
ギリシャヨーグルト(グリークヨーグルト)の作り方と、それを使った料理のおすすめレシピを、本場ギリシャの情報を交えて詳しくご紹介します。
また合わせて、日本で販売されているギリシャヨーグルトのメーカーごとの味の違いもお伝えします。
ギリシャヨーグルトとは、ギリシャで伝統的に食べられているヨーグルトのこと。
ヨーグルトを水切りして(水分を取り除いて)作るので、クリーミーで濃厚な味わいが特徴です。
ハチミツなどの甘みをプラスして食べてもいいですし、そのままサラダなどの料理に使っても美味しいです。

なお、この記事は、エーゲ海に浮かぶギリシャ有数の観光地、ミコノス島からお届けします。
日本のギリシャヨーグルトの食べ比べ

まず最初に、日本で販売されているギリシャヨーグルトの味の違いを解説します。
今回比較したのは、下の表の7種類のギリシャヨーグルトです。
番号 | 商品名 | 画像 |
---|---|---|
① | コストコのギリシャヨーグルト 大容量1kg 日本ギリシャヨーグルト(株) |
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② | 至福のギリシャ 日本酪農共同(株) |
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③ | ギリシャヨーグルト 400g 日本ギリシャヨーグルト(株) |
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④ | パルテノ 森永乳業 |
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⑤ | THE GREEK YOGURT 明治 |
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⑥ | ギリシャヨーグルト イオン トップバリュ |
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⑦ | オイコス ギリシャヨーグルト ダノン |
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7種類のうち6種類が砂糖なしのプレーンタイプです。
7番目のオイコスに限っては、プレーンタイプが現在販売されていないので、加糖タイプを試食しました。

オイコスは加糖なのでとりあえず置いておいて、残り6種類を比較すると、食感がしっかりめのタイプと、食感が柔らかめのタイプに分けられます。
上の2品は、どちらも食感がしっかりめ。
本場ギリシャで食べるヨーグルトに食感が似ているので、本格的なギリシャヨーグルトを味わいたいなら、この2つの中から選ぶのがおすすめです。
両者の違いは、酸味の強さ。
③の「ギリシャヨーグルト 400g」の方が、ほどよい酸味があって美味しいですし、値段が手頃でコスパもいいです。
入手も比較的しやすく、アマゾンなどのネット通販をはじめ、一部スーパーや成城石井でも販売されています。
①の「コストコのギリシャヨーグルト(アテナ)」は、業務スーパーなどでも販売されています。
上の4品は、食感が比較的やわらかめです。
最もサラッとしているのが、⑥の「ギリシャヨーグルト(イオン)」。
やや、お豆腐に近い食感です。
また、この⑥のギリシャヨーグルトは、結構、酸味が強いです。
今回比較したギリシャヨーグルトの中で頭一つ飛び抜けています。
一方で、最もトロトロでクリーミーなのが、②の「至福のギリシャ」です。
舌にまとわりつくような、重厚なトロトロ感を味わえます。
そのうえ、味が濃く、旨味もしっかりしているので、この4品のなかでは、②の「至福のギリシャ」が最もおすすめです。
また、④の「パルテノ」と⑤の「THE GREEK YOGURT(明治)」はクセがなく食べやすいので、ギリシャヨーグルトを初めて食べる方は、この2つのどちらかをまずは試してみるのも良いと思います。
ちなみに、⑦のオイコスも、食感が柔らかめです。
加糖タイプなので、料理の具材としては使いにくいものの、デザート代わりに食べる分には十分ありだと思います。
こちらもクセがなく食べやすいですよ。
ギリシャヨーグルトの栄養と健康効果

