シシカバブの本格レシピ!トルコの人気肉料理、ケバブの作り方と食べ方。

シシカバブ(シシケバブ)


シシカバブ(シシケバブ:shish kebab)の本格レシピをご紹介します。

シシカバブとは、西はトルコ、東はインドまで、中東を中心とした広域で食べられている肉の串焼きのこと。
シシカバブの「シシ」は串を、「カバブ(ケバブ)」は焼き肉を意味しています。

肉の種類は、羊・牛・鶏といろいろありますが、羊肉(ラム肉)が最もよく使われます。

シシカバブは焼き肉の超人気メニュー
シシカバブ(シシケバブ)

シシカバブは、トルコでは、家庭で日常的に食べると言うよりも、レストランで食べたり、もしくはピクニックに行ったときにバーベキューにして食べることが多いです。

また、数ある焼き肉のバリエーションの中でも、串焼きのシシカバブが一番人気なのだそうです。

ヨーグルト&玉ねぎで食感を柔らかく

さて、これからご紹介するレシピは、羊肉を使っても勿論美味しいですし、羊肉が入手しづらければ、代わりに牛肉を使ってもOKです。

シシカバブ(シシケバブ)の作り方
作り方はとても簡単。

ヨーグルトとおろし玉ねぎに加え、クミンやチリなどのスパイスで作ったマリネ液に漬け込み、グリルで焼くだけで完成です。

ヨーグルトと玉ねぎを使うと、お肉が柔らかくなります。

レシピは2人分になっていますが、分量を増やせば、バーベキューにも対応できます。

本場トルコのケバブも紹介
シシカバブ(シシケバブ)に使うスパイス
また、記事の後半では、本場トルコや日本の人気店のシシカバブの写真をもとに、シシカバブに使われるスパイスやソース、シシカバブの食べ方などについても詳しくお伝えします。


シシカバブのレシピ

シシカバブの画像

「シシカバブ」のレシピです。

全工程は、後ほど写真をもとに説明します。

材料【4串2人分:調理時間15分/1晩漬ける】
ラムかたまり肉(もしくは牛肉) 300g
マリネ液
プレーンヨーグルト 大さじ2
すりおろし玉ねぎ 1/8個(25g)
おろしにんにく 1かけ
トマトケチャップ 大さじ1
小さじ1/2
クミンパウダー 小さじ1/4
チリペッパー 少々
こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ1/2
作り方
  1. ラム肉(もしくは牛肉)を一口大に切り、保存袋に入れる。マリネ液の材料を加え、冷蔵庫に入れ、一晩漬け込む。
  2. 魚焼きグリルで両面を10〜12分ほどこんがりと焼いたらできあがり。

写真をもとにレシピを説明します。

シシカバブの作り方

【工程1】
まず、ラム肉もしくは牛肉(300g)を一口大に切ります。

そして、玉ねぎ(1/8個:25g)とにんにく(1かけ)をすりおろします。



シシカバブの肉を漬け込む

次に、肉とマリネ液の材料を保存袋に入れ、中の空気を抜いて、冷蔵庫に一晩入れます。

マリネ液の材料は、プレーンヨーグルト(大さじ2)・すりおろし玉ねぎ(1/8個:25g分)・おろしにんにく(1かけ分)・トマトケチャップ(大さじ1)・塩(小さじ1/2)・クミンパウダー(小さじ1/4)・チリペッパー(少々)・こしょう(少々)オリーブオイル(大さじ1/2)です。

