ギリシャヨーグルト(グリークヨーグルト)の作り方と、それを使ったおすすめの料理レシピを、本場ギリシャの情報を交えて詳しくご紹介します。
ギリシャヨーグルトとは、ギリシャで伝統的に食べられているヨーグルトのことです。
ヨーグルトの水分を取り除いて作るので、クリーミーで濃厚な味わいが特徴です。
ハチミツなどの甘みをプラスして食べてもいいですし、そのままサラダなどの料理に使っても美味しいです。
記事の後半では、ギリシャの伝統的なヨーグルトや、日本のギリシャヨーグルトの味の違いについても解説します。
ギリシャヨーグルトの作り方
ギリシャヨーグルトは、自宅で簡単に手作りすることができます。
作り方は、冒頭の動画も参考にしてください。
材料
プレーンヨーグルト | 1パック(適量) |
作り方
- ボールの上にザルをのせ、その上にキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを広げます。
- ラップをかぶせ、冷蔵庫に入れます。
ヨーグルトが好みの固さになるまで、30分〜ひと晩ほど置きます。 - ヨーグルトをキッチンペーパーで包み、キッチンペーパーの表面を手で軽くおさえるようにして、水気を取り除きます。
- キッチンペーパーをまな板の上に広げ、ヘラを使って軽くこそげ取るようにして、ヨーグルトをボールに移します。
その際には、キッチンペーパーをヨーグルトが乗っているぎりぎりのところで下に折りたたみ、キッチンペーパーの角をまな板の角に合わせると、ヨーグルトを簡単にボールに移すことができます。(動画参照)
冷蔵庫に置く時間はお好みです。
30分ほど置くだけでも、普通のヨーグルトとは違ったなめらかな食感が楽しめます。
ゆっくりひと晩ほど置くと、本場ギリシャで食べられているヨーグルトに近い、固めの食感と濃厚な味に仕上がります。
ギリシャでは、今だに麻の布で水切りしている昔ながらの工場もあるそうです。
ちなみに、ヨーグルトを水切りしたあとに残る透明の液体は、ホエイと言って、ヨーグルトの旨味や栄養が溶け出しています。
そのまま飲むこともできますし、スープなどの料理に使うと美味しいので、捨ててしまうのはモッタイナイです。
ちょっと変わったギリシャヨーグルトの作り方
次に、ちょっと変わったギリシャヨーグルトの作り方をご紹介します。
ヨーグルトにドライフルーツを混ぜて水分を吸わせる方法です。
ヨーグルトが濃厚でクリーミーになるうえに、ドライフルーツの甘みがヨーグルトに移り、美味しくなります。
使用するドライフルーツはお好みですが、マンゴーが一番おすすめです。
材料
プレーンヨーグルト | 1パック(400g) |
ドライフルーツ ※ | 90g |
- ドライフルーツはマンゴーがおすすめ。パイナップルやイチゴなど、他のドライフルーツでも良い。
作り方
- ドライフルーツを一口大に切り、ヨーグルトに混ぜます。
- ラップをかぶせて、冷蔵庫でひと晩冷やしたら完成です。
漬け込んだドライフルーツは、ヨーグルトの水分を吸って、より味わい深くなるうえに、ぷるっぷるの食感に変わります。
ギリシャヨーグルトの冷凍保存
ギリシャヨーグルトは、ごく普通のヨーグルトと同じく、冷蔵したうえで、なるべく早め(2〜3日中)に食べ切ってください。
たっぷり残って食べ切れない場合は、塩を少量加えると、少し日持ちしやすくなります。
また、保存袋に入れ、冷凍するのもおすすめです。(上の写真)
冷凍した場合の日持ちは1ヶ月ほどです。
ただし、冷凍する際には、ギリシャヨーグルト100gにつき、砂糖小さじ2を混ぜてください。
砂糖の代わりに、少し多めのジャムを混ぜても良いです。
砂糖などを混ぜて冷凍すると、解凍した時に水分が分離しにくくなります。
詳しくは「ヨーグルトの冷凍保存」をご覧ください。
ちなみに、解凍せずに凍ったままアイスとして食べるのなら、砂糖を加えなくても構いません。
甘みを少し補うと、美味しいフローズンヨーグルトができます。
ギリシャヨーグルトのアレンジレシピ3品
続いて、ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)を使ったおすすめ料理をご紹介します。
ザジキソース!ギリシャの国民食
1品めは、本場ギリシャのヨーグルトを使ったおかず「ザジキ」です。
