ムサカの本格簡単レシピ!ギリシャの人気料理を現地から徹底解説。

ムサカ

ムサカ(moussaka)の本格簡単レシピを、本場ギリシャからお伝えします。

ムサカとは、ギリシャやトルコやブルガリアなど、東地中海の国々で食べられているお料理の一つ。
日本では、ギリシャのムサカが一番有名です。

日本ではギリシャのムサカが人気
ギリシャのムサカ
ギリシャのムサカは、ホワイトソース(ベシャメルソース)・ミートソース・なすやじゃがいもなどの野菜を、層状に重ねて焼き上げるのが特徴です。

一方、トルコのムサカは、ホワイトソースを使わずに、なす・ピーマン・トマトなどの野菜とミートソースを交互に重ねて焼き上げます。

また、ブルガリアでは、ギリシャ版ムサカのホワイトソースの代わりに、ヨーグルトや卵を使ったカスタードソースが用いられるのが一般的です。

ギリシャ風レシピ
ムサカのレシピ
これからご紹介するのは、ギリシャ風の本格&簡単レシピ。

ミートソースやホワイトソースの仕込み時間が短く、日本の食材だけで比較的ラクに作れます。

本場ギリシャやトルコのムサカも紹介
なお、この記事は、エーゲ海に浮かぶギリシャ屈指の観光地「ロドス島」よりお伝えします。

本場ギリシャやトルコで食べられているムサカの味も、写真とともに詳しく紹介します。

ムサカの作り方

ムサカのレシピ

「ムサカ」のレシピです。

レシピ通りに作ると、だいたい4〜6人分くらいのムサカができます。

全工程は、後ほど写真をもとに説明します。

材料【内寸20cm角容器1台:調理時間90分】
ミートソース
牛ひき肉(赤身) 350g
玉ねぎ 1個(200g)
にんにく 2かけ
オリーブオイル 大さじ1
赤ワイン 50ml
◎パセリ(みじん切り) 大さじ3
◎カットトマト水煮缶 200g
◎トマトペースト 大さじ2
◎トマトケチャップ 大さじ2
◎シナモン 小さじ1/4
◎クローブ・ナツメグ 各小さじ1/8
◎ローリエ 1枚
◎塩 小さじ3/4
◎こしょう 少々
ホワイトソース
無塩バター 60g
小麦粉 60g
牛乳 550ml
小さじ3/4
こしょう・ナツメグ 各少々
なすとじゃがいも
なす 4本(500g)
じゃがいも 3個(450g)
オリーブオイル 適量
適量
粉チーズ 70g

※牛豚合い挽き肉(赤身)で代用可。

作り方
  1. 【ミートソース】玉ねぎとにんにくをみじん切りにする。
    フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎとにんにくを炒める。
    透明になってしんなりしたら、牛ひき肉を加え、パラパラになるまで炒める。
    赤ワインを加えて煮立てる。
    ◎を加え、中火で5分ほどフタをしないで煮詰める。
  2. 【ホワイトソース】フライパンを弱火で熱し、バターを溶かす。小麦粉を加え、粉っぽさが無くなるまで炒める。牛乳を少しずつ加え、なめらかになるまで溶きのばす。弱火で混ぜながらとろみがつくまで軽く煮て、塩・こしょう・ナツメグを混ぜる。
  3. 【なすとじゃがいも】なすのヘタを取り、縦4等分の薄切りにする。じゃがいもの皮をむき、7ミリくらいの輪切りにする。フライパンにオリーブオイル(適量)を熱し、何回かに分けて、なすとじゃがいもを焼き、両面に軽く焼き目を付け、塩(適量)を振る。
  4. オーブン用の耐熱容器にクッキングシートを敷き、じゃがいもの全量を敷き詰める。
    そのうえに、ミートソース・粉チーズ・なすの順に2回重ね、最後にホワイトソースをのせ、粉チーズを振る。
    (重ねる順番:じゃがいもの全量・ミートソースの半量・粉チーズの1/3量・なすの半量・ミートソースの半量・粉チーズの1/3量・なすの半量・ホワイトソースの全量・粉チーズの1/3量)
  5. 4を220度に温めたオーブンで20〜30分焼いたらできあがり。