【調理のポイント】
ヨーグルトと玉ねぎで漬け込むと、肉が柔らかい食感に仕上がります。

シシカバブの肉を串に刺す

【工程2】
一晩経ったら、袋から肉を取り出し、串に刺します。

マリネ液は、そのまま肉に適度に付いている状態でいいです。


シシカバブの肉を焼く

串に刺したら、魚焼きグリルで焼きます。

焼き時間は、両面で10〜12分ほど。
片面焼きグリルの場合は、途中でひっくり返してください。

焼き時間は、肉の大きさにもよりますので、様子を見て調整してください。
火が通っているか分からなかったら、実際に肉を少し切って見るといいです。



シシカバブ

こちらは出来上がったケバブの写真。
ほんのりスパイシーで旨味たっぷりの食べ応えのあるケバブです。

ヨーグルトと玉ねぎに漬け込むと、肉の臭みがなく、柔らかい食感になるので食べやすいですよ。

このレシピだったら、家庭でも気軽にトルコ料理が作れます。
カロリーはそこそこありますが、糖質は低めなので、糖質制限ダイエットをしている方にもおすすめです。

大人数のバーベキューにしたい場合は、お好みの分量に増やして、作ってみてください。
たとえば、4人分を作りたい場合は、レシピ(2人分)の材料すべてを2倍の分量にします。

シシカバブに使う肉・スパイス・ソース

次に、シシカバブに使われる肉とスパイス、そしてソースについて解説します。

シシカバブは何の肉か

羊肉が一番好まれる

シシカバブは、トルコでは、焼き肉の最も代表的な調理法です。

使用する肉は、羊肉が最も好まれますが、牛肉や鶏肉のシシカバブもあります。
トルコの羊肉は、クセがなくとても美味しいです。

ちなみに、トルコの食通は、地方による羊肉の味の違いにもこだわるそうです。


トルコのスパイス

また、シシカバブには、お好みでいろいろなスパイスが使われます。

写真は、トルコのイスタンブールにある「エジプシャン・バザール」の様子。
ここは、スパイス・バザールとも言われており、シシカバブに使われる香辛料も山盛りにされて並んでいます。

シシカバブに人気のスパイス

シシカバブのスパイスとして人気があるのは、唐辛子・クミン・ケキッキ(タイム)・シナモン・ナツメグ・パプリカなどです。

唐辛子は、トルコでは「プルビベル(Pul biber)」という発酵唐辛子が使われます。
プルビベルは、トルコ料理で最もよく使われるスパイス。
日本では、韓国産の赤唐辛子で代用するといいです。

ただ、本場トルコのシシカバブは、東南アジアやインドなどのお料理ほど、香辛料をたっぷり使うわけではありません。
スパイスは、ほんのり香る程度です。
肉はクセがなく味がしっかりしているので、旨味が引き立つ程度にスパイスを使うのが一般的。
日本人でも食べやすい味付けです。

ちなみに、ごく普通のトルコの家庭で常備されているスパイスの種類は、せいぜい3〜4種類くらいのようです。



スパイス以外でシシケバブの味付けによく使われる食材は、ヨーグルト・おろし玉ねぎ・にんにく・トマトペーストなどです。

トルコのヨーグルト
トルコのヨーグルトは、隣国のギリシャのヨーグルトと同じく、あらかじめ水切りされているものが多く、味は濃厚。

おろした玉ねぎと共に肉を漬け込むと、シシカバブが柔らかい食感に仕上がります。

トルコのサルチャ(トマトペースト)
また、トルコでは「サルチャ(salcasi)」(写真)というトマトペースもよく使われます。

「サルチャ」は、日本で言う味噌のような国民的調味料。
煮込み料理を中心とした幅広いメニューの風味付けに使われます。

シシカバブにソースは付かない

トルコのシシカバブの付け合わせは、ピラウ(パスタ入りのバターライス)やトマトや玉ねぎなどの野菜、そしてフライドポテトなどがポピュラーです。

シシカバブの食べ方
付け合わせは盛りだくさんですが、肉自体にソースを付けて食べることはあまりないようです。

こんがりと焼けたお肉に、何も付けずにかぶりつく。
これが、本場のシシカバブの食べ方です。

ただ、例外もあり、たとえば同じケバブの仲間の「イスケンデル・ケバブ」は、焼いた肉にパンをのせ、トマトソースとヨーグルトソースをたっぷりかけていただきます。
イスケンデル・ケバブを家庭で作るのはちょっと手間がかかりますけど、トルコ料理屋に行ったときなどに試してみてください。