作り方はとても簡単です。
きゅうりをすりおろし、ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)・おろしにんにく・オリーブオイル・塩などを混ぜたら完成です。
さっぱりとした味のディップソースで、肉料理や魚のフライ、またパンなどによく合います。
また、ザジキは、ギリシャの「ウゾ」というお酒の定番おつまみとしても親しまれています。
爽やかな味わい!人参ヨーグルトサラダ
こちらは、人参サラダです。
水切りヨーグルト(ギリシャヨーグルト)に少量のにんにくを加えてドレッシングを作り、千切りにした人参と和えたら完成です。
さっぱりとしつつも食べ飽きない味に仕上がります。
シュリカンド
こちらは、インドの伝統的なスイーツです。
水切りヨーグルト(ギリシャヨーグルト)にサフランを加え、風味付けしていただくのが特徴です。
ほんのりと甘いヨーグルトに、ピスタチオとカルダモンパウダーのトッピングがとても良く合います。
ギリシャの伝統的なヨーグルト
ここからは、ギリシャヨーグルトの食べ方を、本場ギリシャからレポートします。
こちらは、ギリシャの首都アテネにある人気のヨーグルト専門店。
「フレスコ・ヨーグルトバー(Fresko Yougurt Bar)」です。
このお店では、伝統的なギリシャヨーグルトが手軽に楽しめます。
ヨーグルトの種類は3タイプ。
「10%」「8%」「2%」。
それぞれが脂肪分の割合をあらわしています。
「10%」が最もクリーミー。
食感が一番しっかりめで、ビロードのようななめらかな舌触りと濃厚な味わいが特徴です。
現在ギリシャ人が食べているもっとも一般的なヨーグルトは、脂肪分10%です。
そして、「8%」「2%」の順に、味わいが優しくなり、また水気も多くなります。
ただ、「2%」であっても、日本の一般的なヨーグルトとは比べものにならないほど味が濃厚です。
ちなみに、ギリシャにも、日本のヨーグルトのような水切りしていないタイプがありますが、飲食店で目にすることは少ないです。
好みのヨーグルトに、果物のジャムやナッツやドライフルーツなどをトッピングしていただくのがギリシャ流です。
上の写真は、お店のスタッフのおすすめ4タイプです。
左から、「羊のヨーグルト&ブラックベリーソース」「脂肪分8%ギリシャヨーグルト&イチジクソース」「10%ギリシャヨーグルト&オレンジソース」「2%ギリシャヨーグルト&レモンソース」。
羊のヨーグルトは、味に若干のクセがありますが、濃厚なブラックベリーソースと合わせるととても食べやすくなります。
イチジクは、まるでドレンチェリーのような鮮やかなグリーンをしています。
しっかりとした甘みがあり、ギリシャヨーグルトによく合います。
オレンジソースとレモンソースも安定の美味しさ。
フルーツのソースをトッピングするだけで、チーズケーキのような食べ応えのあるデザートが手軽に楽しめます。
4タイプとも、お店で人気がある組み合わせだそうですよ。
こちらは、アテネのホテルで食べた朝食です。
写真の中央に写っているのがギリシャヨーグルト。
ナッツとドライフルーツをトッピングして、地元産のはちみつをたっぷりかけていただました。
このホテルに限らず、ギリシャヨーグルトは朝食メニューの定番になっています。
また、「タベルナ」と呼ばれるギリシャのカジュアルレストランでも、ギリシャヨーグルトが食後のデザートとして出てくることがあります。
上の写真は、ギリシャのミコノス島の人気タベルナでいただいた、デザートのヨーグルト。
ボリューム満点、しかも無料です。
日本のギリシャヨーグルトの食べ比べ
続いて、日本で販売されているギリシャヨーグルトの味の違いを解説します。
今回比較したのは、下の表の7種類のギリシャヨーグルトです。
番号 | 商品名 | 画像 |
---|---|---|
① | コストコのギリシャヨーグルト 大容量1kg 日本ギリシャヨーグルト(株) |
|
② | 至福のギリシャ 日本酪農共同(株) |
|
③ | ギリシャヨーグルト 400g 日本ギリシャヨーグルト(株) |
|
④ | パルテノ 森永乳業 |
|
⑤ | THE GREEK YOGURT 明治 |
|
⑥ | ギリシャヨーグルト イオン トップバリュ |