写真をもとにレシピを説明します。

ミートソースを作る

玉ねぎとにんにくとパセリをみじん切りにする

【工程1】
まず、玉ねぎ(1個:200g)とにんにく(2かけ)をみじん切りにします。

そして、パセリもみじん切りにして、大さじ3用意します。


玉ねぎとにんにくを炒める

次に、フライパンにオリーブオイル(大さじ1)を熱し、玉ねぎとにんにくを炒めます。


牛ひき肉を炒める

玉ねぎが透明になってしんなりしたら、牛ひき肉(赤身:350g)を加え、パラパラになるまで炒めます。


赤ワインを加える

続いて、赤ワイン(50ml)を加え、軽く煮立てます。


ムサカのミートソースの作り方

次に、◎の材料を加えます。

◎の材料は、パセリみじん切り(大さじ3)・カットトマト水煮(200g)・トマトペースト(大さじ2)・トマトケチャップ(大さじ2)・シナモンパウダー(小さじ1/4)・クローブパウダーとナツメグパウダー(各小さじ1/8)・ローリエ(1枚)・塩(小さじ3/4)・こしょう(少々)です。


ムサカのミートソース

そして、中火で5分ほどフタをしないで煮詰めます。

これで、ミートソースができました。
ムサカのミートソースは、ごく普通のミートソースとくらべてやや固めです。

【調理のポイント】
ムサカのミートソースは、少し固めに作ると、層状に重ねた時に型崩れしにくくなります。

ホワイトソースを作る

フライパンにバターを溶かす

【工程2】
次に、フライパンを弱火にかけ、無塩バター(60g)を溶かします。


小麦粉を炒める

バターが完全に溶けたら、小麦粉(60g)を加え、粉っぽさが無くなるまで炒めます。


牛乳を少し加える

小麦粉がバターに馴染んだら、牛乳を少しを加えます。


なめらかになるまで混ぜる

続いて、全体をヘラでよく混ぜ、なめらかになるまで溶きのばします。

牛乳を少し加える
そして、牛乳の量を少しずつ増やしながら、牛乳が無くなるまで、この作業を繰り返します。
牛乳を注ぎ、全体を混ぜてなめらかにする作業です。

ムサカのホワイトソース

牛乳の全量(550ml)を加えたら、弱火で混ぜながらとろみがつくまで軽く煮て、塩(小さじ3/4)・こしょうとナツメグ(各少々)で味を付けます。

これでホワイトソースができました。
ムサカのホワイトソースは、ごく普通のグラタンなどに使うソースと違って少し固めです。

【調理のポイント】
ムサカのホワイトソースは、少し固めに作ると、層状に重ねた時に型崩れしにくくなります。
ムサカのベシャメルソース
完成したホワイトソースは、表面が固まらないように、ボールに移してラップをぴったりかぶせておくといいです。

なすとじゃがいもを焼く

なすとじゃがいもを切る

【工程3】
次に、なす(4本:500g)のヘタを取り、縦4等分の薄切りにします。

そして、じゃがいも(3個:450g)の皮をむき、7ミリ厚くらいの輪切りにします。


なすをオリーブオイルで焼く

続いて、フライパンにオリーブオイル(適量)を熱し、何回かに分けて、なすを焼き、両面に軽く焼き色を付け、塩(適量)を振ります。


じゃがいもをオリーブオイルで焼く

じゃがいもも同様に、軽く焼き目を付け、塩(適量)を振ります。


容器に重ねる

じゃがいもを容器に重ねる

【工程4・5】
次に、オーブン用の耐熱容器にクッキングシートを敷き、じゃがいも(全量)を敷き詰めます。

クッキングシートを敷いておくと、出来上がったムサカが取り出しやすくなります。

ちなみに、写真の耐熱容器は「KINTOスクエアディッシュ(内寸20センチ角)」を使っています。
この容器くらいの大きさがぴったり合います。


じゃがいもの上にミートソースをかける

じゃがいも(全量)を敷いたら、その上に、ミートソース(1/2量)を入れ、ヘラで平らにします。


粉チーズを振る

そして、その上に粉チーズ(1/3量)を振ります。


なすを並べる

次に、なす(1/2量)を並べます。

ミートソースと粉チーズを詰める
続いて、ミートソース(残りの1/2量)・粉チーズ(1/3量)の順に入れます。
なすを並べる
そして、なす(残りの半量)を並べます。

