶ家臣たちの姿が印象的です。


図書館

トプカプ宮殿の図書館

こちらは宮殿内にある図書館です。

窓から差し込む日の光がとても心地よく、リラックスした気分にさせてくれます。

ちなみに、上の写真に写っている威厳ある中年男性は蝋人形。
自然光を背に浴びながら、百科事典のような分厚い本を読んでいます。

トプカプ宮殿の図書館
トプカプ宮殿の図書館

宝物館(ダイヤモンド&エメラルド)

トプカプ宮殿は、数々の財宝を納めた宝物館も有名です。

特に知られているのは、世界屈指の大きさと言われる「スプーンのダイヤモンド」と、大きなエメラルドをあしらった「エメラルドの短剣」です。

ただ、私が訪れたときは残念ながら改装中のため見学できなかったので、ここでは、twitterに投稿されている画像をご紹介します。

スプーンのダイヤモンド

「スプーンのダイヤモンド」という変わった名前には、ある一つの謂われがあります。

むかし、ある漁師がキラキラ光る巨大な石を偶然拾い、それを宝石商に持ち込みました。
でも、その宝石商が悪い奴で、この石はガラスだと嘘をついたのだとか。
漁師はその話を信じてしまい、この貴重なダイヤモンドを、たった3本のスプーンと交換してしまったそうです。

86カラットの巨大ダイヤモンドと3本のスプーン。
もったいない話しです。


トプカプの短剣

トプカプの短剣は、3つの大きなエメラルドで装飾された豪華な短剣です。
サヤの部分は金色に輝いていて、また、複数のダイヤモンドも埋め込まれているそうですよ。


以上、イスタンブールの観光名所、「トプカプ宮殿」の見どころについてお伝えしました。

イスタンブールの宮殿と言えばトプカプ宮殿とドルマバブチェ宮殿が有名ですが、この2つを比較すると、ドルマバブチェ宮殿の方が内装が豪華で、また、見どころもコンパクトにまとまっています。

ただ、トプカプ宮殿の魅力は、そのスケール感にあります。
当時のオスマントルコの権威を象徴するかのような広大な敷地に建っていて、敷地内からは、イスタンブール周辺の海を一望できます。

しかも、立地は、イスタンブール旧市街のど真ん中。
ドルマバフチェ宮殿はイスタンブール新市街に建っているため、立地の面から言えば、権威性はトプカプ宮殿の方が勝っています。

それぞれの宮殿に異なる魅力があるので、2つとも観光するのがおすすめです。
時間に余裕がない場合は、午前中にドルマバフチェ宮殿を観光して、午後からトプカプ宮殿を観光することもできますよ。


ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコの観光スポットやトルコ料理について、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。

コメント

この記事についてのご感想などをお寄せください。
サイト運営の参考にさせていただきます。
頂いたコメントには、2〜3日以内にメールアドレス宛に回答いたします。(詳細
メールアドレスの入力ミスにご注意ください。
なお、頂いたコメント及びその後のメール等でのやり取りは、この欄でご紹介させていただく場合がございます。