|
⑦ | オイコス ギリシャヨーグルト ダノン |
7種類のうち6種類が砂糖なしのプレーンタイプです。
7番目のオイコスに限っては、プレーンタイプが現在販売されていないので、加糖タイプを試食しました。
オイコスは加糖なのでとりあえず置いておいて、残り6種類を比較すると、食感がしっかりめのタイプと、食感が柔らかめのタイプに分けられます。
上の2品は、どちらも食感がしっかりめ。
本場ギリシャで食べるヨーグルトに食感が似ているので、本格的なギリシャヨーグルトを味わいたいなら、この2つの中から選ぶのがおすすめです。
両者の違いは、酸味の強さ。
③の「ギリシャヨーグルト 400g」の方が、ほどよい酸味があって美味しいですし、値段が手頃でコスパもいいです。
入手も比較的しやすく、アマゾンなどのネット通販をはじめ、一部スーパーや成城石井でも販売されています。
①の「コストコのギリシャヨーグルト(アテナ)」は、業務スーパーなどでも販売されています。
上の4品は、食感が比較的やわらかめです。
最もサラッとしているのが、⑥の「ギリシャヨーグルト(イオン)」。
やや、お豆腐に近い食感です。
また、この⑥のギリシャヨーグルトは、結構、酸味が強いです。
今回比較したギリシャヨーグルトの中で頭一つ飛び抜けています。
一方で、最もトロトロでクリーミーなのが、②の「至福のギリシャ」です。
舌にまとわりつくような、重厚なトロトロ感を味わえます。
そのうえ、味が濃く、旨味もしっかりしているので、この4品のなかでは、②の「至福のギリシャ」が最もおすすめです。
また、④の「パルテノ」と⑤の「THE GREEK YOGURT(明治)」はクセがなく食べやすいので、ギリシャヨーグルトを初めて食べる方は、この2つのどちらかをまずは試してみるのも良いと思います。
ちなみに、⑦のオイコスも、食感が柔らかめです。
加糖タイプなので、料理の具材としては使いにくいものの、デザート代わりに食べる分には十分ありだと思います。
こちらもクセがなく食べやすいです。
ギリシャヨーグルトの栄養と健康効果
最後に、ギリシャヨーグルトの栄養と健康効果についてお伝えします。
ヨーグルト全般に含まれるビフィズス菌や乳酸菌には、腸内細菌を活性化させる効果があると言われています。
そのうえ、ヨーグルトは低カロリーで低糖質なので、糖質制限ダイエットにもぴったりの食材です。
そして、ヨーグルトのこうした特徴は、ギリシャヨーグルトにも勿論当てはまります。
では、ごく普通のヨーグルトとどう違うのか。
ギリシャヨーグルト独自のメリットとしては、次の2点が挙げられます。
- タンパク質が多い
- 腹持ちが良い
栄養面で言うと、ギリシャヨーグルトにはタンパク質が豊富に含まれています。
下の表は、「明治ブルガリアヨーグルトプレーン」と「コストコ ギリシャヨーグルト」のタンパク質含有量を比較した表です。
タンパク質 | |
---|---|
明治ブルガリアヨーグルト | 3.4g |
コストコギリシャヨーグルト | 7.6g |
ご覧のとおり、2倍以上の差があります。
タンパク質を積極的に摂りたいのなら、ギリシャヨーグルトの方がおすすめです。
また、ギリシャヨーグルトには、腹持ちが良いというメリットもあります。
成分がぎゅっと凝縮されていてお腹が満たされやすいため、他の料理の食べ過ぎ防止にも役立ちます。
一方で、ギリシャヨーグルトには、カロリーと脂肪分がごく普通のヨーグルトよりも少し多いという特徴もあります。
ヨーグルト自体のカロリーと脂肪分が低めなので、気にしないのもアリだとは思います。
でも、もし気になるようであれば、明治の「THE GREEK YOGURT」やイオンの「ギリシャヨーグルト」のような脂肪ゼロをうたっている商品を試すのも良いです。
ギリシャヨーグルトは、ギリシャ人の毎日の食事に欠かせない食べ物。
クリーミーでとても美味しいので、ぜひお試しください。
ところで当サイトでは、現地ギリシャでの経験をもとに、ギリシャ料理やギリシャの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてご覧ください。
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