続いて、ギリシャヨーグルトの栄養と健康効果についてお伝えします。
ヨーグルト全般に含まれるビフィズス菌や乳酸菌には、腸内細菌を活性化させる効果があると言われています。
そのうえ、ヨーグルトは低カロリーで低糖質なので、糖質制限ダイエットにもぴったりの食材です。
そして、ヨーグルトのこうした特徴は、ギリシャヨーグルトにも勿論当てはまります。
では、ごく普通のヨーグルトとどう違うのか。
ギリシャヨーグルト独自のメリットとしては、次の2点が挙げられます。
- タンパク質が多い
- 腹持ちが良い
栄養面で言うと、ギリシャヨーグルトにはタンパク質が豊富に含まれています。
下の表は、「明治ブルガリアヨーグルトプレーン」と「コストコ ギリシャヨーグルト」のタンパク質含有量を比較した表です。
タンパク質 | |
---|---|
明治ブルガリアヨーグルト | 3.4g |
コストコギリシャヨーグルト | 7.6g |
ご覧のとおり、2倍以上の差があります。
タンパク質を積極的に摂りたいのなら、ギリシャヨーグルトの方がおすすめです。
また、ギリシャヨーグルトには、腹持ちが良いというメリットもあります。
成分がぎゅっと凝縮されていてお腹が満たされやすいため、他の料理の食べ過ぎ防止にも役立ちます。
一方で、ギリシャヨーグルトには、カロリーと脂肪分がごく普通のヨーグルトよりも少し多いという特徴もあります。
ヨーグルト自体のカロリーと脂肪分が低めなので、気にしないのもアリだとは思います。
でも、もし気になるようであれば、明治の「THE GREEK YOGURT」やイオンの「ギリシャヨーグルト」のような脂肪ゼロをうたっている商品を試すのもいいですよ。
ギリシャヨーグルトの作り方
レシピ動画
次に、ギリシャヨーグルトの作り方をご紹介します。
ギリシャヨーグルトは、自宅で簡単に手作りすることができます。
材料
プレーンヨーグルト | 1パック(適量) |
作り方
- ボールの上にザルをのせ、その上にキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトをのせる。
- 1にラップをかけ、冷蔵庫に入れる。
ヨーグルトが好みの固さになるまで30分〜1晩ほど置いたらできあがり。
冷蔵庫で置く時間はお好みです。
30分ほど置くだけでも、普通のヨーグルトとは違ったなめらかな食感が楽しめます。
ゆっくり1晩ほど置くと、本場ギリシャで食べられているヨーグルトに近い、固めの食感と濃厚な味に仕上がります。
ギリシャでは、今だに麻の布で水切りしている昔ながらの工場もあるそうです。
ちなみに、ヨーグルトを水切りしたあとに残る透明の液体は、ホエイと言って、ヨーグルトの旨味や栄養が溶け出しています。
そのまま飲むこともできますし、スープなどの料理に使うと美味しいので、捨ててしまうのはモッタイナイですよ。

ちょっと変わったギリシャヨーグルトの作り方

次に、ちょっと変わったギリシャヨーグルトの作り方をご紹介します。
ヨーグルトにドライフルーツを混ぜて水分を吸わせる方法です。
ヨーグルトが濃厚でクリーミーになるうえに、ドライフルーツの甘みがヨーグルトに移り、美味しくなります。
使用するドライフルーツはお好みですが、マンゴーが一番おすすめです。
材料
プレーンヨーグルト | 1パック(400g) |
ドライフルーツ※ | 90g |
※ドライフルーツはマンゴーがおすすめ。パイナップルやイチゴなど、他のドライフルーツでもOK。
作り方
- ドライフルーツを一口大に切り、ヨーグルトに混ぜる。
- ラップをして、冷蔵庫で一晩冷やしたらできあがり。
漬け込んだドライフルーツは、ヨーグルトの水分を吸って、より味わい深くなり、ぷるっぷるの食感に変わりますよ。
ギリシャヨーグルトの冷凍保存

ギリシャヨーグルトは、ごく普通のヨーグルトと同じく、冷蔵したうえで、なるべく早め(2〜3日中)に食べ切ってください。
たっぷり残って食べ切れない場合は、塩を少量加えると、少し日持ちしやすくなります。
また、保存袋に入れ、冷凍するのもおすすめです。(上の写真)
冷凍した場合の日持ちは1ヶ月ほど。
ただし、冷凍する際には、ギリシャヨーグルト(100g)につき、砂糖(小さじ2)を混ぜてください。
砂糖の代わりに、少し多めのジャムを混ぜてもいいです。
砂糖などを混ぜて冷凍すると、解凍した時に水分が分離しにくくなります。
詳しくは「ヨーグルトの冷凍保存」をご覧ください。
ちなみに、解凍せずに凍ったままアイスとして食べるのなら、砂糖を加えなくてもOKです。
甘みを少し補うと、美味しいフローズンヨーグルトができますよ。
続いて、ギリシャヨーグルトを使った料理のレシピをご紹介します。
ギリシャヨーグルトのアレンジレシピ5品
ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)を使った料理のおすすめレシピです。

ザジキ
1品めは、本場ギリシャのヨーグルトを使ったおかず「ザジキ」です。
作り方はとても簡単。
きゅうりをすりおろし、ギリシャヨーグルト・おろしにんにく・オリーブオイル・塩などを混ぜ、ディルを散らしたら完成です。
さっぱりとした味のディップソースで、肉料理や魚のフライ、またパンなどによく合います。
また、ザジキは、ギリシャの「ウゾ」というお酒の定番おつまみとしても親しまれています。

