シシカバブ(シシケバブ:shish kebab)の本格レシピをご紹介します。
シシカバブとは、西はトルコ、東はインドまで、中東を中心とした広域で食べられている肉の串焼きのこと。
シシカバブの「シシ」は串を、「カバブ(ケバブ)」は焼き肉を意味しています。
肉の種類は、羊・牛・鶏といろいろありますが、羊肉(ラム肉)が最もよく使われます。
シシカバブは、トルコでは、家庭で日常的に食べると言うよりも、レストランで食べたり、もしくはピクニックに行ったときにバーベキューにして食べることが多いです。
また、数ある焼き肉のバリエーションの中でも、串焼きのシシカバブが一番人気なのだそうです。
さて、これからご紹介するレシピは、羊肉を使っても勿論美味しいですし、羊肉が入手しづらければ、代わりに牛肉を使ってもOKです。
ヨーグルトとおろし玉ねぎに加え、クミンやチリなどのスパイスで作ったマリネ液に漬け込み、グリルで焼くだけで完成です。
ヨーグルトと玉ねぎを使うと、お肉が柔らかくなります。
レシピは2人分になっていますが、分量を増やせば、バーベキューにも対応できます。
シシカバブのレシピ
「シシカバブ」のレシピです。
全工程は、後ほど写真をもとに説明します。
ラムかたまり肉(もしくは牛肉) | 300g |
プレーンヨーグルト | 大さじ2 |
すりおろし玉ねぎ | 1/8個(25g) |
おろしにんにく | 1かけ |
トマトケチャップ | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/2 |
クミンパウダー | 小さじ1/4 |
チリペッパー | 少々 |
こしょう | 少々 |
オリーブオイル | 大さじ1/2 |
- ラム肉(もしくは牛肉)を一口大に切り、保存袋に入れる。マリネ液の材料を加え、冷蔵庫に入れ、一晩漬け込む。
- 魚焼きグリルで両面を10〜12分ほどこんがりと焼いたらできあがり。
写真をもとにレシピを説明します。
【工程1】
まず、ラム肉もしくは牛肉(300g)を一口大に切ります。
そして、玉ねぎ(1/8個:25g)とにんにく(1かけ)をすりおろします。
次に、肉とマリネ液の材料を保存袋に入れ、中の空気を抜いて、冷蔵庫に一晩入れます。
マリネ液の材料は、プレーンヨーグルト(大さじ2)・すりおろし玉ねぎ(1/8個:25g分)・おろしにんにく(1かけ分)・トマトケチャップ(大さじ1)・塩(小さじ1/2)・クミンパウダー(小さじ1/4)・チリペッパー(少々)・こしょう(少々)オリーブオイル(大さじ1/2)です。
ヨーグルトと玉ねぎで漬け込むと、肉が柔らかい食感に仕上がります。
【工程2】
一晩経ったら、袋から肉を取り出し、串に刺します。
マリネ液は、そのまま肉に適度に付いている状態でいいです。
串に刺したら、魚焼きグリルで焼きます。
焼き時間は、両面で10〜12分ほど。
片面焼きグリルの場合は、途中でひっくり返してください。
焼き時間は、肉の大きさにもよりますので、様子を見て調整してください。
火が通っているか分からなかったら、実際に肉を少し切って見るといいです。
こちらは出来上がったケバブの写真。
ほんのりスパイシーで旨味たっぷりの食べ応えのあるケバブです。
ヨーグルトと玉ねぎに漬け込むと、肉の臭みがなく、柔らかい食感になるので食べやすいですよ。
このレシピだったら、家庭でも気軽にトルコ料理が作れます。
カロリーはそこそこありますが、糖質は低めなので、糖質制限ダイエットをしている方にもおすすめです。
大人数のバーベキューにしたい場合は、お好みの分量に増やして、作ってみてください。
たとえば、4人分を作りたい場合は、レシピ(2人分)の材料すべてを2倍の分量にします。
シシカバブに使う肉・スパイス・ソース
次に、シシカバブに使われる肉とスパイス、そしてソースについて解説します。
シシカバブは、トルコでは、焼き肉の最も代表的な調理法です。
使用する肉は、羊肉が最も好まれますが、牛肉や鶏肉のシシカバブもあります。
トルコの羊肉は、クセがなくとても美味しいです。
ちなみに、トルコの食通は、地方による羊肉の味の違いにもこだわるそうです。
また、シシカバブには、お好みでいろいろなスパイスが使われます。
写真は、トルコのイスタンブールにある「エジプシャン・バザール」の様子。
ここは、スパイス・バザールとも言われており、シシカバブに使われる香辛料も山盛りにされて並んでいます。
シシカバブのスパイスとして人気があるのは、唐辛子・クミン・ケキッキ(タイム)・シナモン・ナツメグ・パプリカなどです。
唐辛子は、トルコでは「プルビベル(Pul biber)」という発酵唐辛子が使われます。
プルビベルは、トルコ料理で最もよく使われるスパイス。
日本では、韓国産の赤唐辛子で代用するといいです。
ただ、本場トルコのシシカバブは、東南アジアやインドなどのお料理ほど、香辛料をたっぷり使うわけではありません。
スパイスは、ほんのり香る程度です。
肉はクセがなく味がしっかりしているので、旨味が引き立つ程度にスパイスを使うのが一般的。