最後に、本場トルコのシシカバブと、日本のトルコ料理店のシシカバブを写真でご紹介します。

本場トルコのシシカバブ


こちらは、トルコで食べたシシケバブ。

本場では、鉄串を使って焼いた場合は、串を外して皿に盛られて出てきます。

また、ケバブというと、肉がどっさりと出てくるイメージがあるかもしれませんが、トルコでは、たっぷりの野菜やピラウ(ピラフ)と一緒に供されるのが普通です。

炭火焼きにしたシシケバブ
トルコのレストランでは、シシケバブを炭火焼きにして作るところが多いです。
肉の旨みがギュッと詰まっていて、とっても美味。

付け合わせのトマトやピーマンも、お肉と一緒に直火で調理していて、これもまた美味しいです。

「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のシシケバブ
@トルコ イスタンブール


トルコのシシケバブ

こちらも、本場のシシケバブ。

ケバブの大きさは、日本のごく普通の焼き鳥くらい。
お肉がこんなに小さいこともあります。

日本人からすると、トルコ人は肉ばかり食べているイメージがあるかもしれませんが、実は野菜をたっぷり食べます。
もしかしたら日本人の方が肉を食べているのでは?と私は思います。
トルコの野菜は、味が濃くてとても美味しいです。

このシシケバブは、唐辛子の辛さとトマトの風味がほんのりと感じられます。
トルコのトマトペースト「サルチャ」を味付けに使っているようです。

「venus hotel」のシシケバブ
@トルコ パムッカレ



トルコ料理店のシシケバブ

こちらは、日本の人気トルコ料理店のシシケバブ。

羊肉はクセがなく、食感はややしっかりしています。
お肉をガッツリ食べている満足感があります。

「ジェイハン」のシシケバブ
@神奈川県 横浜


アダナケバブ

こちらは、ケバブの仲間「アダナ・ケバブ(Adana Kebabi)」です。

シシケバブとの違いは、塊肉ではなく、叩いた肉を使っているところ。
日本で作る場合は、ひき肉で代用しても良いと思いますが、塊肉を叩いて使うと、しっかりとした肉の弾力が出て美味しいです。

塩気がしっかり効いていて、旨味がたっぷり。
こちらも、シシケバブと同じくらい食べ応えがあります。

ちなみに、アダナ・ケバブは「アダナ(Adana)」という街の名物料理。
アダナは中東のシリアに近いこともあり、地元では、香辛料を少し多めに使います。

「Three Partners Cafe & Restautant」のアダナケバブ
@トルコ イスタンブール


アダナケバブ

こちらは、日本のトルコ料理店のアダナケバブ。

このアダナケバブは、牛ひき肉を使っているように感じました。
肉だねは、玉ねぎ・パセリ・クミン・唐辛子の味がします。

本場のように、食感がしっかりしていて美味しいです。

「ヒサル」のアダナケバブ
@東京 大久保



レバノンのケバブ

こちらは、レバノン人が作ったケバブ。

「レバノンでポピュラーなケバブ」とオーダーしたら、トルコのアダナ・ケバブのような、叩いた羊肉を使ったケバブが出てきました。

肉だねには、唐辛子・クミン・パセリ・トマトペーストを混ぜていると思われます。

味付けは、トルコの観光地で食べるケバブよりもちょっぴりスパイシー。
こちらも食べ応えがあります。

付け合わせには、紫玉ねぎとパセリの粗みじん切りや、唐辛子のピクルスが添えられていています。

「Mezzanine Lebanese Cuisine」のケバブ
@ギリシャ ロドス島


以上、シシケバブの作り方についてお伝えしました。

ケバブと聞くと手がかかりそうなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とシンプルです。
日本で手に入る食材で簡単に調理できますよ。

ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコ料理やトルコの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてぜひご覧ください。

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