焼きヨーグルト
2品めは、2014〜2015年に流行った「焼きヨーグルト」。
ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)をトースターで10分ほど焼くと、ヨーグルトの酸味が和らぎ、モッツアレラチーズやカッテージチーズやクリームチーズといったフレッシュチーズのような味と食感に変わります。
上の写真は、焼きヨーグルトを使ったカプレーゼです。

夏野菜の冷製スープ
ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)を使って、冷製スープを作るのもいいですよ。
リンク先では、トマトやきゅうりを使ったコンソメ風味のスープのレシピを紹介しています。

マンゴーヨーグルトパフェ
ギリシャヨーグルトを使った料理といえば、スイーツがやはり王道かもしれません。
リンク先では、先に紹介したギリシャヨーグルトの作り方(ヨーグルトにドライマンゴーを漬け込む方法)と、それを使った超簡単で安上がりなパフェのレシピを紹介しています。
コーンフレークを添えて練乳をかけるだけで、豪華なパフェが完成します。

フローズンヨーグルト
すでにお伝えしたように、ギリシャヨーグルは凍らせるだけで、さっぱりとしたフローズンヨーグルトになります。
このフローズンヨーグルトは、生クリームも牛乳も使いません。
ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)に砂糖を混ぜ、冷凍庫に入れるだけで完成します。
続いて、本場ギリシャのヨーグルトの食べ方をご紹介します。
本場ギリシャの伝統的なヨーグルト
最後に、ギリシャヨーグルトの食べ方を、本場ギリシャからレポートします。

こちらは、ギリシャの首都アテネにある人気のヨーグルト専門店。
「フレスコ・ヨーグルトバー(Fresko Yougurt Bar)」です。
このお店では、伝統的なギリシャヨーグルトが手軽に楽しめます。
ヨーグルトの種類は3タイプ。
「10%」「8%」「2%」。
それぞれが脂肪分の割合をあらわしています。

「10%」が最もクリーミー。
食感が一番しっかりめで、ビロードのようななめらかな舌触りと濃厚な味わいが特徴です。
現在ギリシャ人が食べているもっとも一般的なヨーグルトは、脂肪分10%です。
そして、「8%」「2%」の順に、味わいが優しくなり、また水気も多くなります。
ただ、「2%」であっても、日本の一般的なヨーグルトとは比べものにならないほど味が濃厚です。
ちなみに、ギリシャにも、日本のヨーグルトのような水切りしていないタイプがありますが、飲食店で目にすることは少ないです。

好みのヨーグルトに、果物のジャムやナッツやドライフルーツなどをトッピングしていただくのがギリシャ流です。
上の写真は、お店のスタッフのおすすめ4タイプです。
左から、「羊のヨーグルト&ブラックベリーソース」「脂肪分8%ギリシャヨーグルト&イチジクソース」「10%ギリシャヨーグルト&オレンジソース」「2%ギリシャヨーグルト&レモンソース」。
羊のヨーグルトは、味に若干のクセがありますが、濃厚なブラックベリーソースと合わせるととても食べやすくなります。
イチジクは、まるでドレンチェリーのような鮮やかなグリーンをしています。
しっかりとした甘みがあり、ギリシャヨーグルトによく合います。
オレンジソースとレモンソースも安定の美味しさ。
フルーツのソースをトッピングするだけで、チーズケーキのような食べ応えのあるデザートが手軽に楽しめます。
4タイプとも、お店で人気がある組み合わせだそうですよ。

こちらは、アテネのホテルで食べた朝食です。
写真の中央に写っているのがギリシャヨーグルト。
ナッツとドライフルーツをトッピングして、地元産のはちみつをたっぷりかけていただました。
このホテルに限らず、ギリシャヨーグルトは朝食メニューの定番になっています。

また、「タベルナ」と呼ばれるギリシャのカジュアルレストランでも、ギリシャヨーグルトが食後のデザートとして出てくることがあります。
上の写真は、ギリシャのミコノス島の人気タベルナでいただいた、デザートのヨーグルト。
ボリューム満点、しかも無料です。
ギリシャヨーグルトは、ギリシャ人の毎日の食事に欠かせない食べ物。
クリーミーでとても美味しいので、ぜひお試しください。
ところで当サイトでは、現地ギリシャでの経験をもとに、ギリシャ料理やギリシャの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。
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