ホワイトソースと粉チーズをかける

最後に、ホワイトソース(全量)を均一にかけ、粉チーズ(残りの1/3量)を振ります。

そして、この状態で、220度に温めたオーブンで20〜30分焼きます。

焼き上がり

ムサカ

これが焼き上がりです。

表面にこんがりとした焼き色が付き、ホワイトソースがとろっとした状態です。


ムサカの切り方

切り分ける際には、まず、クッキングシートの端をつかんで、ムサカを容器から取り出すといいです。

焼き上がりを5分ほど置くと、切り分けやすくなります。


ムサカの断面

断面は、ムサカらしいきれいな層状になります。

ムサカの保存

ムサカは、焼き立てが一番美味しいですけど、食べ切れない場合は冷蔵保存もできます。
ラップで覆って冷蔵庫に入れると、4〜5日ほど日持ちします。

わが家では、ムサカを冷蔵ストックして、少しずつ取り出してその都度温め直し、ワインなどのおつまみにするのが好評です。

ちなみに、冷蔵庫で少し冷やしたムサカは、出来たてのアツアツよりもずっと切り分けやすいです。


ムサカの保存と日持ち

ムサカは、マイルドなホワイトソースにコクのあるミートソース、そして香ばしく焼いた野菜の風味など、いろいろな味が重なっていて飽きが来ません。

スパイスは控えめなので、はじめての方でも食べやすいと思います。

見た目が豪華なので、パーティー料理としてもおすすめですよ。

最後に、本場ギリシャと日本のギリシャ料理店で供されている様々なムサカを写真でご紹介します。

本場ギリシャやトルコのムサカ

ギリシャ料理のムサカ

ここからは、本場ギリシャやトルコのムサカを中心にご紹介します。
ひとくちにムサカと言ってもいろいろあります。

たとえば、こちらは、ギリシャで最もポピュラーなかたちのムサカ。
四角く切り分けられ、断面からは層状になった野菜とソースがきれいに見えます。
冒頭でお伝えしたレシピも、これと同じく、焼いたあとに切り分けるのが特徴です。

冒頭のレシピは、シナモン・クローブ・ナツメグで風味付けしますが、この写真のムサカは、クミンやシナモンを使っています。

ハニアのレストランのムサカ
@ギリシャ クレタ島 ハニア


ギリシャ料理のムサカ

こちらは、日本の人気ギリシャ料理店で食べたムサカ。

先に紹介したムサカと同じく、四角く切り分けられています。
ポピュラーなかたちのムサカです。
日本には、横浜を中心にギリシャ料理店が何軒かありますが、殆どのお店で、こうした王道の四角いムサカが出てきます。

すでにお伝えした通り、焼き上がりをきれいに切り分けるには、ミートソースもホワイトソースも、水分を飛ばして固めに作る必要があります。

写真のムサカの味付けは、ほんのりスパイシーでとても美味しいです。

ギリシャレストラン「スパルタ」のムサカ
@横浜・関内


ギリシャ料理のムサカ

一方、こちらのムサカは、四角く切り分けるのではなく、はじめから小分けにして器に詰め、オーブンで焼き上げます。

こうしたスタイルの「ムサカ」は、層状になった断面は見えませんが、全体的に柔らかい食感で、とろとろのホワイトソースが楽しめる場合が多いです。
ギリシャの飲食店では、1皿分ずつ小分けにして、オーダーが入ったら焼いているようです。

この焼き方だったら、ホワイトソースやミートソースをあらかじめ仕込んでおけば、いつでもアツアツの出来たてが食べられます。
家庭でも使える作り方です。

レストラン「Diodos Agoras」のムサカ
@ギリシャ アテネ


ギリシャ料理のムサカ

このムサカは、じゃがいもとナス以外に、ズッキーニも具材として使っているのが特徴。
ムサカに使われる野菜は、じゃがいもとなすが最もポピュラーですが、ズッキーニ・カボチャ・インゲンなどが使われることもあります。

野菜の種類も、お好みでいろいろアレンジすると楽しいと思います。

このムサカは、やや柔らかめなので、形がそれほどかっちりとはしていません。
少し崩れたムサカもけっこう美味しそうです。

シナモンを少し効かせた味付けで、パルメザンチーズをたっぷりかけていただきます。

ミコノス島のレストランのムサカ
@ギリシャ ミコノス島


ムサカ(トルコ)

最後にご紹介するのは、トルコのムサカ。

ムサカと言えば、日本ではギリシャ料理として知られていますが、実はトルコが本家だと言う人もいます。

ギリシャのムサカは、すでにお伝えしたように、ナスやじゃがいもなどの野菜、ミートソースに加えて、ホワイトソースをたっぷり使って層状にして焼き上げます。
でも、トルコのムサカはホワイトソースを使わないのが特徴です。

トルコのムサカ
上の写真では隠れて見えませんが、耐熱皿の上には、たっぷりの油で焼いたナスが乗っています。
そしてその上に、羊肉・ピーマン・トマトなどで作ったミートソースをかけ、オーブンで焼き上げます。

なすの美味しさが引き立つ、こってりとした食べ応えのあるムサカで、ギリシャとはまた違った魅力があります。


「Istanbul Kebab Cafe Restaurant」のムサカ
@トルコ イスタンブール


以上、本場のムサカの種類やレシピについてお伝えしました。
ムサカは少し手間のかかるお料理ですが、とても美味しいので是非作ってみてください。

ところで当サイトでは、現地ギリシャでの経験をもとに、ギリシャ料理やギリシャの観光スポットについて、別記事で詳しく解説しています。
次の記事もあわせてぜひご覧ください。

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