日本人でも食べやすい味付けです。
ちなみに、ごく普通のトルコの家庭で常備されているスパイスの種類は、せいぜい3〜4種類くらいのようです。
スパイス以外でシシケバブの味付けによく使われる食材は、ヨーグルト・おろし玉ねぎ・にんにく・トマトペーストなどです。
おろした玉ねぎと共に肉を漬け込むと、シシカバブが柔らかい食感に仕上がります。
「サルチャ」は、日本で言う味噌のような国民的調味料。
煮込み料理を中心とした幅広いメニューの風味付けに使われます。
トルコのシシカバブの付け合わせは、ピラウ(パスタ入りのバターライス)やトマトや玉ねぎなどの野菜、そしてフライドポテトなどがポピュラーです。
こんがりと焼けたお肉に、何も付けずにかぶりつく。
これが、本場のシシカバブの食べ方です。
ただ、例外もあり、たとえば同じケバブの仲間の「イスケンデル・ケバブ」は、焼いた肉にパンをのせ、トマトソースとヨーグルトソースをたっぷりかけていただきます。
イスケンデル・ケバブを家庭で作るのはちょっと手間がかかりますけど、トルコ料理屋に行ったときなどに試してみてください。
最後に、本場トルコのシシカバブと、日本のトルコ料理店のシシカバブを写真でご紹介します。
本場トルコのシシカバブ
こちらは、トルコで食べたシシケバブ。
本場では、鉄串を使って焼いた場合は、串を外して皿に盛られて出てきます。
また、ケバブというと、肉がどっさりと出てくるイメージがあるかもしれませんが、トルコでは、たっぷりの野菜やピラウ(ピラフ)と一緒に供されるのが普通です。
肉の旨みがギュッと詰まっていて、とっても美味。
付け合わせのトマトやピーマンも、お肉と一緒に直火で調理していて、これもまた美味しいです。
「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のシシケバブ
@トルコ イスタンブール
こちらも、本場のシシケバブ。
ケバブの大きさは、日本のごく普通の焼き鳥くらい。
お肉がこんなに小さいこともあります。
日本人からすると、トルコ人は肉ばかり食べているイメージがあるかもしれませんが、実は野菜をたっぷり食べます。
もしかしたら日本人の方が肉を食べているのでは?と私は思います。
トルコの野菜は、味が濃くてとても美味しいです。
このシシケバブは、唐辛子の辛さとトマトの風味がほんのりと感じられます。
トルコのトマトペースト「サルチャ」を味付けに使っているようです。
「venus hotel」のシシケバブ
@トルコ パムッカレ
こちらは、日本の人気トルコ料理店のシシケバブ。
羊肉はクセがなく、食感はややしっかりしています。
お肉をガッツリ食べている満足感があります。
「ジェイハン」のシシケバブ
@神奈川県 横浜
こちらは、ケバブの仲間「アダナ・ケバブ(Adana Kebabi)」です。
シシケバブとの違いは、塊肉ではなく、叩いた肉を使っているところ。
日本で作る場合は、ひき肉で代用しても良いと思いますが、塊肉を叩いて使うと、しっかりとした肉の弾力が出て美味しいです。
塩気がしっかり効いていて、旨味がたっぷり。
こちらも、シシケバブと同じくらい食べ応えがあります。
ちなみに、アダナ・ケバブは「アダナ(Adana)」という街の名物料理。
アダナは中東のシリアに近いこともあり、地元では、香辛料を少し多めに使います。
「Three Partners Cafe & Restautant」のアダナケバブ
@トルコ イスタンブール
こちらは、日本のトルコ料理店のアダナケバブ。
このアダナケバブは、牛ひき肉を使っているように感じました。
肉だねは、玉ねぎ・パセリ・クミン・唐辛子の味がします。
本場のように、食感がしっかりしていて美味しいです。
「ヒサル」のアダナケバブ
@東京 大久保
こちらは、レバノン人が作ったケバブ。
「レバノンでポピュラーなケバブ」とオーダーしたら、トルコのアダナ・ケバブのような、叩いた羊肉を使ったケバブが出てきました。
肉だねには、唐辛子・クミン・パセリ・トマトペーストを混ぜていると思われます。
味付けは、トルコの観光地で食べるケバブよりもちょっぴりスパイシー。
こちらも食べ応えがあります。
付け合わせには、紫玉ねぎとパセリの粗みじん切りや、唐辛子のピクルスが添えられていています。
「Mezzanine Lebanese Cuisine」のケバブ
@ギリシャ ロドス島
以上、シシケバブの作り方についてお伝えしました。
ケバブと聞くと手がかかりそうなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とシンプルです。
日本で手に入る食材で簡単に調理できますよ。
ところで当サイトでは、現地トルコでの経験をもとに、トルコ料理やトルコの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてぜひご覧ください。
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